コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

新港 (神戸市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新港第四、第三、第二、第一突堤、中央は旧国立生糸検査所神戸税関

新港(しんこう)は、兵庫県神戸市中央区新港町および小野浜町にある、神戸港を構成する地区の名称である。

略歴

[編集]

明治時代末から大正時代にかけて埋立造成された新港第一~第四突堤(新港町側)は、歴史的建造物が点在する突堤袂のエリアと共に、古い港町の雰囲気をのこす。とりわけ旧生田川河口右岸(西岸)となる新港第一~第三突堤の袂のエリアは、網屋吉兵衛による「船たで場」(船舶の修理場)の築造に始まり、勝海舟の提言による神戸海軍操練所、神戸港開港時の波止場(のち神戸港第1波止場)が置かれた場所にあたる。一方、昭和時代に埋立造成された新港第五~第八突堤(小野浜町側)は、平成時代に各突堤間の水域が埋め立てられて新港東埠頭となった。

新港第四突堤の神戸ポートターミナルは日本最大の客船用ターミナルとして知られ、また新港第一~第四突堤は日本で初めてケーソン工法で建造された埠頭としても知られる[1]

年表

[編集]
  • 1907年明治40年) - 神戸港第1期修築工事(新港第1~第4突堤ほか)起工
  • 1913年大正2年) - 新港第1突堤(現・第4突堤)竣工、新港第4突堤(現・第1突堤)竣工
  • 1914年(大正3年) - 新港第3突堤(現・第2突堤)竣工
  • 1919年(大正8年) - 神戸港第2期修築工事(新港第5~第6突堤ほか)起工
  • 1920年(大正9年) - 新港第2突堤(現・第3突堤)竣工
  • 1927年昭和2年) - 神戸税関2代目庁舎竣工、旧神戸市立生糸検査所竣工
  • 1930年(昭和5年) - 新港貿易会館竣工
  • 1931年(昭和6年) - 新港第5突堤竣工、東から第1~第4としていた突堤の名称を西から第1~第4と変更
  • 1932年(昭和7年) - 旧国立生糸検査所竣工
  • 1936年(昭和11年) - 新港第6突堤竣工
  • 1953年(昭和28年) - 新港第7突堤(西)竣工
  • 1956年(昭和31年) - 新港第7突堤(東)竣工
  • 1959年(昭和34年) - 新港第8突堤(西)竣工
  • 1967年(昭和42年) - 新港第8突堤(東)竣工
  • 1970年(昭和45年) - 新港第4突堤に神戸ポートターミナル竣工、神戸大橋開通
  • 1997年平成9年)
    • 4月 - 新港第5~第8突堤間の名称を「新港東埠頭」と改称
    • 11月 - 新港第5~第6突堤間の埋立完了
  • 1998年(平成10年)7月 - 新港第6~第8突堤間の埋立完了
  • 1999年(平成11年)
    • 3月 - 新港第3突堤に新港フェリーターミナル竣工
    • 7月 - 神戸港港島トンネル開通、新港東埠頭連絡線完工
  • 2014年(平成26年)9月 - 新港第3突堤に神戸三宮フェリーターミナル竣工(新港フェリーターミナルの建て替え)

突堤(波止場)

[編集]
新港第一突堤西岸全景、接岸する日本丸II世海王丸II世
新港第二突堤、接岸する海王丸
神戸三宮フェリーターミナル(新港第三突堤)に接岸する「こうべエキスプレス」
神戸ポートターミナル(新港第四突堤)に接岸するふじ丸エキスプローラー

新港突堤は西から、旧居留地京町筋延長線上の第一突堤、阪神高速3号神戸線京橋出入口に近接する第二突堤、フラワーロード延長線上の第三突堤、神戸大橋でポートアイランドとつながる第四突堤で構成されている。新港東埠頭は、かつて第六突堤だった箇所に設けられた神戸港港島トンネルでポートアイランドとつながる。

新港第一突堤

[編集]

西岸からメリケンパークハーバーランドを至近距離から一望でき、東岸からは神戸大橋とポートアイランドを望むことができる。日本丸海王丸などの練習帆船は当突堤に停泊する。2012年11月に休遊地となっていた新港第一突堤を有効活用するため、神戸市が事業者を公募し(株)ラスイートが選定された。2014年2月には「ラスイート神戸新港第一突堤プロジェクト」が着工を迎え2015年12月17日に宿泊施設「神戸みなと温泉 蓮」、コンベンション施設「ラ・スイート神戸オーシャンズガーデン」がグランドオープンした。

新港第二突堤

[編集]

4棟の上屋(G上屋、旧H上屋、I上屋、J上屋)があり、そのうち旧H上屋は建て替えられH1上屋となっておりG上屋、I上屋に関しては解体済みである。今後、新港第二突堤の再開発でH1上屋、J上屋そして突堤中央部にある労働者休憩所が解体予定である。現在は、GLION ARENA KOBEが建設されており、2025年4月の開業を予定している。また、同施設を中核とした「TOTTEI(トッテイ)」の整備が予定されている。

新港第三突堤

[編集]

神戸三宮フェリーターミナル。東岸から新港第四突堤~神戸大橋~ポートアイランドを一望できる夜景の名所。ジャンボフェリー宮崎カーフェリーが運航するフェリーが発着する。(三ノ宮駅から神戸フェリーバスの有料送迎バス便あり)

1999年にジャンボフェリーが東神戸フェリーセンターから移転し「新港フェリーターミナル」として開業、2014年9月の改築で「神戸三宮フェリーターミナル」に改名され、10月には宮崎カーフェリーが大阪南港から移転して就航[2]。宮崎県へのフェリー航路は宮崎カーフェリーの前身となるマリンエキスプレスが1998年に東神戸フェリーセンター - 日向航路を休止して以来16年ぶりの再就航となる。

定期航路

[編集]
神戸三宮フェリーターミナル - 坂手港(小豆島)- 高松東港
神戸三宮フェリーターミナル - 宮崎港

館内施設

[編集]
1階
  • 正面玄関
  • きっぷ窓口
  • バリアフリートイレ
2階
  • 待合室
  • 売店
  • 公衆電話
  • 授乳室・トイレ
  • 乗船口
3階
  • 展望ラウンジ
  • 展望テラス

神戸三宮フェリーターミナル周辺

[編集]

新港第四突堤

[編集]

神戸ポートターミナル。水深12mから10mの6つのバースを有する日本最大の客船用ターミナル。CIQが設置されており、外国のクルーズ客船や日中定期国際フェリーが発着する。1921年(大正10年)に当突堤に建設された信号所1992年(平成4年)に高浜岸壁南端に移設されて、現在はハーバーランドのシンボルとなっている。新港第三突堤間の一部(基部)が2019年度より埋立工事に入っており、最終的には約1.6万平方メートルが埋立てられポートターミナルに停泊するクルーズ船の乗降客用のバスや三宮フェリーターミナルを発着するフェリー等の貨物車の待機場として整備される予定となっている。

新港東埠頭

[編集]

総面積約96ha。最新の波止場。

主な建築物

[編集]

所在地

[編集]

兵庫県神戸市中央区新港町(新港第一~第四突堤)・小野浜町(新港東埠頭)

交通アクセス

[編集]

当地区からメリケンパーク中突堤 - ハーバーランドの区間で都市索道が構想されている[3][4]

近隣の旅客船ターミナル

[編集]
かつて存在した主な旅客船ターミナル

周辺地区

[編集]

脚注

[編集]

外部リンク

[編集]