木こりのろうそく橋
木こりのろうそく橋 Lumberjack’s Candle bridge | |
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木こりのろうそく橋 | |
基本情報 | |
国 | フィンランド |
所在地 | |
交差物件 | ケミ川 |
用途 | 道路橋 |
路線名 | 国道78号線 |
設計者 | SuunnitteluKortes |
着工 | 1987年 |
竣工 | 1989年 |
開通 | 1989年9月28日 |
座標 | 北緯66度30分10.0秒 東経25度44分35.5秒 / 北緯66.502778度 東経25.743194度座標: 北緯66度30分10.0秒 東経25度44分35.5秒 / 北緯66.502778度 東経25.743194度 |
構造諸元 | |
形式 | 斜張橋 |
材料 | 鉄筋コンクリート |
全長 | 327 m |
幅 | 25.5 m |
高さ | 47 m |
最大支間長 | 126 m |
地図 | |
木こりのろうそく橋の位置 | |
関連項目 | |
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木こりのろうそく橋[1](きこりのろうそくばし、英語: Lumberjack’s Candle bridge)またはヤトゥカンキュンッティラ橋(フィンランド語: Jätkänkynttilä-silta)[2][3]は、フィンランドにある橋である[4]。単にろうそく橋 (The Candle Bridge) [5][6]ともいう。
概要
[編集]橋は、1987年に着工、1989年に完成され、同年9月28日に開通した[7][4][8]。橋は、フィンランド北部の都市、ロヴァニエミの市街地とオーナスヴァーラの丘 (fi:Ounasvaara) とを結んでおり[9]、ケミ川に架けられている[1][10]。
橋は、フィンランドで最も長い歴史をもつ斜張橋であり[4]、鉄筋コンクリートで造られている[11]。この橋は、国道78号線の一部を構成する道路橋である[12]。
全長は、327 メートルである[7][11]。幅は、25.5 メートルである[12]。主塔の高さは、47 メートルである[12]。主塔の直径は、2.3 メートルである[12]。最大支間長は、126 メートルである[12]。
ヤトゥカンキュンッティラ (Jätkänkynttilä) とは、フィンランド語で「木こりのろうそく」という意味をもつ言葉である[13][14]。木こりのろうそくは、白樺などの丸太の中心に十文字の切り込みを入れ、そこに乾燥させた白樺の樹皮などの火付け材を詰め込み、点火し燃焼させるものである[1][15]。
橋は、木こりのろうそくをモチーフにしてデザインされた[16]。2本の塔の頂部には、木こりのろうそくの火に似た照明設備が設置されており、夜間に点灯される[7][17]。
ロヴァニエミは、木材の集積地として繁栄した歴史をもっており、この地では20世紀当時、木こりが最も一般的な職業であった[18][1]。この橋は、木こりを賞賛するために建設された[1][5]。
橋の所有者は、フィンランド道路・水路管理局 (Finnish Roads and Waterways Administration, RWA) および Roads and Waterways District of Lapland である[12]。設計は、 SuunnitteluKortes による[12]。チーフデザイナーは、ペッカ・プルキネン (Pekka Pulkkinen) が務めた[19]。1990年、建設工学と環境に関する賞を受賞している[20]。
周辺
[編集]ロヴァニエミには、ケミ川の他にオウナス川 (fi:Ounasjoki) が流れており、橋は、この2つの川が合流する地点の付近に位置する[16]。橋の西端にある木こり公園 (Jätkänpuisto) には、木こりの銅像 (fi:Jätkänpatsas) が建っている[1][21]。
南西へおよそ1キロメートル行ったところには、ロヴァニエミの図書館 (Rovaniemen kirjasto)、ラッピア・ハウス (fi:Lappia-talo)、市庁舎 (kaupungintalo) などがある[19]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f 『橋をめぐる物語』 2014, p. 92.
- ^ “Rovaniemi-tourist-map January2019”. Visit Rovaniemi. 2019年7月13日閲覧。
- ^ “Rakennetun kulttuuriympäristön selvitys - Rovaniemen keskustan osayleiskaava -alueella”. ロヴァニエミ市. 2019年7月14日閲覧。
- ^ a b c “ロヴァニエミ 北の文化の中心”. VisitFinland.com. 2019年7月14日閲覧。
- ^ a b “The Candle Bridge”. ロヴァニエミ市. 2019年7月13日閲覧。
- ^ 高橋絵里香. “サンタクロース村で有名、ロヴァニエミ/ラップランド”. オールアバウト. 2019年7月14日閲覧。
- ^ a b c “Pont des Trous Built”. Liceo Statale Galileo Galilei Dolo. 2019年7月14日閲覧。
- ^ “Tienpidon ja liikenteen suunnitelma 2019-2021”. 雇用経済省. 2019年7月14日閲覧。
- ^ 『橋をめぐる物語』 2014, p. 91.
- ^ “Top 5 easy-access nature spots in the Rovaniemi area in winter”. Visit Rovaniemi. 2019年7月14日閲覧。
- ^ a b 『橋をめぐる物語』 2014, p. 94.
- ^ a b c d e f g “Kemijoki River Bridge at Rovaniemi (Finland)”. E-Periodica. 2019年7月14日閲覧。
- ^ 靴家さちこ. “フィンランド発祥の?? 「木こりのろうそく」って何ですか?”. 一般社団法人 サンタクロース事務局. 2019年7月14日閲覧。
- ^ 井本敏和. “樵の蝋燭NOW”. 日本焚火学会. 2019年7月14日閲覧。
- ^ 井本敏和. “樵の蝋燭 Jätkänkynttilä に関する一考察”. 日本焚火学会. 2019年7月14日閲覧。
- ^ a b “木こりのロウソク”. メトス. 2019年7月14日閲覧。
- ^ 『橋をめぐる物語』 2014, p. 93.
- ^ “アルヴァ・アアルトとロヴァニエミの建築”. Visit Rovaniemi. 2019年7月14日閲覧。
- ^ a b “ARKKITEHTUURI KOHTEITA”. ロヴァニエミ市. 2019年7月14日閲覧。
- ^ “Projects - Cable stayed bridges”. Mestra Engineering. 2019年7月14日閲覧。
- ^ “Lumberjack Statue”. ロヴァニエミ市. 2019年7月13日閲覧。
参考文献
[編集]- 中野京子『中野京子が語る 橋をめぐる物語』河出書房新社、2014年3月。ISBN 978-4-309-02273-4。
外部リンク
[編集]- ウィキメディア・コモンズには、木こりのろうそく橋に関するカテゴリがあります。