振動分光法
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振動分光法(しんどうぶんこうほう)とは、測定対象に電磁波を照射し、透過(あるいは反射)光を分光することでスペクトルを得て、対象物の分子振動や格子振動、分子間振動などの特性を知る方法のことをいう。対象物の分子構造や状態を知るために使用される。
概要
[編集]かつて振動分光法といえば基準振動を扱う赤外分光法、ラマン分光法とほぼ同義であったが、近年では近赤外分光法や分子間振動を扱うテラヘルツ分光法も含めて構成される[1]。短パルス光源の実用化に伴い、従来の手法では困難だった分析が可能になりつつある。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 森澤勇介, 保科宏道, 尾崎幸洋「広がる振動分光法の世界 : 超短パルス光源がもたらした進歩」(PDF)『光学』第40巻第8号、応用物理学会分科会日本光学会、2011年8月、388-401頁、ISSN 03896625、NAID 10029467680。
参考文献
[編集]- 坪井正道「振動分光法による生体物質の研究 (赤外・ラマン・振動-1-基礎と最近の進歩)」『化学の領域 増刊』第139号、南江堂、1983年7月、p119-134、ISSN 03686299、NAID 40000431241。
- 長尾忠昭, 大島忠平「小特集 振動分光の最先端 高分解能電子エネルギー損失分光装置の高性能化の歴史」『表面科学』第15巻第3号、日本表面科学会、1994年、145-151頁、doi:10.1380/jsssj.15.145、ISSN 0388-5321、NAID 130003683420。
- 山内繁, 小泉章夫, 栗本康司, 田村靖夫「振動分光法による木材および木質材料の研究(第1報) ラマン散乱測定による木材中のMDIの検出」『日本接着学会誌』第32巻第12号、日本接着学会、1996年12月、453-456頁、ISSN 09164812、NAID 10002118955。
- 鍵裕之, 奈良雅之, 「微小領域での振動分光法とその地球化学研究への応用」『地球化学』 32巻 2号 1998年 p.45-69, 日本地球化学会, doi:10.14934/chikyukagaku.32.45, NAID 110008679946
- 鍵裕之, 含水高圧相のスペクトロスコピー : 地球ダイナミクスへの物理化学的アプローチ」『鉱物学雜誌』 27巻 1号 1998年 p.33-43, 日本鉱物科学会, doi:10.2465/gkk1952.27.33, NAID 130003623855
- 貝原巳樹雄. "先端材料開発における振動分光分析法の応用, 逆問題解析と森林学習法の応用." CMC 出版 (2007): 90-109.
- 依田芳卓「核共鳴振動分光の生物学分野への応用 : 酵素活性中心のプローブとして」『放射光』第29巻第3号、日本放射光学会、2016年5月、150-157頁、ISSN 0914-9287、NAID 40020894987。