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戸谷公次

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

とたに こうじ
戸谷 公次
プロフィール
本名 戸谷 公次[1][2]
愛称 戸谷ちゃん[3]
性別 男性
出身地 日本の旗 日本愛知県名古屋市[4]
死没地 日本の旗 日本
生年月日 (1948-07-12) 1948年7月12日
没年月日 (2006-02-06) 2006年2月6日(57歳没)
血液型 O型[5][6]
職業 声優俳優ナレーター
事務所 青二プロダクション(最終所属)[7]
配偶者 あり[8][9][10]
著名な家族 戸谷公人(息子)[11]
公称サイズ(時期不明)[12]
身長 / 体重 170 cm / 56 kg
活動
活動期間 1974年 - 2006年
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

戸谷 公次(とたに こうじ、1948年7月12日[5] - 2006年2月6日[3][4])は、日本声優俳優ナレーター。最終所属は青二プロダクション[7]愛知県名古屋市出身[4]。俳優・声優の戸谷公人は実子[11]

来歴

東海大学政治経済学部政治学科卒業[12][13]。東映オーディオタレントスクール卒業[4]

多くの文献においては、東映オーディオタレントスクール卒業後の『サイボーグ009(1979年版)』(008 / ピュンマ役)がデビューとされる[6]。しかし、実際はそれ以前に『ゲッターロボ』(1974年)、『無敵超人ザンボット3』(1977年)、『009』の前番組である『宇宙海賊キャプテンハーロック』や『無敵鋼人ダイターン3』(ともに1978年)などにも端役で出演している。

2006年2月6日急性心不全で倒れて急逝。57歳没[3]。死去の事実は、遺族の意向で正式な発表はされなかった。約半年が経過した8月、同じ事務所に所属する古谷徹が、自身のウェブサイトの掲示板において質問を受け、(遺族の了承を得た上で)それに答える形で明らかにした[3]

人物

趣味は読書、スポーツ[6]。特技は野球[14]

特色

端正な声が魅力[15]でダンディーな声が持ち味[5]

東映アニメーションおよびサンライズ制作のアニメーションで主に活躍[5]。特に富野由悠季監督作品では『ガンダムシリーズ』を中心に、1980年代に制作された大半の作品に出演していた。同じ作品内で複数のキャラクターを兼任している例が非常に多く[5]、時には1話で2役を任される場合も少なくなかった。2枚目、3枚目でもこなしていた[13]。主に渋い中年男性を担当し[5]、善人から悪人、シリアスからギャグキャラクターやコミカルな役など、幅の広い演技ができた。ワイドショー『おはよう!ナイスデイ』など、番組ナレーションも数多く担当していた[15]

エピソード

聖闘士星矢』で演じた山羊座のシュラは、美形のキャラクターという役柄もあって、戸谷にファンレターまで来る人気となった。戸谷はこれに対し「演じる前から役を自分がやっていいのか不安だった」「シュラが死んでからもファンレターが来る等、とにかく信じられないことの連続だった」と回想していた。また「役を頂いたことを誇りに思っている」ともコメントしていた。

堀川りょうは若手時代、積極的な態度を誤解され周囲から孤立してしまった時、戸谷と佐藤正治に「これから皆で飲みに行くから、来るか?」と声をかけられ、それをきっかけに皆と仲良くなれたことを感謝していると語る[16]

佐藤によると、デビュー当時の佐藤とは「声質が似ている」と言われたのが気がかりだったと語る[17]

2021年時点の堀川によると戸谷が死去した時は、ショックで「えー!」のような「飲めないじゃーん」、「遊べないじゃーん」、「戸谷さん、ちょっといい加減にしてよ」という気持ちになっていたという[18]。そういった事を思えるくらい胸襟を開けていたことがあったことからだという[18]。他人行儀が一切なく、全然ズカズカ土足に入っていけるような関係を作れたことは宝だったと語る[18]

