恋のウォータールー (アルバム)
『恋のウォータールー』 | ||||
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ABBA の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1973年9月24日 - 1974年2月20日 ストックホルム・メトロノームスタジオ | |||
ジャンル | ||||
時間 | ||||
レーベル |
ポーラー エピック (UK) アトランティック (USオリジナル) | |||
プロデュース | ||||
ABBA アルバム 年表 | ||||
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『恋のウォータールー』収録のシングル | ||||
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専門評論家によるレビュー | |
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レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
AllMusic | [1] |
en:The Encyclopedia of Popular Music | [2] |
『恋のウォータールー』 (Waterloo)は、スウェーデンのポップグループ、ABBAの2枚目のスタジオアルバムである。国際的にリリースされたアルバムとしてはグループ初である。スウェーデンでは、1974年3月にポーラーミュージックからリリースされた。アルバムには、ユーロビジョン・ソング・コンテスト1974の優勝曲となり、世界的なヒットを獲得してABBAの地位を確立させた「恋のウォータールー」が収録されている[3]。
解説
[編集]収録は、「恋のウォータールー」と「皆なで踊ろう」から1973年9月24日に始まった。「恋のウォータールー」は、キーボードをベニー・アンデションが担当していない珍しい曲で、代わりに当時スウェーデンで活動していたアメリカ人ピアニスト、ジョン・ラビット・バンドリックを起用している[4]。彼が参加しているのはこの1曲のみである。3週間後、さらに2曲(「スージー・ハング・アラウンド」、「ママのことづけ」)が収録された。この日の記録用紙には、書面上初めて「ABBA」のグループ名がクレジットされている。これまでもマネージャーのスティグ・アンダーソンがメディア等で非公式にABBAの名前を使用することはあったものの、名義は「ビョルン&ベニー、アグネタ&アンニ=フリッド」とされていた。「スージー・ハング・アラウンド」は、ベニー・アンデションがリードヴォーカルをとる唯一の曲となっている。10月17日には、「ホワット・アバウト・リヴィングストーン」と「ハニー、ハニー」が収録された。「ハニー、ハニー」は、後に多くの国でセカンドシングルとしてリリースされている。続いて11月14日に収録された「キング・コングの歌」は、ベニー・アンデションとビョルン・ウルヴァースが、後に最もおもしろみに欠ける曲として選出していている[4]。また、この日は、ABBAがユーロビジョン・ソング・コンテスト1974のスウェーデン予選に出場することが発表された日でもある。この日から収録のスピードが上がり、残りの曲が録音された。ユーロビジョンのエントリーには、「恋のウォータールー」と「落葉のメロディ」が検討されており、後者の方が安全だと考えられたが、メンバーは前者を好み、最終的にはグループの目指す方向性とも合致する「恋のウォータールー」が選ばれた。「恋のウォータールー」の録り直しと「ウォッチ・アウト」の収録は同時に行われ、リードシングルとしてリリースされるに至っている[4]。
「恋のウォータールー」は、国内予選を勝ち抜き、ブライトンで行われたユーロビジョン・ソング・コンテスト1974にスウェーデン代表として出場することになった。ABBAはこのコンテストで優勝を獲得し、「恋のウォータールー」はヨーロッパのみならず、全米6位を獲得するなど世界中でヒットした[3]。スウェーデンでは、アルバムは既にリリース済みであったが、12週にわたってチャートのトップに立ち続け、国内で最も売れたアルバムの1つに数え上げられる。イギリスではアルバムが28位となり[3]、外国のユーロビジョン出場曲を収録したものとしては、はじめてチャートインする結果となった。ほかのヨーロッパ各国でも好成績を収めている[4]。
収録曲
[編集]特筆しない限り、作詞・作曲は、ベニー・アンデションとビョルン・ウルヴァースによる。
国際盤
[編集]# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「恋のウォータールー」(Waterloo) | アンデション、ウルヴァース、スティグ・アンダーソン | |
2. | 「シュロの木のそばで」(Sitting in the Palmtree) | ||
3. | 「キング・コングの歌」(King Kong Song) | ||
4. | 「落葉のメロディ」(Hasta Mañana) | アンデション、ウルヴァース、アンダーソン | |
5. | 「ママのことづけ」(My Mama Said) | ||
6. | 「皆なで踊ろう」(Dance (While the Music Still Goes On)) |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
7. | 「ハニー、ハニー」(Honey, Honey) | アンデション、ウルヴァース、アンダーソン | |
8. | 「ウォッチ・アウト」(Watch Out) | ||
9. | 「ホワット・アバウト・リヴィングストーン」(What About Livingstone?) | ||
10. | 「私の愛の歌」(Gonna Sing You My Lovesong) | ||
11. | 「スージー・ハング・アラウンド」(Suzy-Hang-Around) | ||
12. | 「リング・リング」(Ring Ring) | アンデション、ウルヴァース、アンダーソン | |
合計時間: |
ほかのヴァージョン
[編集]担当
[編集]- アグネタ・フォルツコグ - ヴォーカル、バッキングヴォーカル
- アンニ=フリッド・リングスタッド – ヴォーカル、バッキングヴォーカル
- ベニー・アンデション – ピアノ、キーボード、モーグシンセサイザー、メロトロン、クラビネット、ヴォーカル、バッキングヴォーカル
- ビョルン・ウルヴァース – アコースティックギター、ギター、ヴォーカル、バッキングヴォーカル[5]
外部ミュージシャン
[編集]- Ola Brunkert – ドラム
- Malando Gassama – コンガ、ギロ、タンバリン
- Rutger Gunnarsson – ベース
- Janne Schaffer – エレクトリックギター
- Per Sahlberg – パーカッション、ベース[6]
- John "Rabbit" Bundrick – キーボード
- Christer Eklund – テナーサクソフォーン[6]
- Sven-Olof Walldoff – ストリングス、アレンジメント[6]
