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抗破傷風免疫グロブリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
臨床データ
販売名 HyperTET S/D, others
Drugs.com monograph
胎児危険度分類
  • US: C
データベースID
ChemSpider none
別名 tetanus immune globulin, tetanus antitoxin
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抗破傷風免疫グロブリン(こうはしょうふうめんえきグロブリン、anti-tetanus immunoglobulin)は、破傷風免疫グロブリン(はしょうふうめんえきグロブリン、TIG)または破傷風抗毒素(はしょうふうこうどくそ)として知られ、抗体から作られる破傷風毒素に対する薬剤である[1]破傷風の予防のために、傷口からの感染リスクが高いヒトや破傷風ワクチン予防接種を完全に受けていないヒトに投与される[1]。破傷風の治療には抗生物質筋弛緩剤が共に用いられる[1]。投与法は筋肉内注射である[1]

よくみられる副作用には穿刺による痛みと発熱があげられる[1]。稀にアナフィラキシーなどのアレルギー反応を起こすことがある[1]。その他の副作用には非常にリスクは低いが、ヒトから作られた抗破傷風免疫グロブリンの使用によりウイルス性肝炎HIV/エイズなどの感染症にかかる可能性がある[1]妊娠中のヒトへの投与は許容される[2]。抗破傷風免疫グロブリンはヒトまたは血漿から作られる[1][3]

馬から作られた抗破傷風免疫グロブリンが一般的に用いられるようになったのは1910年代であり、ヒトから作られた抗破傷風免疫グロブリンの使用が頻繁になったのは1960年代である[4]世界保健機関の必須医薬品リストに掲載されており、最も効果的で安全な医療制度に必要とされる医薬品である[5]開発途上国での卸売価格は馬から作られたものは1500iuのバイアルにつき0.90から3.60米ドル、ヒトから作られたのもは250iuのバイアルにつき10.00から46.86米ドルである[6][7][8]。開発途上国ではヒトから作られたものが入手できないことがある[3]。米国での一貫の治療にかかる費用は約100から200米ドルである[9]先進国では馬から作られたものは血清病のリスクがあるため一般的に使われない[10]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h Tetanus Immune Globulin”. The American Society of Health-System Pharmacists. 9 January 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。8 January 2017閲覧。
  2. ^ Tetanus immune globulin Use During Pregnancy | Drugs.com”. www.drugs.com. 9 January 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。8 January 2017閲覧。
  3. ^ a b (英語) International Encyclopedia of Public Health (2 ed.). Academic Press. (2016). p. 161. ISBN 9780128037089. オリジナルの2017-01-09時点におけるアーカイブ。. https://books.google.ca/books?id=WAnpCgAAQBAJ&pg=RA6-PA161 
  4. ^ Plotkin, Stanley A.; Orenstein, Walter A.; Offit, Paul A. (2012) (英語). Vaccines. Elsevier Health Sciences. pp. 103, 757. ISBN 1455700908. オリジナルの2017-01-09時点におけるアーカイブ。. https://books.google.ca/books?id=hoigDQ6vdDQC&pg=PA103 
  5. ^ WHO Model List of Essential Medicines (19th List)”. World Health Organization (April 2015). 13 December 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。8 December 2016閲覧。
  6. ^ Tetanus Antitoxin”. International Drug Price Indicator Guide. 8 December 2016閲覧。
  7. ^ Immunoglobulin Prices 2013 - PAHO/WHO”. PAHO. 7 June 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。8 January 2017閲覧。
  8. ^ Immunoglobulin, Anti-Tetanus”. International Drug Price Indicator Guide. 8 December 2016閲覧。
  9. ^ Hamilton, Richart (2015). Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2015 Deluxe Lab-Coat Edition. Jones & Bartlett Learning. p. 320. ISBN 9781284057560 
  10. ^ Fauci, Anthony S.; Braunwald, Eugene; Kasper, Dennis L.; Hauser, Stephen; Longo, Dan; Jameson, J. Larry; Loscalzo, Joseph (2008) (英語). Harrison's Principles of Internal Medicine, 17th Edition. McGraw Hill Professional. p. 773. ISBN 9780071641142. オリジナルの2017-01-09時点におけるアーカイブ。. https://books.google.ca/books?id=_YqKAwAAQBAJ&q