新港 (神戸市)
新港(しんこう)は、兵庫県神戸市中央区新港町および小野浜町にある、神戸港を構成する地区の名称である。
略歴
[編集]明治時代末から大正時代にかけて埋立造成された新港第一~第四突堤(新港町側)は、歴史的建造物が点在する突堤袂のエリアと共に、古い港町の雰囲気をのこす。とりわけ旧生田川河口右岸(西岸)となる新港第一~第三突堤の袂のエリアは、網屋吉兵衛による「船たで場」(船舶の修理場)の築造に始まり、勝海舟の提言による神戸海軍操練所、神戸港開港時の波止場(のち神戸港第1波止場)が置かれた場所にあたる。一方、昭和時代に埋立造成された新港第五~第八突堤(小野浜町側)は、平成時代に各突堤間の水域が埋め立てられて新港東埠頭となった。
新港第四突堤の神戸ポートターミナルは日本最大の客船用ターミナルとして知られ、また新港第一~第四突堤は日本で初めてケーソン工法で建造された埠頭としても知られる[1]。
年表
[編集]- 1907年(明治40年) - 神戸港第1期修築工事(新港第1~第4突堤ほか)起工
- 1913年(大正2年) - 新港第1突堤(現・第4突堤)竣工、新港第4突堤(現・第1突堤)竣工
- 1914年(大正3年) - 新港第3突堤(現・第2突堤)竣工
- 1919年(大正8年) - 神戸港第2期修築工事(新港第5~第6突堤ほか)起工
- 1920年(大正9年) - 新港第2突堤(現・第3突堤)竣工
- 1927年(昭和2年) - 神戸税関2代目庁舎竣工、旧神戸市立生糸検査所竣工
- 1930年(昭和5年) - 新港貿易会館竣工
- 1931年(昭和6年) - 新港第5突堤竣工、東から第1~第4としていた突堤の名称を西から第1~第4と変更
- 1932年(昭和7年) - 旧国立生糸検査所竣工
- 1936年(昭和11年) - 新港第6突堤竣工
- 1953年(昭和28年) - 新港第7突堤(西)竣工
- 1956年(昭和31年) - 新港第7突堤(東)竣工
- 1959年(昭和34年) - 新港第8突堤(西)竣工
- 1967年(昭和42年) - 新港第8突堤(東)竣工
- 1970年(昭和45年) - 新港第4突堤に神戸ポートターミナル竣工、神戸大橋開通
- 1997年(平成9年)
- 4月 - 新港第5~第8突堤間の名称を「新港東埠頭」と改称
- 11月 - 新港第5~第6突堤間の埋立完了
- 1998年(平成10年)7月 - 新港第6~第8突堤間の埋立完了
- 1999年(平成11年)
- 3月 - 新港第3突堤に新港フェリーターミナル竣工
- 7月 - 神戸港港島トンネル開通、新港東埠頭連絡線完工
- 2014年(平成26年)9月 - 新港第3突堤に神戸三宮フェリーターミナル竣工(新港フェリーターミナルの建て替え)
突堤(波止場)
[編集]新港突堤は西から、旧居留地京町筋延長線上の第一突堤、阪神高速3号神戸線京橋出入口に近接する第二突堤、フラワーロード延長線上の第三突堤、神戸大橋でポートアイランドとつながる第四突堤で構成されている。新港東埠頭は、かつて第六突堤だった箇所に設けられた神戸港港島トンネルでポートアイランドとつながる。
新港第一突堤
[編集]西岸からメリケンパークとハーバーランドを至近距離から一望でき、東岸からは神戸大橋とポートアイランドを望むことができる。日本丸や海王丸などの練習帆船は当突堤に停泊する。2012年11月に休遊地となっていた新港第一突堤を有効活用するため、神戸市が事業者を公募し(株)ラスイートが選定された。2014年2月には「ラスイート神戸新港第一突堤プロジェクト」が着工を迎え2015年12月17日に宿泊施設「神戸みなと温泉 蓮」、コンベンション施設「ラ・スイート神戸オーシャンズガーデン」がグランドオープンした。
新港第二突堤
[編集]4棟の上屋(G上屋、旧H上屋、I上屋、J上屋)があり、そのうち旧H上屋は建て替えられH1上屋となっておりG上屋、I上屋に関しては解体済みである。今後、新港第二突堤の再開発でH1上屋、J上屋そして突堤中央部にある労働者休憩所が解体予定である。現在は、GLION ARENA KOBEが建設されており、2025年4月の開業を予定している。また、同施設を中核とした「TOTTEI」の整備が予定されている。
