日本中毒情報センター
創立者 | 日本救急医学会 |
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団体種類 | 公益財団法人 |
設立 | 1986年7月24日 |
所在地 | 茨城県つくば市天久保1丁目1番地1 |
法人番号 | 6050005010703 |
活動内容 | 化学物質等に起因する急性中毒等について、一般国民及び医療従事者等に対する啓発、情報提供等を行う |
基本財産 | 20億5,161万7,734円 |
ウェブサイト |
www |
公益財団法人日本中毒情報センター(にほんちゅうどくじょうほうセンター)は、茨城県つくば市に本部を置く公益財団法人である。「中毒110番」の運営で知られる。英文名称はJapan Poison Information Center(略称 JPIC)。
沿革
[編集]1977年(昭和52年)、日本中毒情報センター設立に向けて、日本救急医学会に中毒小委員会が設置された。約10年の準備期間を経て1986年(昭和61年)7月24日、厚生大臣の設立認可を得て、財団法人日本中毒情報センターを設立した。本部事務局は東京都港区に置いた。
発足時は、救命救急センターを中心とした救急医療体制が整備されつつあり、中毒の治療部門の新設は不要とされた。また、分析センターの設置は、救命救急センターとの関連の中で考慮するのが合理的とされた。このような背景から、情報部門のみに特化した最小限必要なシステムとして、日本中毒情報センターが設立された[1]。
同年9月9日より、大阪府と茨城県の2か所で中毒110番の運営を開始。「大阪中毒110番」は直接運営、「つくば中毒110番」は、財団法人筑波メディカルセンターへの委託事業(2001年8月1日より直接運営に移行)で、両センターで交代制により24時間体制の情報提供を行った。
1994年(平成6年)12月12日より、大阪中毒110番、1996年(平成8年)3月1日からは、つくば中毒110番でダイヤルQ2を導入し、情報提供を有料にした。2006年(平成18年)9月9日からはダイヤルQ2を廃止し、一般向けの情報料を無料にした。2012年(平成24年)には内閣総理大臣の認定を受け、公益財団法人に移行した[2]。
事業内容
[編集]定款第3条では、本法人の設立目的として「化学物質等に起因する急性中毒等について、一般国民及び医療従事者等に対する啓発、情報提供等を行うことにより、わが国の医療の向上を図るとともに、広く公益に寄与することを目的とする」と定めている[3]。製造・販売事業者から提供された製品情報、電話相談の追跡調査による中毒症例などの情報を収集・整理し、「中毒110番」を通じた情報提供を行う。対象は洗剤や化粧品、ボタン型電池、たばこなどの家庭用品、農薬や工業薬品、毒蛇や毒キノコ、有毒植物などの自然毒、サリンなどの化学兵器等多岐にわたるが、ビー玉や硬貨など有毒性の懸念の無い異物誤飲、細菌性食中毒、薬物依存症、アレルギー、放射性同位元素等は対象としていない[4]。
厚生労働省の委託事業として「NBC災害・テロ対策研修」を主催。化学テロ発生時には、関係機関への情報提供を行う[5]。
中毒110番
[編集]茨城県つくば市と大阪府箕面市に、それぞれ一般市民向けと医療機関向け、賛助会員向けの3回線を開設。つくばでは9時から21時、大阪では24時間体制で電話を受け付ける。一般市民向けは情報料無料(通話料金は別途)、医療機関向けは1件あたり2000円の情報料が必要となる。このほか、自動音声応答によるたばこ誤飲専用ダイヤルがある。
2016年度の統計では、受信件数は34,201件(このほか「たばこ専用自動応答電話」6,956件)で、患者の年齢層別では5歳以下が77%を占めた。5歳以下の起因物質別分類では化粧品が最も多く、たばこがこれに次いだ[6]。
電話番号は公式サイトを参照。
脚注
[編集]- ^ “25周年を迎えた日本中毒情報センター”. ラジオNIKKEI スズケンDIアワー (2011年9月29日). 2018年9月28日閲覧。
- ^ “公式サイト「沿革」”. 2018年9月28日閲覧。
- ^ “公式サイト「定款」” (PDF). 2018年9月28日閲覧。
- ^ 「中毒情報センターの利用法」(PDF)『レジデント』第5巻第6号、医学出版、2012年、48-49頁、2018年9月28日閲覧。
- ^ “公式サイト「化学災害・化学テロ」”. 2018年9月28日閲覧。
- ^ “公式サイト「2016年度受信報告総括」”. 2018年9月28日閲覧。
外部リンク
[編集]- 公益財団法人日本中毒情報センター
- 日本中毒情報センター (@JPIC_Poisoninfo) - X(旧Twitter)