懐竹抄
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『懐竹抄』(かいちくしょう)は、編者不詳の楽書である。標題下に大神惟季(1026年(万寿3年)-1094年(寛治8年))の伝である旨記されているが、実際の成立は12世紀末から13世紀の中頃以後とされる[1]。
概要
[編集]前半は主として「横笛」すなわち竜笛について、その由緒、笛竹の種別、楽器構造と奏法、調子、演奏に関する口伝、奏者と逸話及び相承次第を述べる。後半では、笛以外にも筝や琵琶等も含め、音律や調について述べている。
伝本
[編集]影響
[編集]- 近世の雅楽関係者には本書が普及しており[2]、本書を通じての近世音楽史の研究、あるいは現行と異なる奏法があったことを示す資料[1]として、利用価値が高い。
- 吉川英治原作の『宮本武蔵』の中で、横笛に関する書物として印象的に紹介されている[* 2]。ただし、群書類従本と比較する限りでは、忠実な引用とは言い難い[* 3]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 馬淵卯三郎 「17世紀音楽様式論序説(1)所謂「雅楽」の場合(i)」『芸術』 (21),101-109 1998年 大阪芸術大学
- 南谷美保 「江戸時代末期の雅楽演奏の実態をさぐる」 『江戸時代雅楽の演奏様式の研究』 1993年 大阪教育大学教育学部