志摩市消防本部
志摩市消防本部 | |
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情報 | |
設置日 |
2021年4月1日 1973年4月1日(志摩広域消防組合) |
管轄区域 | 志摩市、南伊勢町(旧南勢町〔事務委託〕) |
管轄面積 | 287.80km2 |
職員定数 | 150人(2011年4月1日現在)[1] |
消防署数 | 1 |
分署数 | 5 |
出張所数 | 0 |
分遣所数 | 0 |
所在地 | 〒517-0501 |
三重県志摩市阿児町鵜方3080 | |
法人番号 | 7000020248851 |
リンク | 志摩市消防本部 |
志摩市消防本部(しまししょうぼうほんぶ)は、三重県志摩市の消防部局(消防本部)。志摩市のほか、事務委託により度会郡南伊勢町の旧南勢町域を管轄する。
概要
[編集]- 主力機械(2021年4月1日現在)
消防本部の新築移転計画とその変更
[編集]2012年現在使用されていた志摩広域消防組合消防本部兼志摩消防署庁舎は、車庫が耐震基準を満たしていないほか、他の建物も老朽化していた[2]。更にハザードマップ上では浸水エリアに含まれていないが、標高は11mしかなく、想定外の大津波による被害も考えられる上、災害発生時に119番通報が殺到した際に円滑に処理することのできる消防指令システムも保有していなかった[2]。こうした事情を踏まえ、消防本部兼消防署を2014年(平成26年)度末を目標に新築移転する方針が打ち出された[2]。候補地は志摩市の所有する長沢グラウンド(志摩市阿児町神明、標高30m)が有力で、新庁舎には高機能の消防指令システムと志摩市の防災システムを導入する予定であるとの報道がなされた[2]。
ところが、2012年(平成24年)12月21日、志摩市議会は「長沢グラウンドを廃止していいのか」などの意見を提示し、移転場所として承認しなかった[3]。その結果、同じ敷地内に新築する方針に転換し、2014年(平成26年)7月16日に工事を開始、消防業務を継続しながら工事を進め、2016年(平成28年)2月25日に新庁舎が完成した[4]。新庁舎の竣工式は第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)開催の都合で延期し、8月6日にようやく挙行した[5]。
新庁舎の総工費は18億円で、5階建ての庁舎には従来なかった女性職員用の仮眠室・シャワー室を設け、災害時などに72時間稼働可能な自家発電システムや、119番通報を円滑に処理する通信指令システムを導入した[5]。庁舎は伊勢志摩サミットの統括警戒本部として利用され、東京消防庁など日本各地から派遣された消防職員が詰めた[5]。
組合解散、志摩市消防本部へ
[編集]2020年(令和2年)9月29日、志摩市長の竹内千尋と南伊勢町長の小山巧は志摩市役所で会見を開き、2021年(令和3年)3月31日をもって志摩広域消防組合を解散し、翌4月1日に志摩市消防本部を新設、南伊勢町が南勢地域の消防行政を委託する形に移行することを発表した[6][7]。市町村合併により構成自治体が1市1町になったことで一部事務組合の意義が薄れたことや二重行政の解消、大規模災害への対応などが目的で、3000万円の経費削減ができるという[7]。これに伴う職員の待遇や消防署配置の変更はない[6]。
志摩市消防本部への移行を機に、職員への匿名アンケートが実施され、パワーハラスメントを訴える回答が複数寄せられた[8]。これを受け、志摩市総務課に所属する弁護士による聞き取り調査が行われ、消防司令長ら40代男性職員3人が2022年(令和4年)2月9日付で懲戒処分となった[8]。3人の処分の理由はそれぞれ、10年に及ぶ部下への暴言・暴行、最長6時間に及ぶ𠮟責、深夜・未明の私用での送迎や私的文書作成依頼を断った職員への無視であった[8]。
沿革
[編集]- 1972年(昭和47年)10月1日 - 磯部分署庁舎が完成。
- 1973年(昭和48年)4月1日 - 阿児町、磯部町、大王町、志摩町、浜島町、南勢町の6町により志摩広域消防組合が発足。1本部1署5分署体制で業務開始。浜島分署は旧浜島真珠会館を使用。
- 1974年(昭和49年)2月1日 - 消防本部及び志摩消防署の旧庁舎が完成。
- 1974年(昭和49年)2月5日[9]または2月7日[10] - 南勢分署の新庁舎が完成。
- 1979年(昭和54年)3月6日 - 大王分署の新庁舎が完成。
- 1982年(昭和57年)12月1日 - 志摩広域地域救急医療情報センター業務開始。
