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リストロック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
手首固めから転送)
スタンド状態からリストロックを極めるウィリアム・リーガル

リストロックは、相手の手首を極める格闘技における関節技である。和名は小手挫(こてくじき)[1]手首固め(てくびがため)であり、ブラジリアン柔術ではモンジバカと呼ばれる[2]合気道では三教(さんきょう)や小手返し(こてがえし)などリストロックを応用した技が多い。

概要

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手首という末端の関節を極めるため、そのバリエーションは豊富である。

スタンドでもグラウンドでも極めることができ、またグラウンド状態では上からでも下からでも極めることができる。加えてV1アームロックオモプラッタ腕挫腋固ハンマーロックテレフォンアームロック等、様々な技と組み合わせ、または連絡させることができる。

見かけは地味な技だが、極められた相手は激痛を伴う。また、手首関節を損傷すると修復は非常に時間がかかるため練習の際には注意が必要である。

K-1 PREMIUM 2004 Dynamite!!においてホイス・グレイシーは、との対戦でオモプラッタからのリストロックで勝利した。

禁止技化

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柔道では1899年大日本武徳会において大日本武徳会柔術試合審判規程を制定した際、書籍『柔道大事典』[3]、『最新スポーツ大事典』[4]によると禁止となる。一方、書籍『柔道五十年』[5]、『柔道必携 審判の巻』[6]、『史料 明治武道史』[7]によると禁止していなかった。

1900年講道館柔道審判規程を制定した際、書籍『柔道五十年』[8]、『柔道必携 審判の巻』[9]、『最新スポーツ大事典』[4]、『柔道大意』[10]によると禁止となる。一方、書籍『詳解 柔道のルールと審判法』によると、1900年には禁止されておらず、1916年の改正で禁止された、としている[11]

1924年(大正13年)4月までに書籍『大日本武徳会武道専門学校一覧』によると武徳会で禁止に[12]

1950年に日本で旗揚げした国際柔道協会のプロ柔道では解禁された[13]

ブラジリアン柔術国際ブラジリアン柔術連盟ではジュブナイル (U18) 以下や白帯で禁止技である。国際柔術連盟ではU16以下で、2022年にさらに白帯でも禁止技になった[14][15]

スポーツサンボ、コンバットサンボでは極めてよい関節に手首を挙げていない[16]1986年の書籍『これがサンボだ!|』でも手首を極めるのは反則だとしている[17]

脚注

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  1. ^ 有馬純臣 著、有馬純孝 編『有馬柔道教範』福岡新三、日本、1914年4月25日、148-149頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/933534/83 
  2. ^ ポルトガル語表記ではmão de vacaとなり、牛の手という意味になる(mão=手、vaca=牛)。由来は手首を極められた状態の前腕が牛の足のように見える事から。
  3. ^ 嘉納行光川村禎三中村良三竹内善徳醍醐敏郎、『柔道大事典』佐藤宣践(監修)(初版第1刷)、アテネ書房、日本、1999年11月21日。ISBN 4871522059。「大日本武徳会柔術試合審判規定」 
  4. ^ a b 岸野雄三(代表) 編『最新スポーツ大事典』日本体育協会(協力)(初版)、大修館書店、1987年6月1日、423頁。ISBN 4-469-06203-0。「第13条は関節わざの禁止に関する規定で、<講道館規定>では、手首、足首の<関節業>を禁じているのに対し、<武徳会規程>では手首の<関節業>だけを禁止している。」 
  5. ^ 老松信一『柔道五十年時事通信社、日本、1955年10月10日、63頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2476024/48。「十三、關節業中手足ノ指ノ關節業及ビ足首ノ關節業ハ勝負ノ數ニ加ヘザルモノトス」 
  6. ^ 工藤一三『柔道必携 審判の巻』北辰堂、1953年2月15日、100頁。NDLJP:2461984/52。「十三(略)関節業中、手足ノ指ノ関節業及ビ足首カ〔ママ〕関節業ハ勝負ノ類〔ママ〕ニ加ヘザルモノトス」 
  7. ^ 渡辺一郎『史料 明治武道史新人物往来社、日本、1971年7月15日、850頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12148865/435。「關節業中、手足の指の關節業、及足首の關節業は、勝負の數に加へざるものとす」 
  8. ^ 老松信一『柔道五十年時事通信社、日本、1955年10月10日、63頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2476024/48。「手足の指の關節業及手首、足首の關節業は之を用ふることを許さず。」 
  9. ^ 工藤一三柔道必携 審判の巻』北辰堂、1953年2月15日、112頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2476024/58。「第十三條、初段以上の者と雖も、乱捕試合の際手足の指の關節業及手首足首の關節業は之を用ふることを許さず。」 
  10. ^ 有馬純臣『柔道大意』岡崎屋、日本、1905年1月、88頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/860055/134。「十三、初段以上の者と雖も亂捕試合の際手足の指の關節業及び手首の關節業は之を用ふことを許さず」 
  11. ^ 小俣幸嗣、松井勲、尾形敬史『詳解 柔道のルールと審判法 2004年度版』大修館書店、2004年8月20日、3-5頁。ISBN 4-469-26560-8。「関節技のうち、手足の指、足首の関節を極めることは禁止された。(略)<1916年(大正5年)の改正>(略)足首に加えて手首の関節も禁止された。」 
  12. ^ 大日本武徳会武道専門学校 編『大日本武徳会武道専門学校一覧昭和二年』大日本武徳会武道専門学校、日本、1927年9月20日、31頁。「第十五條、(略)關節業中、指及ビ手首足首ノ關節業及ヒ足搦ハ勝敗ノ數ニ加ヘサルモノトス」 
  13. ^ 増田俊也木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか新潮社、日本、2011年9月30日、275頁。ISBN 9784103300717。「関節技の場合頸椎及膝関節は禁ず。」 
  14. ^ JJIF Rules: Jiu-Jitsu (Ne-Waza) MAJOR FOULS. YouTube. UAEアブダビ: Ju-Jitsu International Federation. 31 May 2020. 該当時間: 2m10s. 2020年7月11日閲覧
  15. ^ JIU-JITSU (NE-WAZA) RULEBOOK General competition guidelines & competition format manual (Version 2.5 ed.). UAEアブダビ: アジア柔術連合. p. 60. "Techniques listed below are to be disqualified in equivalent belt divisions marked with X unless otherwise specified." 
  16. ^ スポーツサンボルール梗概』(pdf)(2021年3月FIAS改訂版準拠(2021年11月一部改訂))日本サンボ連盟、日本、2022年1月2日、1,4頁https://www.japan-sambo.com/wp-content/uploads/rule_2021_03.pdf。「関節技をかけていい〔ママ〕箇所は肘・肩・股関節・膝・アキレスである。その他、肘やふくらはぎの筋肉を極めることも可能である。」 
  17. ^ ビクトル古賀『これがサンボだ!』ビクトル古賀(監修)、佐山聡(技術協力)(第1版第3刷)、ベースボール・マガジン社、日本、1986年6月25日、50-51頁。ISBN 4-583-02564-5NDLJP:12146863/28。「反則行為」