文化の家 (フィンランド)
文化の家 | |
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Kulttuuritalo | |
文化の家の位置 | |
概要 | |
用途 | 多目的施設 |
所在地 | ストゥレンカトゥ通り4番地 |
自治体 | ヘルシンキ |
国 | フィンランド |
座標 | 北緯60度11分18.0秒 東経24度56分39.4秒 / 北緯60.188333度 東経24.944278度座標: 北緯60度11分18.0秒 東経24度56分39.4秒 / 北緯60.188333度 東経24.944278度 |
着工 | 1955年 |
完成 | 1958年 |
技術的詳細 | |
階数 | 5 |
設計・建設 | |
建築家 | アルヴァ・アールト |
ウェブサイト | |
www |
文化の家(ぶんかのいえ、英: House of Culture)またはクルトゥーリタロ(フィンランド語: Kulttuuritalo)は、フィンランドにある建築物である[1]。ヘルシンキのアルッピラ地区(en:Alppila)のストゥレンカトゥ通り(fi:Sturenkatu)4番地に所在する[2][3]。戦後モダニズム建築に分類される[4]。設計は、建築家アルヴァ・アールトによる[5]。文化会館ともいう[6]。
来歴
[編集]1951年、文化の家の建設を管理・監督する会社として、Helsingin Kulttuuritalo Oy が設立されている[7]。アールトは、フィンランド国民年金協会の本部ビルを設計したときに知り合ったフィンランド共産党の政治家、マッティ・ヤンフネン(fi:Matti Janhunen)から、フィンランド人民民主同盟(en:Finnish People's Democratic League)の本部の他に、文化センターや協会施設といった機能を合わせもつ複合施設の設計を、1952年に依頼される[4][5]。同年、詳細な設計のドラフトが、アールトによって作成された[4]。
1955年、建設工事が開始される[8][1]。建設工事には、5,000人を超える人々が携わったとされ、多くはボランティアで行われた[1]。1958年、建設工事が完成される[8]。1980年代の末までに、幾度か改修工事が実施されている[4]。1989年、建造物保護法が適用される[4][6]。2013年、リノベーション工事が行われている[3]。
構造
[編集]文化の家を構成する主な棟は、コンサートホール棟と事務室棟であり、これらの2棟は、敷地の通り側ではキャノピーによって、敷地の奥では講義室棟によって接続されている[1][2][9]。
コンサートホール棟は、扇状に広がっており、1,500席以上の席をもつコンサートホールの他に、劇場やレストランを有している[1][6][10][11]。この棟のファサードは凸状になっており、アールトによって開発された特殊な曲線形状のレンガが用いられている[1]。
事務室棟は、5階建てであり、会議室などを有している[6][9]。この棟は、直方体の形状をしており、銅板で仕上げられている[9]。講義室棟は、中央棟とも呼ばれ、講義室やロビーなどを有している[1]。
キャノピーは、60メートルほどの長さをもち、キャノピーを支える柱には、圧延鋼材が剥き出しのまま用いられている[8]。コンサートホール棟と事務室棟に挟まれた空間は、中庭になっており、講義室やクラブ室への入口の他に、レストランへの入口がある[8][12]。中庭には、彫刻家ヴァイノ・アールトネンの手になる青銅製の彫刻作品がある[2][13][14]。この彫刻は、文化の家の模型を持っている手をかたどったものである[2]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g 『もうひとつの自然』 2018, p. 208.
- ^ a b c d 『建築ガイドブック』 2009, p. 8.
- ^ a b “STURENKATU 4”. Senaatti-kiinteistöt. 2020年4月5日閲覧。
- ^ a b c d e “House of Culture”. DOCOMOMO. 2020年4月5日閲覧。
- ^ a b “HOUSE OF CULTURE”. Alvar Aalto Foundation. 2020年4月5日閲覧。
- ^ a b c d “文化会館”. Visit Alvar Aalto. 2020年4月5日閲覧。
- ^ “KULTSAN HISTORIA”. Kulttuuritalo. 2020年4月5日閲覧。
- ^ a b c d “22-文化の家 「クルトゥーリタロ」Kulttuuritalo 1952~58 A.AALTO / Helsinki Finland No.1/30”. 多摩美術大学 環境デザイン学科 (旧)平山研究室 (2005年6月19日). 2020年4月5日閲覧。
- ^ a b c 『エレメント&ディテール』 2018, p. 50.
- ^ “House of Culture”. Visit Alvar Aalto. 2020年4月5日閲覧。
- ^ 小山義尚, 黒岩俊介「アルヴァ・アアルトの作品における扇形プランの変遷に関する研究」『広島工業大学紀要. 研究編』第44巻、広島工業大学、2010年2月、297-305頁、CRID 1050858707644922624、ISSN 13469975、2024年3月28日閲覧。
- ^ “文化の家 「クルトゥーリタロ」Kulttuuritalo 1952~58 A.AALTO / Helsinki Finland No.8/30”. 多摩美術大学 環境デザイン学科 (旧)平山研究室 (2005年6月18日). 2020年4月5日閲覧。
- ^ “文化の家 「クルトゥーリタロ」Kulttuuritalo 1952~58 A.AALTO / Helsinki Finland No.10/30”. 多摩美術大学 環境デザイン学科 (旧)平山研究室 (2005年6月18日). 2020年4月5日閲覧。
- ^ “文化の家 「クルトゥーリタロ」Kulttuuritalo 1952~58 A.AALTO / Helsinki Finland No.11/30”. 多摩美術大学 環境デザイン学科 (旧)平山研究室 (2005年6月18日). 2020年4月5日閲覧。
参考文献
[編集]- 和田菜穂子(編)『アルヴァ・アアルト もうひとつの自然』国書刊行会、2018年10月。ISBN 978-4-336-06289-5。
- Michael Trencher 著、平山達 訳『アルヴァー・アアルト - 建築ガイドブック』丸善、2009年4月。ISBN 978-4-621-08098-6。
- 小泉隆『アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール』学芸出版社、2018年3月。ISBN 978-4-7615-3240-6。