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投企

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

投企(とうき)とはマルティン・ハイデッガーによって提唱された哲学概念。被投という形で生を受けた人間は、常に自己の可能性に向かって存在している。これが投企である。人間というもののあり方というのは、自分の存在を発見、創造するということである。そのために、我々は現在から未来に向かって進むということであり、そのために自分自身を未来に投げかけていくということが投企というわけである。我々、人間にこれが可能なのは意味理解することが可能なためであり、このことから物事の知覚意識が構成されていく。そのときに自分と関わりのあるものが存在するということであり、関わりのないものは存在しないということになる。例えば社会に大勢の人間が存在しているとしても、その中で目に付くのは自分と関わりのある人間のみであり、その他大勢の人間は意識することなく存在していないも同然といった形にである。

外部リンク[編集]

  • 投企 とは - コトバンク
  • 17.哲学入門、哲学的に物事を考えるとは~西洋哲学史を巡って~ - 16. 現実に生きている人間の立場、実存主義の「サルトル」
  • 杉藤雅子「第三章 『ピュロスとシネアス』における実存思想」『自由と承認 : シモーヌ・ド・ボーヴォワールの倫理思想』早稲田大学〈博士(文学) 甲第3446号〉、2011年。 NAID 500000558918https://hdl.handle.net/2065/37685