映画人
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映画人(えいがじん、シネアスト、仏語cinéaste)は、映画を実践する芸術家をいう。この語は、ルイ・デリュック(1890年生 - 1924年没)によって1920年ころに発明されたもの。
概要
[編集]- ルイ・デリュック賞に名を残すデリュックは、「映画人(シネアスト)」という単語を発することによって、「商業」映画と「芸術」映画(つまり後者のみが研究対象)の間に横たわる差別構造に、異議を唱えようとしたのである。
- フランスの一部の映画の演出家たちは、「映画人(シネアスト)」の呼称を好む。というのも、「映画人」は、たったひとりの同一人物がつくりだすフィルム(映画作品)とその創造行為に対してより多くの言及をされるが、一方「演出家」というタームにあっては、むしろ仕事を共有しているということを喚起するからである。ひとりの「映画人」とは、いくぶん、作家であり演出家であり編集技師を兼ねた人物である、といえる。
日本での語の受容
[編集]- 「シネアスト」という響きはかなりスノッブなものであり、また「映画人」という語は、もともとの仏語の訳語から離れ、俳優を含めた、テレビと対比して、映画の世界に軸足を置いた活動をする表現者を呼ぶ傾向がある。
- 1980年代の一時期、青土社から『シネアスト 映画の手帳』というハイブラウな雑誌が編集・発行されていた。蓮實重彦責任編集の『季刊リュミエール』(筑摩書房刊)の創刊のころには休刊していた。