後任

戸谷の死後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。

後任 役名 概要作品 代役・後任の初担当作品
今村直樹 キュイ ドラゴンボールZ ドラゴンボールZ Sparking! NEO
ドン・ゴロ 魔神英雄伝ワタル CR魔神英雄伝ワタル
アルファ・A・ベイト 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY SDガンダム GGENERATION SPIRITS
斉藤次郎 カクリコン・カクーラー 機動戦士Ζガンダム 『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』
オウギュスト・ギダン 機動戦士ガンダムΖΖ
西前忠久 ゴットン・ゴー 『機動戦士ガンダムΖΖ』 『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』
山崎たくみ キリング 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』
竹本英史 キュイ 『ドラゴンボールZ』 ドラゴンボール改
ドクトルガウス 勇者警察ジェイデッカー スーパーロボット大戦30
沢木郁也 リボルバー・オセロット メタルギアシリーズ メタルギアソリッド2 バンドデシネ
銀河万丈 メタルギアソリッド4[注 1]
増谷康紀 桐条武治 ペルソナ3 ペルソナ3 フェス[注 2]
ジンジャー ドラゴンボールZ (映画) ドラゴンボールヒーローズ
藤本たかひろ ドラキュラマン ドラゴンボール ドラゴンボールDS2突撃! レッドリボン軍
中田譲治 レオン デッド オア アライブ シリーズ デッド オア アライブ ディメンションズ
桐本拓哉 ゼエウン ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空 『ドラゴンボールヒーローズ』
古川登志夫 蝙翔鬼 魁!!男塾 『魁!!男塾 〜日本よ、これが男である!〜』
大滝進矢 カンタムJr. クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望 クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
川津泰彦 ベーム 巨神ゴーグ スーパーロボット大戦BX
杉野田ぬき 校長 『ペルソナ3』 PERSONA3 THE MOVIE #4 Winter of Rebirth
松山鷹志 ドン・ゴロ 『魔神英雄伝ワタル』 スーパーロボット大戦X
谷昌樹 竿野志成 クレヨンしんちゃん 第1195話Bパート
小川一樹 校長 『ペルソナ3』 ペルソナ3 リロード

出演

太字はメインキャラクター。

テレビアニメ

1974年
1975年
1976年
1977年
1978年
1979年
1980年
1981年
1982年
1983年
1984年
1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1991年
1993年
1994年
1995年
1996年
1998年
1999年
2000年
2003年
2004年
2005年
  • AIR(美凪の父)
2006年

劇場アニメ

1979年
1980年
1981年
1982年
1983年
1984年
1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
2005年

OVA

年数不明
  • キン肉マン 世紀の大決戦 アイドル超人VS悪魔超人(アナウンサー)
1985年
  • 幻夢戦記レダ(兵士A)
  • NORA(パーサー)
  • バビ・ストック I 果てしなき標的(警官)
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1993年
1994年
1998年
1999年
  • 旭日の艦隊(1999年 - 2001年、西岡昌也、マッキントッシュ)
2002年

ゲーム

2007年以降の作品は生前の収録音声を使用したライブラリ出演。

1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2011年
2013年
2019年
2021年

ドラマCD

吹き替え

海外映画

海外ドラマ

海外アニメ

特撮

CD

ラジオ

  • Today&Tomorrow – TOKYO FM(パーソナリティ)

ラジオドラマ

テレビドラマ

ナレーション

CMナレーション

ボイスオーバー

その他コンテンツ

脚注

注釈

  1. ^ クレジットにはリキッド・オセロットと表記。ストーリー的には、オセロットの体が銀河演じるリキッド・スネークに乗っ取られたかのような演出になっている(海外版ではオセロット役の声優が演じている。)。一部のシーンでは戸谷のライブラリー音声も使用されている。
  2. ^ ペルソナ3』からあるシーンはその声が使われており、新規部分のみ増谷が声を当てている。
  3. ^ EDクレジットでは浜本役の水島裕と表記が逆に入れ替わっていた。
  4. ^ 第5話では「五分刈り」とクレジットされていた。

