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抗酸菌症治療薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

抗酸菌症治療薬(こうさんきんしょうちりょうやく)とは、抗酸菌感染症に対して用いられる抗菌薬の一群を指す用語である。

一般的な細菌とは異なり、抗酸菌は発育が遅く、細胞壁の代謝は遅い上にミコール酸を多く含む。そのため、抗酸菌は一般的に抗菌剤に対しての感受性を、ペニシリン系セフェム系カルバペネム系といったβラクタム系抗生物質は持たないことが多い。

また結核菌非結核性抗酸菌癩菌のそれぞれも薬剤感受性に特徴があり、治療方針に相違がある。抗酸菌は、DNA代謝阻害薬、葉酸代謝阻害薬、蛋白代謝阻害薬には感受性を示すことが多い。

結核菌

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薬剤耐性菌を誘導しないため、3剤以上を確実に一定期間服用させる治療が標準的である。WHOは Direct Observed Treatment Short-course(DOTS, 直接監視下短期化学療法)を推奨する。標準的では、最初の2か月をINH+RFP+PZA+(SM または EB)の4剤で治療し、その後の4か月間をINH+RFP の2剤かINH+RFP+EBの3剤で治療するが、薬剤に対する耐性やアレルギー、副作用のため、組み合わせを変更せざるを得ないこともある[1]

非結核性抗酸菌

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結核菌に準じた薬剤が効果を示すことが多い。一般的にはCAM+RFP+EB+SMの4剤併用である。薬剤に抵抗性を示す菌種も多く、組み合わせを変更して加療することも多い。

癩菌

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この3剤併用が標準的治療である。

標準的治療が副作用などのため施行できないときには、薬剤感受性も検討した上で、代替薬として用いられることもある。

脚注

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