投票済証明書
投票済証明書(とうひょうずみしょうめいしょ)とは、各種選挙の投票後にその証明として選挙管理委員会から交付される証明書である。日本の一部地域で見られる。
概説
[編集]投票済証明書は投票の証として発行されるものではあるが、法的根拠はなく、投票済証明書の発行は各市区町村選挙管理委員会の判断に委ねられている[1]。
そのため表記は自治体によって揺れが見られ、投票証明書(とうひょうしょうめいしょ)・投票済証(とうひょうずみしょう)[2]などの名称などが使われる場合もある。また決まった形式も定められていないため、用紙の材質、サイズ、書式も自治体によって区々である。
自治体によっては投票率アップにつながることを狙い、キャラクターをあしらうなど独自のデザインを凝らしたものも出てきている[3]。
証明書の交付申請が少ない地域では、事前に投票所に用意されていないこともあり、その場合は現場で作成される。
投票済証明書をめぐる賛否
[編集]投票済証明書は政治団体により影響力を誇示し支持を働きかける目的で利用されてきたとされる。
労働組合では投票率アップのために組合役員に投票済証の持参を呼びかけている場合もある[2]。
投票済証明書をめぐっては賛否両論がある[2]。
- 肯定的意見
- 否定的意見
総務省の調査では2017年の第48回衆議院議員総選挙で全国1741自治体の半数を超える966自治体が投票済証明書を発行した[5]。埼玉県・ 神奈川県・岐阜県・愛知県・滋賀県・兵庫県の6県では全自治体が発行した一方で、長崎県ではどこの自治体も発行しなかった[5]。
愛知県選挙管理委員会では労働組合による利用を懸念する意見が出されたことから、市町村選管への指示を消極的なものに改定している[6]。
大阪市のように発行を中止する自治体もある[7]。
脚注
[編集]- ^ 投票済証明書は、発行していますか? 徳島市選挙管理委員会事務局、2017年2月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g “参院選「投票済証」…賛否・対応バ~ラバラ”. 読売新聞 (読売新聞社). (2010年7月8日). オリジナルの2010年7月10日時点におけるアーカイブ。 2019年7月17日閲覧。
- ^ “「済証」目当てでもいいから投票に来て 都知事選と都議補選 一部の区、投票率アップへデザインひと工夫”. 東京新聞 (中日新聞社). (2024年6月29日) 2024年6月29日閲覧。
- ^ a b c d 甲州市では、投票済証明書を発行していません。 甲州市、2017年2月5日閲覧。
- ^ a b 投票済み証明書もらいました?交付に地域差、組織利用も、朝日新聞デジタル、2019年7月16日09時54分。
- ^ “「後ろ向き」批判も 投票済証指示改訂”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2007年6月22日). オリジナルの2010年7月5日時点におけるアーカイブ。 2019年7月16日閲覧。
- ^ 参院選「投票済み証」も熱く ゆるキャラ、御朱印…やめる自治体も、毎日新聞、2022年7月7日。
関連項目
[編集]- センキョ割 - 適用のために証明書の提示を求められることが多い。