シリーズ一覧

  1. ^ 『GGENERATION』(1998年)、『ZERO』(1999年)、『F』(2000年)、『F.I.F』(2001年)、『NEO』(2002年)、『SEED』(2004年)、『PORTABLE』(2006年)、『SPIRITS』(2007年)

出典

  1. ^ a b 掛尾良夫 編「男性篇」『声優事典 第二版』キネマ旬報社、1996年3月30日、199頁。ISBN 4-87376-160-3 
  2. ^ 成美堂出版 編「男性篇」『声優名鑑』成美堂出版、1999年8月10日、545頁。ISBN 4-415-00878-X 
  3. ^ a b c d 古谷徹 (2006年8月12日). “戸谷ちゃんのこと・・・ ”. Toru's Home Guest book. Toru's Home . 2006年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月24日閲覧。
  4. ^ a b c d 青二プロダクション 戸谷公次”. 2016年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月12日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 戸谷 公次」『Excite News』(エキサイト株式会社)。2023年11月4日閲覧。
  6. ^ a b c 『声優名鑑 アニメーションから洋画まで…』近代映画社、1985年、110頁。 
  7. ^ a b 戸谷 公次”. 2023年6月12日閲覧。
  8. ^ kimitotani0507の2020年11月9日のツイート2023年6月12日閲覧。
  9. ^ kimitotani0507の2022年6月6日のツイート2023年6月12日閲覧。
  10. ^ kimitotani0507の2023年3月8日のツイート2023年6月12日閲覧。
  11. ^ a b 戸谷公人 「青二プロ」への移籍発表 亡き父・公次さんと同じ道へ「父の想いも一緒に背負い」 スポーツニッポン 2018年12月1日、2019年3月31日閲覧。
  12. ^ a b 日本タレント名鑑2002』VIPタイムズ社、2002年、297頁。ISBN 4-9901242-0-0 
  13. ^ a b 「とじ込み特集 アニメ作品別・人気アニメ声優名鑑・ファンレターのあて先付き」『近代映画』1980年6月号、近代映画社、1980年6月、115頁。 
  14. ^ 青二プロダクション 戸谷 公次”. 2005年12月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月19日閲覧。
  15. ^ a b 小川びい『こだわり声優事典'97』徳間書店〈ロマンアルバム〉、1997年3月10日、95頁。ISBN 4-19-720012-9 
  16. ^ 堀川りょう「第2章 アニメ声優伝説――子役、俳優、そして声優 生意気だった若手時代」『「超」アニメ声優!』PHP研究所、2016年9月27日、57頁。ISBN 978-4-569-83415-3 
  17. ^ 神谷明の誘いで声優の道へ!声優・佐藤正治の知られざるキャリア”. ラジチューブ. CBCラジオインフォメーション. CBCラジオ (2019年11月20日). 2023年6月12日閲覧。
  18. ^ a b c 堀川りょう (2021年7月7日). “【戸谷公次・佐藤正治】堀川りょうがお世話になった方々を語る”. YouTube. 2023年6月12日閲覧。
  19. ^ サイボーグ009 (1979年)”. 作品紹介. 石森プロ. 2023年1月13日閲覧。
  20. ^ 燃えろアーサー 白馬の王子”. 東映アニメーション. 2016年6月8日閲覧。
  21. ^ 機甲艦隊ダイラガーXV|キャラクター/キャスト”. 東映アニメーション. 2023年1月11日閲覧。
  22. ^ a b c 中山基(編)『フィギュア王』No.119、ワールドフォトプレス、2008年1月30日、30-33頁、ISBN 978-4-8465-2701-3 
  23. ^ 木村斉史 編「1100人の超人を殺害したナイルの悪魔 ミスターカーメン」『完全保存版 キン肉マン アニメ大解剖』三栄書房〈サンエイムック〉、2024年2月8日、41頁。ISBN 978-4-7796-4929-5 
