成富うどん
成富うどん(なりとみうどん)は、千葉県成田市を中心に提供されているご当地うどんである。
概要
[編集]成富うどんの名前は「富が成る」という言葉から縁起を担いで命名されたもの[1]。地元八街産の小麦を使ったパスタサイズの細打ちの麺を、様々なスタイルでアレンジしているのが特徴。国際都市成田を象徴するように、和風、洋風、中華風、韓国風、エスニック風と提供している店によって料理の内容も様々で、フォークを使って食べることもできるため箸を使えない外国人でも簡単に食べることができる[2]。
経緯
[編集]成富うどんは、富里市のそば店店主が空港関係者の外国人と対話する中で生まれた。彼らは日本の麺料理を箸で食べなければならないことには困難を感じているものの、和風パスタは日本食ではない、として否定的だったのだという。この対話からフォークでうどんを食べるのならどうか、と考えたそば店店主は、成田市でスペイン料理店を営む友人とパスタ風のうどんを開発したのである[3]。このうどんは成田市と富里市の頭文字を取り、「富が成る」よう「成富うどん」と名付けられた[2]。2009年時点ではこのうどんを提供するのは1店舗のみであったが、2011年時点では成田市周辺12店舗に拡大した[4]。
2010年7月に発足した成田の地域おこしグループ成田空援隊も、このうどんのPRに乗り出し、その活動がテレビでも再三取り上げられた[5]。空援隊は資金に余裕がなく、うどんの試食会では材料費を徴収しなければならないほど活動には制約があったが[6]、隊の働きかけにより、一時的にJALの成田空港国際線ラウンジでも振る舞われた[7]。価格や浸透度に選定条件のある昭文社の雑誌にもご当地グルメとして取り上げられた[8]。2012年に空援隊の活動が舞台化された際にも、成富うどんのPR活動が題材に盛り込まれた[9]。
脚注
[編集]- ^ 「青鉛筆」『朝日新聞』2010年9月20日、31面。
- ^ a b 「十字路 「成富うどん」広め 空港周辺を活性化」『読売新聞』2010年11月12日、30面千葉。
- ^ 「商店街ルネサンス*5 まちのめんメン 成富うどん フォークで味わう」『読売新聞』2011年5月9日、27面千葉。
- ^ 「街かど人物館 千葉のそば店主 世界の味、うどんに絡め」『日本経済新聞』2011年6月6日、34面。
- ^ 長屋護「「空援隊」活動再開 被災者招く企画 滑走路、ホテルから見学」『朝日新聞』2011年4月21日、28面千葉全県。
- ^ 「ちばの風 成田空援隊(成田市) 羽田国際化に危機感、有志が結集 「目立たせろ」あの手この手」『日本経済新聞』2011年2月4日、地方経済面千葉。
- ^ 「成富うどん 空港デビュー JAL国際線ラウンジ あすまで」『朝日新聞』2011年10月6日、29面千葉。
- ^ 長屋護「リポート2011 「空援隊」地元PR加速 雑誌に成富うどん紹介 映画ロケ誘致 経済効果は「未知数」」『朝日新聞』2011年11月17日、28面千葉全県。
- ^ 「成田空援隊の活動を舞台化 あすから成田で公園」『朝日新聞』2012年10月18日、28面千葉全県。