星空保護区
星空保護区（ほしぞらほごく、英：International Dark Sky Places）は、米国に本部を置く民間団体国際ダークスカイ協会（IDA）が、光害の影響のない、暗く美しい夜空を保護・保存するための施策や教育等の取り組みを行っている団体等を奨励するために2001年に開始した星空保護区認定制度に基づいて指定された地区等である。「星空保護区」は、日本においては一般社団法人星空保護推進機構の登録商標である[1]。
概要
[編集]星空保護区（International Dark Sky Places）には6つの区分があり[2]、認定の基準は区分ごとに異なる。例えば、ダークスカイ・コミュニティ （International Dark Sky Communities）の場合、対象は市町村等の法的に組織されたコミュニティに限られる一方、星空の質に関する基準は課せられない[3]。6区分合計で、2020年2月時点で130ヶ所が認定されている[2]。
日本における動き
[編集]日本では、石垣市及び竹富町の申請に基づき、2018年3月30日に八重山列島の西表石垣国立公園の陸域[注 1]が日本初の星空保護区（ダークスカイ・パーク）に認定された。ただし、認定基準を満たさない外灯が多数あるために暫定認定にとどまっており、石垣市及び竹富町は3年以内に改善し本認定を受けることを目指している[4][5]。
2020年12月1日、かねてより認定を目指し条例改正を進めてきた東京都神津島村[6]が日本で2番目の星空保護区（ダークスカイ・パーク）の認定を受けた[7][8][9]。IDAは神津島村に対して特別に「ダークスカイ・アイランド」という呼称の使用も認めている[10]。神津島村は正式認定となりこちらは日本初である。
2021年11月1日には美星町観光協会と協力して認定されるための活動を進めてきた[11]岡山県井原市が審査委員会の全会一致で日本で3番目の星空保護区（ダークスカイ・コミュニティ）に認定をされた[12]。コミュニティ部門としてはアジア初の認定である[12]。
神津島や美星町などでは、街灯を光害対策型の新型のもの（国際ダークスカイ協会（IDA）基準の、上方光束率0%かつ、色温度3000K以下の仕様）に交換する、商店の看板照明や自販機の照明などを夜の一定の時間に消灯するなどの取り組みを行っている。
福井県大野市[13]でも星空保護区認定を目指す動きがある[10]。
環境省では、民間による星空保護区等の取り組みとは別に、光害対策のための光害対策ガイドラインを定めている[14]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “商標照会 星空保護区”. J-PlatPat. 2020年4月18日閲覧。
- ^ a b “International Dark Sky Places”. International Dark-Sky Association. 2020年4月18日閲覧。
- ^ “How To Become An International Dark Sky Place”. International Dark-Sky Association. 2020年4月18日閲覧。
- ^ a b “星空保護区認定を報告”. 八重山毎日新聞. (2018年4月4日)
- ^ “国内初の星空保護区、沖縄に誕生 「ダークスカイ・パーク」西表石垣国立公園を暫定認定”. 沖縄タイムス. (2018年4月3日)
- ^ “東京・神津島村、「星空保護区」認定めざし条例”. 日本経済新聞. (2020年1月29日)
- ^ 東京都初！星空保護区認定決定/Kozushima Village has been Certified as Tokyo's First International Dark Sky Park神津島村2020年12月2日
- ^ 神津島が国内２例目の星空保護区に認定されました！IDA東京2020年12月2日
- ^ “東京都神津島村、「星空保護区」に認定”. 日本経済新聞. (2020年12月2日)
- ^ a b “神津島、国内2番目の星空保護区に認定”. アストロアーツ. (2020年12月9日)
- ^ “星空保護へ防犯灯更新を計画 美星町観光協 CFで交換費調達へ”. 山陽新聞. (2020年1月10日)
- ^ a b “【美星町】アジア初となる「星空保護区（コミュニティ部門）」に認定”. 井原市 (2021年11月1日). 2021年11月12日閲覧。
- ^ 『福井県大野市は、福井工業大学、パナソニックと共同で「星空に優しい照明」を試験設置、「星空保護区認定」を目指します』（プレスリリース）パナソニックプレスリリース、2020年10月29日。
- ^ 環境省 光害対策ガイドライン