  24. ^ a b キャラクター/キャスト”. 東映アニメーション作品ラインナップ. 光速電神アルベガス. 東映アニメーション. 2023年2月9日閲覧。
  25. ^ キャラクター”. 装甲騎兵ボトムズ. 2020年8月20日閲覧。
  26. ^ CHARACTER GAIL”. 『巨神ゴーグ』公式サイト. サンライズ. 2024年4月6日閲覧。
  27. ^ STAFF&CAST”. 機動戦士ガンダムΖΖ 公式サイト. サンライズ. 2022年3月28日閲覧。
  28. ^ 銀牙 流れ星 銀”. 東映アニメーション. 2016年7月10日閲覧。
  29. ^ 剛Q超児イッキマン|キャラクター/キャスト”. 東映アニメーション. 2024年3月28日閲覧。
  30. ^ 仮面の忍者赤影”. 東映アニメーション. 2016年6月12日閲覧。
  31. ^ CHARACTERS”. 「機甲戦記ドラグナー」公式サイト. サンライズ. 2022年10月9日閲覧。
  32. ^ キャラクター/キャスト”. 東映アニメーション作品ラインナップ. トランスフォーマー・ザ・ヘッドマスターズ. 東映アニメーション. 2022年9月17日閲覧。
  33. ^ 『魔神英雄伝ワタル メモリアルブック』新紀元社、2006年3月3日、82頁。ISBN 978-4-7753-0436-5 
  34. ^ 『魔神英雄伝ワタル メモリアルブック』新紀元社、2006年3月3日、76頁。ISBN 978-4-7753-0436-5 
  35. ^ 獣神ライガー”. サンライズワールド. サンライズ. 2022年9月25日閲覧。
  36. ^ キャラクター/キャスト”. 東映アニメーション作品ラインナップ. トランスフォーマーV(ビクトリー). 東映アニメーション. 2022年9月17日閲覧。
  37. ^ 松田岳久 編「設定資料集」『トランスフォーマージェネレーション』勁文社〈ケイブンシャの大百科別冊〉、2001年7月30日、112頁。ISBN 4-7669-3800-3 
  38. ^ 太陽の勇者ファイバード”. サンライズワールド. サンライズ. 2022年2月20日閲覧。
  39. ^ 「終わらない水」。
  40. ^ 「ひかる地図」。
  41. ^ 勝負師伝説 哲也 character”. 東映アニメーション. 2023年5月22日閲覧。
  42. ^ 『アニメコミックス Dr.スランプ アラレちゃん ハロー!不思議島』集英社ジャンプ コミックス セレクション〉、1995年3月22日、151頁。ISBN 4-8342-1318-8 
  43. ^ ロードショー特別編集『Dr.SLUMP』、集英社、1982年、雑誌コード 09748-8。
  44. ^ 浮浪雲”. マッドハウス. 2016年5月20日閲覧。
  45. ^ ドクタースランプDVD-BOX"SLUMP THE BOX MOVIES"”. 東映アニメーション. 2020年5月3日閲覧。
  46. ^ 妖獣都市”. マッドハウス. 2016年6月13日閲覧。
  47. ^ 銀河英雄伝説 わが征くは星の大海”. マッドハウス. 2016年5月22日閲覧。
  48. ^ ビックリマン 無縁ゾーンの秘宝|キャラクター/キャスト”. 東映アニメーション. 2022年9月15日閲覧。
  49. ^ キャラクター/キャスト”. 東映アニメーションラインナップ. ドラゴンボールZ. 東映アニメーション. 2022年6月7日閲覧。
  50. ^ キャラクター/キャスト”. 東映アニメーションラインナップ. ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空. 東映アニメーション. 2022年6月7日閲覧。
  51. ^ a b 『電撃PlayStationG2』メディアワークス、1996年5月10日、139頁。 
  52. ^ 『ガンダムネットワーク大戦』ララァやアイナが新指揮官として追加”. 電撃オンライン. 2022年7月14日閲覧。
  53. ^ 『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー メガトロンセット解説書 PLANET OF CYBERTRON GUIDE 2』タカラ、1995年3月、36頁。 
  54. ^ 『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010 LD解説書 PLANET OF CYBERTRON GUIDE 3』タカラ、1995年9月、36頁。 

外部リンク