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戸枝弘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
戸枝 弘
とえだ ひろし
別名 戸枝ひろし、並木ひろし[注 1]、野中ゆきみ[1]
生誕 1914年
出身地 日本の旗 日本 長野県上伊那郡南向村(現:中川村[2]
死没 1992年1月25日(77歳没)[3]
学歴 横浜専門学校 卒業[2]
ジャンル 歌謡曲民謡音頭市歌校歌
職業 作詞家歌人
活動期間 昭和時代

戸枝 弘(とえだ ひろし、1914年[2] - 1992年1月25日[3])は、昭和時代日本詩人歌人作詞家長野県出身。別名義に戸枝 ひろし並木 ひろし[注 1]野中 ゆきみがある[1]

来歴

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1914年(大正3年)、長野県上伊那郡南向村(現在の中川村)に生まれる[2]旧制伊那中学校在学中は万葉集アララギ叢書を愛読していた[2]横浜専門学校を卒業[2]、帰郷した後は会社嘱託の傍ら著述業に入り1951年(昭和26年)の歌会始で入選を果たす[4]

1960年(昭和35年)より、中川村から伊那市へ転居した[2]

1963年(昭和38年)1月、同年の歌会始で岡山県から応募のあった入選作が前年に「野中ゆきみ」名義で雑誌に掲載された短歌の盗作であると主張し、宮内庁が入選者に事情を聴いたところ応募者は盗作の嫌疑を否定したものの賞を辞退することとなった(昭和38年歌会始盗作事件)[1][5]。この騒動を受けて侍従入江相政は「歌会始の歴史に大きな汚点を残した」と遺憾の意を表明し、盗作を告発した戸枝は朝日新聞の取材に対し「著作権問題などで訴えるつもりはないが、これを機会に、著作権の尊重ということを一般に認識してもらえれば幸いだ」とコメントしている[5]

作詞家としては懸賞歌謡を通じて古関裕而堀内敬三山田耕筰團伊玖磨田村しげる万城目正上原げんと利根一郎ら多くの作曲家と親交を持ち[1]島倉千代子「恋の蛇の目傘」や池真理子「あなたがくれたオルゴール」など歌謡曲の作詞も手掛けている。

1992年(平成4年)1月25日死去[3]。享年79(満77歳没)。

主な作品

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歌謡曲
  • 笹舟(作曲:田村しげる)
  • 恋の蛇の目傘(作曲:万城目正)
  • あなたがくれたオルゴール(作曲:古関裕而)
  • 草を矢にしてスーイ(作曲:高井達雄
  • 千曲川旅情(作曲:不二川潔)
音頭・新民謡
  • 箕輪天竜音頭(補作:石本美由起、作曲:岡千秋
  • 大名古屋音頭(作曲:利根一郎)
  • 三本木小唄(作曲:陸奥明
  • 東根温泉小唄(作曲:上原げんと)
  • 野尻湖小唄(作曲:堀内敬三)
  • 大川小唄(作曲:古賀政男
自治体歌
校歌
その他

評伝

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「ベレー帽の懸賞歌謡界のプリンス」の節で戸枝との交友を取り上げている。

参考文献

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  • 伊那市史刊行会 編『伊那市史』現代編(1982年) NCID BN01572752

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 同じく作詞家でぴんからトリオ並木ひろしとは同一筆名の別人。

出典

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  1. ^ a b c d 新週刊社『新週刊』1962年2月1日号, p20-23“陛下申し訳ない 「歌会始」盗作事件の真相”
  2. ^ a b c d e f g 伊那市史現代編(1982), p927
  3. ^ a b c 信濃毎日新聞、1992年1月26日付31面おくやみ欄。
  4. ^ 昭和26年歌会始お題「朝空あしたのそら”. 宮内庁. 2024年6月21日閲覧。
  5. ^ a b 倉田善弘「著作権の軌跡(111) 37.三者三様(つづき)」(著作権情報センター『コピライト』、1986年6月号, p11)

関連項目

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