日本資料専門家欧州協会
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日本資料専門家欧州協会(にほんしりょうせんもんかおうしゅうきょうかい、European Association of Japanese Resource Specialists)は、日本資料(図書館資料・情報資源)に関心を持つヨーロッパの専門家による団体[1]。略称はEAJRS[2](いーえーじぇーあーるえす)。会長はベルギー、ルーヴェン大学のウィリー・ヴァンドゥワラ[3]。
概要
[編集]EAJRSは1989年10月にベルリンで開催された、日本研究の研究者と情報専門家によるワークショップにおいて設立された[1][4]。その目的は、ヨーロッパ各地の日本研究機関の情報交換と、日本からの情報入手促進および普及にあった[5]。背景には、経済発展により日本情報への要求が高まったこと、円高により資料入手経費が高騰し協力体制が必要になったこと、情報技術の発展により遠隔地同士の連携が現実的になったこと、などがあげられる[1]。
翌1990年から毎年秋に年次大会が開催されている。大会参加者は主として欧州内の日本研究機関の研究者、司書、日本関係コレクションを所蔵する博物館の学芸員などだが[5]、広く開かれた会合なのでアーキビスト、出版社やデータベース業者など幅広い専門家が、欧州だけでなく米国や日本からも多数参加している[1]。
年次大会の他に、「崩し字ワークショップ」[6]、「在欧和古書保存ワーキンググループ」[7][8]の活動が行われている。
EAJRSの活動、ネットワークを基盤に実現したプロジェクトには、国文学研究資料館で公開している「日本古典籍総合目録データベース」などがある[1][9]。
年次大会の開催地(国)
[編集]- 1989年:ベルリン(西ドイツ)
- 1990年:ブダペスト(ハンガリー)
- 1991年:ベルリン(ドイツ)
- 1992年:ライデン(オランダ)
- 1993年:ストックホルム(スウェーデン)
- 1994年:ボン(ドイツ)
- 1995年:ウィーン(オーストリア)
- 1996年:ヴュルツブルク(ドイツ)
- 1997年:ハイデルベルク(ドイツ)
- 1998年:ルーヴァン(ベルギー)
- 1999年:クラクフ(ポーランド)
- 2000年:プラハ(チェコ)
- 2001年:ブラチスラバ(スロバキア)
- 2002年:パリ(フランス)[10]
- 2003年:ヴァランシエンヌ(フランス)
- 2004年:サラマンカ(スペイン)
- 2005年:ルンド(スウェーデン)
- 2006年:ヴェネツィア(イタリア)
- 2007年:ローマ(イタリア)
- 2008年:リスボン(ポルトガル)
- 2009年:ノリッジ(イギリス)
- 2010年:ジェノバ(イタリア)
- 2011年:ニューカッスル(イギリス)[11]
- 2012年:ベルリン(ドイツ)[12]
- 2013年:パリ(フランス)
- 2014年:ルーヴァン(ベルギー)
- 2015年:ライデン(オランダ)[13]
- 2016年:ブカレスト(ルーマニア)[14]
- 2017年:オスロ(ノルウェー)[15]
- 2018年:カウナス(リトアニア)[16]
- 2019年:ソフィア(ブルガリア)[17]
- 2020年:COVID-19の大流行により次年度に延期[18]
- 2021年:サンクトペテルブルク(ロシア)[19]
- 2022年:リスボン(ポルトガル)
- 2023年:ルーヴァン(ベルギー)[20]
脚注
[編集]- ^ a b c d e 江上敏哲『本棚の中のニッポン:海外の日本図書館と日本研究』笠間書院、2012年、86-89頁。ISBN 978-4-305-70588-4。 NCID BB0919843X。
- ^ “2022 Lisbon | European Association of Japanese Resource Specialists”. www.eajrs.net. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “European Association of Japanese Resource Specialists | European Association of Japanese Resource Specialists”. www.eajrs.net. 2023年5月17日閲覧。
- ^ “Background of the EAJRS | European Association of Japanese Resource Specialists”. www.eajrs.net. 2022年10月10日閲覧。
- ^ a b “CA1463 - EAJRS回顧と展望―今後への指標として― / 松江万里子 | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “NIJL/EAJRS Kuzushiji workshop | European Association of Japanese Resource Specialists”. www.eajrs.net. 2022年10月10日閲覧。
- ^ “kosho | European Association of Japanese Resource Specialists”. www.eajrs.net. 2022年10月10日閲覧。
- ^ 安江明夫 (2016-12). “在欧和古書保存プロジェクトの進展”. ネットワーク資料保存 (115): 1-4.
- ^ “国文学研究資料館 日本古典籍総合目録データベース”. base1.nijl.ac.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “E031 - 第13回EAJRS年次大会 <報告> | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “E1221 - 第22回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “E1348 - 第23回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “E1734 - 第26回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “E1862 - 第27回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “E1969 - 第28回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “E2073 - 第29回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “E2203 - 第30回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “2020 **| European Association of Japanese Resource Specialists”. www.eajrs.net. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “E2445 - 第31回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル”. current.ndl.go.jp. 2022年10月7日閲覧。
- ^ “2023 Leuven | European Association of Japanese Resource Specialists” (英語). 2023年6月28日閲覧。
参考文献
[編集]- 江上敏哲『本棚の中のニッポン = Japanese Studies Libraries in the World : 海外の日本図書館と日本研究』笠間書院、2012年。ISBN 978-4-305-70588-4。
- CA1463 - EAJRS回顧と展望―今後への指標として― / 松江万里子 2022年10月7日閲覧。
関連項目
[編集]- ヨーロッパ日本研究協会 - 略称EAJS、研究者の団体。
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト 2022年10月7日閲覧。