教義学
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教義学(きょうぎがく、英語: dogmatics[1], Dogmatic theology, ドイツ語: Dogmatik)は、ある宗教の教義に関する学問[2]。ふつうキリスト教神学の一部門を指し[3]、聖書で教えられている神についての諸真理を組織的、体系的に論述しようとする学問である。教義学は釈義神学、聖書神学、弁証学、実践神学、歴史神学などの神学諸学科の中でも中心的な位置を占め、その内容は、神論、人間論、キリスト論、救済論、教会論、終末論から成り立っている。
正教会においては定理神学と訳される。これはドグマ(dogma)が「定理」と訳されたことによる[4]。またカトリック教会などにおいては教義神学[5]または教理神学とも訳される[1]。一般的にプロテスタントの用語である組織神学 (Systematic Theology) の狭義とほぼ同義[6]とする神学者が多いが、カール・バルトなどは組織神学と区別して、教義学と呼ぶ[7]。
歴史
[編集]L・F・ラインハルト(1623-1688)の『教義学概論』(1659年)で初めて、書籍の題名に教義学という名称が用いられた[8]。それ以降、シュッドの『教義神学』、ハーマン・バーヴィンクの『改革派教義学』、ユリウス・カフタン『キリスト教教義学』、カール・バルトの『教会教義学』などによって広く用いられた。
教会の信条との相違点
[編集]教義学は、教会の教義の作成を目的としている。教会の信条とは以下の二点において異なる。
- 教会の信条は簡潔であり、キリスト教にとって最も本質的な教理に限定されている。しかし、教義学はもっと、詳細に叙述されており、包括的な内容である。
- 教会の信条は、教会会議によって公的に承認されているので権威と伝統がある。しかし、教義学はそのような権威を帯びてはない。
主な教義学者
[編集]脚注
[編集]- ^ a b 「教義学」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』、ブリタニカ・ジャパン、コトバンク。2023年12月29日閲覧。
- ^ 「教義学」『精選版 日本国語大辞典』小学館、コトバンク。2023年12月29日閲覧。
- ^ 「教義学」『デジタル大辞泉』小学館、コトバンク。2023年12月29日閲覧。
- ^ モスクワ府主教マカリイ1世著『正教定理神学』1頁 - 2頁
- ^ 『曙光 長司祭牛丸康夫遺稿集』249頁 - 250頁
- ^ 「組織神学」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』、ブリタニカ・ジャパン、コトバンク。2023年12月29日閲覧。
- ^ 松田一男「教義学」『新キリスト教辞典』いのちのことば社、1991年、294頁。
- ^ Gerhard Müller, Horst Balz, Gerhard Krause (Hg.): Theologische Realenzyklopädie, Bd. 9 Berlin (de Gruyter) 1982, S.42.
参考文献
[編集]- 松田一男「教義学」『新キリスト教辞典』いのちのことば社、1991年、293-294ページ