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抗拒不能

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

抗拒不能 (こうきょふのう、英: inability to resist) とは、物理的または心理的に抵抗することが著しく困難な状態を意味する法用語

主に性犯罪に対して用いられる。

概要

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抗拒不能とは、精神障害泥酔状態などの心神喪失を除く、物理的または心理的に抵抗することが著しく困難な状態を指す。例えば、手足を縛られている、高度の恐怖、驚愕に陥っているなどである。この用語は主に性犯罪に対して用いられ、それ以外の場面ではほとんど使われない。2023年7月まで存在した日本の刑法178条の準強制わいせつ及び準強制性交等罪(現在の不同意わいせつ及び不同意性交罪に相当)の条文に記載されていた。

旧刑法176〜178条に記載されている条文は以下の通りである。

刑法176条 強制わいせつ罪
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
刑法177条 強制性交等罪
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
刑法178条 準強制わいせつ及び準強制性交等
1. 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2. 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

以上の条文の通り、相手が心神喪失の場合も含め、抗拒不能の状態でわいせつな行為または性交等を行った場合には、準強制わいせつ及び準強制性交罪が成立していた。

外部リンク

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