プロダクション
[編集]- ベニー・アンデション、ビョルン・ウルヴァース - プロデュース
- Michael B. Tretow – エンジニア
- Ola Lager – フォトグラフィー
- Ron Spaulding – オリジナルアルバムデザイン
- Jon Astley; Tim Young; Michael B. Tretow – リマスター (1997)
- Jon Astley; Michael B. Tretow – リマスター (2001)
- Henrik Jonsson – リマスター (コンプリート・スタジオ・レコーディングス)
チャート
[編集]チャート (1974) | 最高 順位 |
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Australia Albums (Kent Music Report)[7] | 18 |
オランダ (MegaCharts)[8] | 74 |
ドイツ (Offizielle Top 100)[9] | 6 |
ニュージーランド (RMNZ)[10] | 38 |
ノルウェー (VG-lista)[11] | 1 |
スウェーデン (Sverigetopplistan)[12] | 1 |
UK アルバムズ (OCC)[13] | 28 |
US Billboard 200[14] | 145 |
チャート (2014) | 最高 順位 |
---|---|
ベルギー (Ultratop Flanders)[15] | 83 |
ベルギー (Ultratop Wallonia)[16] | 59 |
UKアルバムチャート[17] | 71 |
認定
[編集]国/地域 | 認定 | 認定/売上数 |
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オーストラリア (ARIA)[18] | 2× Platinum | 100,000^ |
デンマーク (IFPI Danmark)[19] | Silver | 25,000[20] |
フィンランド (Musiikkituottajat)[21] | Gold | 25,035[21] |
ドイツ (BVMI)[22] | Platinum | 500,000^ |
スウェーデン (GLF)[23] | Diamond | 349,938[18] |
イギリス (BPI)[24] | Silver | 60,000^ |
^ 認定のみに基づく出荷枚数 |
出典
[編集]- ^ Allmusic Review
- ^ Larkin, Colin (2007). The Encyclopedia of Popular Music (5th Concise ed.). United Kingdom: Omnibus Press. pp. 31. ISBN 978-1-84609-856-7
- ^ a b c Rees, Dafydd; Crampton, Luke (1991). Guinness Book of Rock Stars. Enfield: Guinness Publishing Ltd.. pp. 1. ISBN 0-85112-971-4
- ^ a b c d Sleeve notes, Waterloo re-issue, Carl Magnus Palm, 2014
- ^ “ABBA Omnibus – Songs – Who sings?”. abbaomnibus.net. 2021年9月21日閲覧。
- ^ a b c Scott, Robert (2002) 'ABBA: Thank You for the Music – The Stories Behind Every Song', Carlton Books Limited: Great Britain, p.38
- ^ Kent, David (1993). Australian Chart Book 1970–1992. Australian Chart Book, St Ives, N.S.W. ISBN 0-646-11917-6
- ^ "Dutchcharts.nl – ABBA – Waterloo" (in Dutch). Hung Medien.
- ^ "Offiziellecharts.de – ABBA – Waterloo" (in German). GfK Entertainment Charts.
- ^ "Charts.org.nz – ABBA – Waterloo". Hung Medien.
- ^ "Norwegiancharts.com – ABBA – Waterloo". Hung Medien.
- ^ "Swedishcharts.com – ABBA – Waterloo". Hung Medien.
- ^ "Abba | Artist | Official Charts". UK Albums Chart.
- ^ "Abba Chart History (Billboard 200)". Billboard.
- ^ "Ultratop.be – ABBA – Waterloo" (in Dutch). Hung Medien.
- ^ "Ultratop.be – ABBA – Waterloo" (in French). Hung Medien.
- ^ “Official Albums Chart Top 100 | Official Charts Company” (英語). officialcharts.com. 2018年7月28日閲覧。
- ^ a b Nielsen Business Media, Inc (8 September 1979). ABBA The History
- ^ “Copenhagen Awards”. Billboard. p. 56 (21 December 1974). 2021年9月21日閲覧。
- ^ “Gold/Silver Record Chart”. Billboard (26 December 1974). 2021年9月21日閲覧。
- ^ a b "Abba" (Finnish). Musiikkituottajat – IFPI Finland. 2013年8月28日閲覧。
- ^ "Gold-/Platin-Datenbank (ABBA; 'Waterloo')" (German). Bundesverband Musikindustrie. 2014年5月9日閲覧。
- ^ “Polarization”. Billboard. p. 50 (2 November 1974). 2021年9月21日閲覧。
- ^ "British album certifications – ABBA – Waterloo". British Phonographic Industry. 2014年5月9日閲覧。 Select albums in the Format field. Select Silver in the Certification field. Type Waterloo in the "Search BPI Awards" field and then press Enter.