愛のペガサス
『愛のペガサス』 | ||||
---|---|---|---|---|
プリンス の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | カリフォルニア州バーバンク アルファ・スタジオ[1] | |||
ジャンル | R&B、ファンク、ディスコ、ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | ワーナー・ブラザース・レコード | |||
プロデュース | プリンス | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
プリンス アルバム 年表 | ||||
|
『愛のペガサス』(原題:Prince)は、アメリカ合衆国のミュージシャン、プリンスが1979年に発表した2作目のスタジオ・アルバム。プリンスのアルバムとしては初めて、アメリカ国内でプラチナディスクの認定を受けた[3]。
背景
[編集]デビュー作『フォー・ユー』に引き続き、プリンス自身がボーカルのみならず全パートの楽器も担当した。収録曲のうち「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」と「アイ・フィール・フォー・ユー(恋のフィーリング)」は、元々はパトリース・ラッシェンに提供するために作られたが、いずれもラッシェンに却下された[4]。「バンビ」の歌詞は、同性愛の女性に恋をした男性の視点となっている[5]。
「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」は、プリンス初のミュージック・ビデオも制作され、様々な楽器を一人で演奏する映像がフィーチャーされている[4]。本作は1980年、プリンスのアルバムとしては初めて日本盤LPも発売された[6]。
反響
[編集]アメリカの総合アルバム・チャートBillboard 200では、1980年1月19日に最高22位を記録した[2]。また、『ビルボード』のR&Bアルバム・チャートでは、1979年12月22日に3位を記録した[7]。
評価
[編集]Stephen Holdenは1980年4月3日付の『ローリング・ストーン』誌のレビューにおいて「プリンスは、スモーキー・ロビンソン以来と言えるほどスリリングなR&Bファルセットの持ち主というだけでなく、このミネアポリスで生まれた19歳の神童は、曲作りもプロデュースも、そしてシンセサイザー、ギター、ドラムス、パーカッションといった楽器を含むワン・マン・バンドも自分でやってしまった」「ロビンソンとプリンスの最大の違いは、プリンスの露骨に性的な表現である」と評した[8]。また、Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「デビュー作におけるアーバンR&Bやファンク的なアプローチを発展させた作品だが、彼が冒険的かつセクシーな独自のサウンドを確立させていく最初の予兆であり、前作よりもずっと完成度が高い」と評している[9]。
2016年4月22日付の『ガーディアン』紙の企画「Prince: every album rated - and ranked」では、プリンスの全37作中9位となり「彼は若くして既にディスコ/ソウルを極め、更にハードロック的な"Bambi"などの曲で、他の領域にも踏み出そうとしていた」と評されている[10]。
収録曲
[編集]全曲ともプリンス作。
- Side 1
- ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー - "I Wanna Be Your Lover" - 5:50
- つれない仕打ち - "Why You Wanna Treat Me So Bad?" - 3:49
- セクシー・ダンサー - "Sexy Dancer" - 4:18
- 寄りそうふたり - "When We're Dancing Close and Slow" - 5:23
- Side 2
- ウィズ・ユー - "With You" - 4:00
- バンビ - "Bambi" - 4:22
- 愛を待ちながら - "Still Waiting" - 4:15
- アイ・フィール・フォー・ユー(恋のフィーリング) - "I Feel for You" - 3:24
- ゴナ・ビー・ロンリー - "It's Gonna Be Lonely" - 5:28
- Let’s Rock (4:00) (「Dirty Mind」収録の「Let's Work」の原型)
- I Wanna Be Your Lover (3:30)
- Bambi (3:30)
- Why You Wanna Treat Me So Bad? (3:00)
- When We’re Dancing Close And Slow (4:30)
- With You (4:00)
- Still Waiting (3:00)
- It’s Gonna Be Lonely (3:50)
- Sexy Dancer (2:50)
- Darling Marie (2:00) (未発表)
脚注・出典
[編集]- ^ Prince - Prince (1979, Los Angeles Pressing, Vinyl) | Discogs
- ^ a b “Prince Prince Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2019年9月22日閲覧。
- ^ “100 Essential Prince Moments: From High School Basketball to His Final 'Purple Rain' Performance”. Billboard (2016年4月25日). 2019年9月22日閲覧。
- ^ a b “I Wanna Be Your Lover by Prince”. Songfacts. 2019年9月22日閲覧。
- ^ “The 20 best Prince songs of all time by the NME office”. NME. TI Media (2018年6月7日). 2019年9月22日閲覧。
- ^ 日本初回盤LP (P-10782W)、2005年再発CD (WPCR-75014)共通ライナーノーツ(大伴良則、1980年1月5日)
- ^ “Prince Prince Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2019年9月22日閲覧。
- ^ Holden, Stephen (1980年4月3日). “Prince”. Rolling Stone. 2019年9月22日閲覧。
- ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Prince - Prince”. AllMusic. 2019年9月22日閲覧。
- ^ Price, Simon (2016年4月22日). “Prince: every album rated - and ranked”. The Guardian. Guardian News and Media. 2019年9月22日閲覧。
- ^ “Album: Prince - Prince Vault”. princevault.com. 2022年5月7日閲覧。