- 1985年(昭和60年)4月1日 - 志摩広域消防組合消防審議会発足。
- 1993年(平成5年)11月1日 - 志摩分署の新庁舎が完成。
- 2004年(平成16年)3月24日 - 浜島分署の新庁舎が完成。翌日より新庁舎での業務開始[11]。
- 2004年(平成16年)10月1日 - 志摩郡5町が合併して志摩市となり、引き続き当組合に加入。
- 2005年(平成17年)10月1日 - 南島町と南勢町が合併して南伊勢町となり、旧南勢町地域のみ引き続き当組合に加入。
- 2016年(平成28年)
- 2月25日 - 消防本部及び志摩消防署の新庁舎が完成[4]。石吉・坂下特定建設工事共同企業体(石吉組と坂下工務店)が施工した[4]。
- 8月6日 - 消防本部及び志摩消防署の新庁舎の竣工式を挙行[5]。
- 2021年(令和3年)4月1日 - 前日付で志摩広域消防組合を解散し、志摩市消防本部を設置する[8]。
- 2024年(令和6年)
組織
[編集]- 消防本部 - 消防総務課、予防課
- 消防署
消防署
[編集]消防署 | 所在地 | 分署 | 所在地 | 画像 |
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志摩消防署 | 志摩市阿児町鵜方3080 | 志摩 | 志摩市志摩町和具588-1[14] | |
南勢 | 度会郡南伊勢町船越360-2 | |||
大王 | 志摩市大王町波切1733 | |||
磯部 | 志摩市磯部町迫間878-9[15] | |||
浜島 | 志摩市浜島町浜島1118-9 |
脚注
[編集]- ^ 三重県防災危機管理部消防・保安室"三重県防災危機管理部/三重県内の消防本部の概要"(2012年1月17日閲覧。)
- ^ a b c d 飯田(2012):17ページ
- ^ 西崎甚吾 (2013年1月). “西甚報告”. 2016年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月10日閲覧。
- ^ a b c “完成しました!消防本部庁舎等建設工事(建築工事)”. 石吉組. 2016年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月10日閲覧。
- ^ a b c d 安永陽祐「志摩消防庁舎を披露 指令システムなど強化」中日新聞2016年8月7日付朝刊、伊勢志摩版26ページ
- ^ a b 山村俊輔 (2020年9月30日). “志摩広域消防組合が解散 志摩市と南伊勢町”. 中日新聞. 2020年10月7日閲覧。
- ^ a b 伊勢新聞 (2020年9月30日). “志摩広域消防組合解散へ 南伊勢町が市へ委託”. 47NEWS. 2020年10月7日閲覧。
- ^ a b c d “消防職員が部下にパワハラ 志摩市が3人懲戒処分”. 伊勢新聞 (2022年2月10日). 2022年2月24日閲覧。
- ^ 『阿児町史』(平成12年発行)での記載。
- ^ 『南勢町誌』(昭和60年発行)での記載。
- ^ 中日新聞 2004年3月25日 朝刊 伊勢志摩版の記事より。
- ^ “志摩消防署・志摩分署が高台移転 津波浸水想定区域外に”. 中日新聞 (2024年5月25日). 2024年5月25日閲覧。
- ^ a b “志摩分署に続き磯部分署も高台へ移転が完了 女性用仮眠室を新設”. 中日新聞 (2024年10月5日). 2024年10月10日閲覧。
- ^ “志摩分署”. 志摩市消防本部 (2024年5月24日). 2024年5月25日閲覧。
- ^ “磯部分署”. 志摩市消防本部 (2024年9月9日). 2024年10月10日閲覧。
参考文献
[編集]- 『阿児町史』(平成12年3月15日発行、編集:阿児町史編纂委員会、発行:阿児町)
- 『磯部町史 上巻』(平成9年9月1日発行、編集:磯部町史編纂委員会、発行:磯部町)
- 『浜島町史』(平成元年10月1日発行、編纂:浜島町史編さん委員会、発行:浜島町教育委員会)
- 『南勢町誌』(昭和60年11月3日発行、編纂:南勢町誌編さん委員会、発行:三重県度会郡南勢町)
- 飯田竜二「志摩広域消防組合 本部を移転新築へ 候補に阿児の高台 14年度末完成目指す」中日新聞2012年1月6日付朝刊、広域三重17ページ
- 志摩市消防本部『令和2年版消防年報』令和4年1月
関連項目
[編集]- 志摩広域行政組合
- 紀勢地区広域消防組合(南伊勢町の旧南島町域を管轄)