政府機関オフザシェルフ
政府機関オフザシェルフ（英語: Government off-the-shelf、GOTS、ゴッツ）は、政府機関によって使用されているソフトウェアおよびハードウェアのうち、政府機関によって作成および所有されているものを指す用語である[1][2][3][4][5]。
概要
[編集]一般的にGOTS製品は、それが作成された政府機関の技術職員によって開発される。外部の業者によって開発されることもあるが、その場合は政府機関からの資金提供と仕様決定が行われる。政府機関はGOTS製品のすべての側面を直接調整できるため、政府機関で使用する製品の採用においてこの方式が取られる場合も多い。
GOTSソフトウェアソリューションは通常、政府機関であれば、追加コストなしで共有することができる。GOTSハードウェアソリューションは相応の予算がかかるが、研究開発（R＆D）にかかるコストの回収は見込めない。
GOTS製品の開発および保守費用は全て政府が負担する。そのため、GOTS製品は政府にこれらのコストを負担する余裕がない場合、陳腐化するリスクがある。また、GOTS製品は政府機関による使用のために政府機関によって作成されているため、ユーザー数が限られている。これも、陳腐化の要因の一つとなる[6][7]。
GOTSが取り入れられたソフトウェアの例
[編集]- Interactive Scenario Builder（英語版）[8] - アメリカ海軍によって開発された3D戦術シミュレーションツール。
- Naval Simulation System（NSS）[9]
- Personal Computer Debriefing System（PCDS）[10]
- SIMDIS（英語版）[8][7] - アメリカ海軍調査研究所によって開発されたソフトウェア。
- TractorFax （TFT）[11]
- VistA（退役軍人健康情報システムと技術アーキテクチャ）（英語版）[12]
- 自衛隊のC4Iシステム
関連項目
[編集]- 商用オフザシェルフ（COTS）
- フリーオープンソースソフトウェア（FOSS）
脚注
[編集]参考文献
[編集]- ^ “Government Off-The-Shelf - Glossary | CSRC” (英語). Computer Security Resource Center. National Institute of Standards and Technology. 2020年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。27 February 2021閲覧。
- ^ “DISA - Data Rights/Intellectual Property”. Defense Information Systems Agency. 2020年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。27 February 2021閲覧。
- ^ Stephen J. Bigelow，TechTarget (2020年11月18日). “「COTS」「GOTS」の基本的な違いとは？ 政府機関のIT基礎用語：「COTS」と「GOTS」を比較【前編】 - TechTargetジャパン 経営とIT”. TechTargetジャパン (アイティメディア株式会社) 2021年7月26日閲覧。
- ^ Stephen J. Bigelow，TechTarget (2020年11月26日). “政府機関が「GOTS」から「COTS」に移るべき4つの長所、無視できない2つの短所：「COTS」と「GOTS」を比較【中編】 - TechTargetジャパン 経営とIT”. TechTargetジャパン (アイティメディア株式会社) 2021年7月26日閲覧。
- ^ Stephen J. Bigelow，TechTarget (2020年12月2日). “「COTS」ではなく「GOTS」を選ぶメリットと、無視できないリスクとは：「COTS」と「GOTS」を比較【後編】 - TechTargetジャパン 経営とIT”. TechTargetジャパン (アイティメディア株式会社) 2021年7月26日閲覧。
- ^ “Open Source Software FAQ”. Department of Defense Chief Information Officer. United States Department of Defense. 2021年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。27 February 2021閲覧。
- ^ a b Sankar. “When is GOTS not in the national interest?”. FedScoop. Scoop News Group. 27 February 2021閲覧。
- ^ a b “NRL Highlights New Model Enhancements”. Show Daily. I/ITSEC (National Training and Simulation Association). (1 December 2016). オリジナルの2021年2月27日時点におけるアーカイブ。 27 February 2021閲覧。
- ^ Alspaugh, Chris; Hepner, Tom; Tran, Cam; Youm, Wonita; Legaspi, Albert; Ferenci, Steve; Fujimoto, Richard; Choi, Myung. “Network Warfare Simulation”. CHIPS. Department of the Navy Chief Information Officer (July-September 2004). オリジナルの2020年10月31日時点におけるアーカイブ。 27 February 2021閲覧。
- ^ “Live-Virtual-Constructive Architecture Roadmap Implementation, Common Capabilities - Reusable Tools Implementation Plan”. Modeling and Simulation Enterprise. United States Department of Defense (March 2010). 2021年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。27 February 2021閲覧。
- ^ “About TractorFax: Created by the events of 911, perfected by end users input, confirmed by NIMS STEP”. SlideShare (4 November 2014). 27 February 2021閲覧。
- ^ Hynes, Denise M.; Perrin, Ruth A.; Rappaport, Steven; Stevens, Joanne M.; Demakis, John G. (September 2004). “Informatics Resources to Support Health Care Quality Improvement in the Veterans Health Administration”. Journal of the American Medical Informatics Association 11 (5): 344–350. doi:10.1197/jamia.M1548. PMC 516240. PMID 15187063.
- ^ a b c d e 『入札公告（指揮通信系の情報システムの事業化及び調達プロセスにおける技術支援〔適合条件〕）』（プレスリリース）防衛省経理装備局会計課、2015年3月16日。2021年7月26日閲覧。
- ^ a b c d e 『入札公告（指揮通信系の情報システムの事業化及び調達プロセスにおける技術支援（その２）〔適合条件〕）』（プレスリリース）防衛省大臣官房会計課、2016年10月19日。2021年7月26日閲覧。