新港第三突堤
[編集]神戸三宮フェリーターミナル。東岸から新港第四突堤~神戸大橋~ポートアイランドを一望できる夜景の名所。ジャンボフェリー、宮崎カーフェリーが運航するフェリーが発着する。(三ノ宮駅から神戸フェリーバスの有料送迎バス便あり)
1999年にジャンボフェリーが東神戸フェリーセンターから移転し「新港フェリーターミナル」として開業、2014年9月の改築で「神戸三宮フェリーターミナル」に改名され、10月には宮崎カーフェリーが大阪南港から移転して就航[2]。宮崎県へのフェリー航路は宮崎カーフェリーの前身となるマリンエキスプレスが1998年に東神戸フェリーセンター - 日向航路を休止して以来16年ぶりの再就航となる。
定期航路
[編集]- 神戸三宮フェリーターミナル - 宮崎港
館内施設
[編集]- 1階
- 正面玄関
- きっぷ窓口
- バリアフリートイレ
- 2階
- 待合室
- 売店
- 公衆電話
- 授乳室・トイレ
- 乗船口
- 3階
- 展望ラウンジ
- 展望テラス
神戸三宮フェリーターミナル周辺
[編集]新港第四突堤
[編集]神戸ポートターミナル。水深12mから10mの6つのバースを有する日本最大の客船用ターミナル。CIQが設置されており、外国のクルーズ客船や日中定期国際フェリーが発着する。1921年(大正10年)に当突堤に建設された信号所は1992年(平成4年)に高浜岸壁南端に移設されて、現在はハーバーランドのシンボルとなっている。新港第三突堤間の一部(基部)が2019年度より埋立工事に入っており、最終的には約1.6万平方メートルが埋立てられポートターミナルに停泊するクルーズ船の乗降客用のバスや三宮フェリーターミナルを発着するフェリー等の貨物車の待機場として整備される予定となっている。
新港東埠頭
[編集]総面積約96ha。最新の波止場。
主な建築物
[編集]- 神戸税関
- 旧国立生糸検査所
- 旧神戸市立生糸検査所
- 新港貿易会館
- 神戸築港資料館「ピアしっくす」 - 旧新港第六突堤前
- 神戸震災復興記念公園
- 神戸海軍操練所跡碑
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神戸税関
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旧国立生糸検査所
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旧神戸市立生糸検査所
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新港貿易会館
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神戸震災復興記念公園
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神戸海軍操練所跡碑
所在地
[編集]兵庫県神戸市中央区新港町(新港第一~第四突堤)・小野浜町(新港東埠頭)
交通アクセス
[編集]- 各線三宮駅/三ノ宮駅 徒歩20分
- ポートライナー ポートターミナル駅(新港第四突堤)
- Port Loop 三宮駅前、新港地区、ポートタワー、ハーバーランドを循環するバス。連節バスで運行される。
- 阪神高速3号神戸線京橋出入口
当地区からメリケンパーク・中突堤 - ハーバーランドの区間で都市索道が構想されている[3][4]。
近隣の旅客船ターミナル
[編集]- かつて存在した主な旅客船ターミナル
周辺地区
[編集]脚注
[編集]- ^ 神戸市:神戸建築物語 第1回 海と空 二つの神戸開港物語 新港地区の概要(2015年10月30日閲覧)
- ^ 新港突堤に神戸三宮フェリーターミナル完成 神戸 - 神戸新聞NEXT 2014年9月3日付(Archive.is)
- ^ “神戸港に海上ロープウエー構想 21年度調査へ”. 神戸新聞NEXT (2021年1月3日). 2021年2月7日閲覧。
- ^ “神戸港海上に都市型ロープウェイ建設構想が遂に浮上! 21年度に調査検討実施へ”. こべるん (2021年1月4日). 2021年2月7日閲覧。