忘れえぬ魔女の物語
忘れえぬ魔女の物語 | |
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ジャンル | ループもの[1]、SF[1]、百合[1] |
小説 | |
著者 | 宇佐楢春 |
イラスト | かも仮面 |
出版社 | SBクリエイティブ |
レーベル | GA文庫 |
刊行期間 | 2021年1月14日 - |
巻数 | 既刊2巻(2021年4月現在) |
漫画 | |
原作・原案など | 宇佐楢春(原作) かも仮面(キャラクター原案) |
作画 | やまだしゅら |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載サイト | マンガUP! |
レーベル | ガンガンコミックスUP! |
発表期間 | 2021年12月20日 - 2024年9月22日 |
巻数 | 全4巻 |
話数 | 全21話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画 |
ポータル | 文学・漫画 |
『忘れえぬ魔女の物語』(わすれえぬまじょのものがたり)は、宇佐楢春による日本のライトノベル作品。イラストはかも仮面が担当する。「第12回GA文庫大賞」金賞受賞作[2]。GA文庫(SBクリエイティブ)にて2021年1月14日より刊行中。
やまだしゅらによるコミカライズ版が、2021年12月20日から2024年9月22日にかけてマンガUP!(スクウェア・エニックス)にて連載された[3][4]。
ストーリー
[編集]「今日」を何度も繰り返す呪いと超記憶症候群を同時に抱える相沢綾花。彼女は生まれたときから、同じ1日を平均して5回程度過ごしてから次の日へ進む人生を送っていた。複数回繰り返された1日の中から、いずれかがランダムで「採用」されることで次の日へ進む。選ばれる「1日」は必ずしも最良の日とは限らない。新鮮な気持ちを分かち合えず、一度知り合った人間から赤の他人のように振舞われる疎外感から、彼女は友達を作ることを諦めていた。
最初の高校の入学式で、綾花は同級生である稲葉未散と友達になる。通常ならば、相手と友達になれるのは複数の「1日」の中でも1回あるかどうか。残りは全て他人として1日を終え、結局友達になることなく次の日を迎えてしまう。しかし未散は、翌日も、そのまた翌日も綾花へ声をかけ、全ての1日で「初めての出会い」を繰り返すことになる。綾花と未散が出会わない日は一度もなく、二人は次第に親しくなっていく。綾花にとって初めての友達となる未散との関係は、繰り返される『今日』の中で少しずつ深まり、綾花の心境に変化を生じさせる。
登場人物
[編集]- 相沢 綾香(あいざわ あやか)
- 高校1年生。超記憶症候群を持ちながら、同じ1日を何度も繰り返す呪いに囚われている。翌日を迎えると記憶以外の全てがリセットされるため、心を閉ざし、友人を作ろうとしなかった。しかし、高校の入学式でクラスメイトの稲葉未散と出会うことで、心境に変化が生じ始める。
- 稲葉 未散(いなば みちる)
- 高校1年生。相沢綾香のクラスメイトであり、彼女にとっての初めての友達。人付き合いが上手く、クラスの中心的な存在。
- 水瀬 優花(みなせ ゆうか)
- 綾香のいとこ。23歳。綾香が1日を何度も繰り返す呪いに悩んでいることを知っている。
作風
[編集]ライターのタニグチリウイチによれば、本作は、ループものの時間構造を活用した独特な物語展開が特徴であるという[1]。主人公・相沢綾花は、同じ1日を複数回繰り返し続ける特殊な人生を送っている[1]。この設定は、従来のループもの作品に見られる、失敗を取り戻すために時間を巻き戻す形式とは一線を画している[1]。選ばれる「1日」は必ずしも最良の日ではなく、時には失敗した日が固定されるため、繰り返すことで安心を得るどころか、より一層の絶望感を生む[1]。宮澤伊織の『裏世界ピクニック』シリーズにも見られるような「百合SF」の要素を反映させながら、長い時間の牢獄に閉じ込められた綾花を通して、一度きりの時間が持つ価値を深く掘り下げているという[1]。
書誌情報
[編集]小説
[編集]- 宇佐楢春(著)・かも仮面(イラスト)『忘れえぬ魔女の物語』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、既刊2巻
- 2021年1月14日発売[書誌 1]、ISBN 978-4-8156-0770-8
- 2021年4月14日発売[書誌 2]、ISBN 978-4-8156-0771-5
漫画
[編集]- 宇佐楢春(原作)・かも仮面(キャラクター原案)・やまだしゅら(漫画)『忘れえぬ魔女の物語』スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスUP!〉、全4巻
- 2022年5月7日発売[書誌 3][5]、ISBN 978-4-7575-7915-6
- 2022年12月7日発売[書誌 4]、ISBN 978-4-7575-8298-9
- 2023年9月7日発売[書誌 5]、ISBN 978-4-7575-8774-8
- 2024年10月7日発売[書誌 6]、ISBN 978-4-7575-9461-6
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h タニグチリウイチ「早くも2021年ベスト級のラノベ登場? 『ダンまち』輩出のGA文庫大賞、金賞作品がすごい」『リアルサウンドブック』株式会社blueprint、2021年2月14日。2024年10月13日閲覧。
- ^ 「『忘れえぬ魔女の物語』『貴サークルは“救世主”に配置されました』など「第12回GA⽂庫⼤賞」《金賞》《銀賞》受賞作4作品が同時刊⾏!」『PR TIMES』株式会社 PR TIMES、2021年1月13日。2024年10月13日閲覧。
- ^ 「『忘れえぬ魔女の物語』のコミカライズ連載が開始 「わたし」と「彼女」の不器用な想いにまつわる少しフシギな物語」『ラノベニュースオンライン』株式会社Days、2021年12月20日。2024年10月13日閲覧。
- ^ @Syurasyuraman (2024年9月22日). "やまだしゅらによる最終話更新告知ポスト". X(旧Twitter)より2024年10月13日閲覧。
- ^ 「"今日"を何度も繰り返す世界で初めて出会った友達、マンガ版「忘れえぬ魔女の物語」」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2022年5月7日。2024年10月13日閲覧。
書誌情報出典
[編集]- ^ “忘れえぬ魔女の物語”. SB Creative. 2024年10月13日閲覧。
- ^ “忘れえぬ魔女の物語2”. SB Creative. 2024年10月13日閲覧。
- ^ “忘れえぬ魔女の物語 1”. スクウェア・エニックス. 2024年10月13日閲覧。
- ^ “忘れえぬ魔女の物語 2”. スクウェア・エニックス. 2024年10月13日閲覧。
- ^ “忘れえぬ魔女の物語 3”. スクウェア・エニックス. 2024年10月13日閲覧。
- ^ “忘れえぬ魔女の物語 4”. スクウェア・エニックス. 2024年10月13日閲覧。