急性陰嚢症
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急性陰嚢症 | |
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概要 | |
診療科 | 泌尿器科 |
分類および外部参照情報 |
急性陰嚢症(きゅうせいいんのうしょう、英: Acute scrotum)とは、陰嚢の急激な疼痛・腫脹である[1]。精巣捻転症、精巣付属器捻転症(精巣垂捻転、精巣上体垂捻転)、精巣上体炎、精巣炎、精巣外傷、陰嚢内ヘルニア嵌頓などが原因となって発生する。これらの内、精巣捻転症は最も緊急性が高い疾患である。
概要
[編集]→「精巣痛」も参照
精巣捻転症
[編集]精巣捻転は、13~14歳の思春期男子に多く見られるが、出生前後から新生児期男児にも認められる[2]。夜間睡眠中(特に明け方)に突然発症することが多い[3]。発症から6~8時間以内に手術にて捻転を整復する必要がある[4]。
精巣垂・精巣上体垂捻転症
[編集]精巣垂捻転、精巣上体垂捻転は、7歳から12歳の小学生に多く見られる[2]。主に昼間に発症する場合が多いと言われる[3]。急性陰嚢症の内、最多の原因疾患であり、全体の40~60%を占める[2]。手術の必要はないが、精巣捻転症との鑑別が難しい場合があり[4]、時間が迫っている場合は手術することがある[3]。
精巣上体炎
[編集]精巣上体炎では、尿道や前立腺から大腸菌等の細菌が精巣上体に侵入し、炎症が発生する[4][5]。
精巣炎
[編集]精巣炎は、思春期以降の流行性耳下腺炎の約20%に合併するものが代表的である[5]。耳下腺炎発症の3~5日目に痛みを伴って精巣が腫脹する[5]。
陰嚢内ヘルニア嵌頓
[編集]腹膜鞘状突起に腹腔内臓器の一部(腸)が迷入した状態である[2]。腫瘤を用手整復できない場合は緊急開腹手術が実施される[2]。
出典
[編集]- ^ 臼田 和正 (1994年3月30日). “急性陰嚢症”. 臨床泌尿器科 48 (4): 137-142 .
- ^ a b c d e “精巣捻転(急性陰のう症)”. 獨協医科大学. 2024年6月21日閲覧。
- ^ a b c “急性陰嚢症”. つがる市. 2024年6月21日閲覧。
- ^ a b c “小児の急性陰嚢症 | 小児泌尿器科の主な疾患 | 日本小児泌尿器科学会 Japanese Society of Pediatric Urology”. jspu.jp. 2024年6月21日閲覧。
- ^ a b c “陰嚢内が痛い | 日本泌尿器科学会 (The Japanese Urological Association)【一般のみなさま】”. www.urol.or.jp. 2024年6月21日閲覧。