必修教科
必修教科(ひっしゅうきょうか)とは、学校教育等において、その教科を履修することが進級・卒業の要件となっているような教科のこと。選択教科の対立概念。
日本の学制における必修教科
[編集]小学校では、必修・選択の区別はない。すべての教科の履修が必要である。中学校では、学習指導要領に必修教科が定められている。また、その他に各学校において選択教科を設置することになっている。
高等学校では、厳密には「必修教科」とは呼ばれず、必履修教科という。必履修教科では、その中のいくつかの科目を(保健体育以外は選択的に)履修することとしており、それらが必履修科目と呼ばれている。学習指導要領ではそれらが「必履修教科・科目」と表現されている。高等学校では、履修と修得が区別される。履修とは科目を学習することであり、修得とは学習の成果が認められることである。2006年現在、高等学校には必履修科目は存在するが、必修得科目はない。
英国の学制における必修科目
[編集]英国においては、16歳までが義務教育であり、中学卒業時に卒業試験に相当するGCSEを受ける必要がある[1]。それに対応して数学・英語・科学・語学(フランス語またはドイツ語)・歴史・地理・宗教学などが「必修科目」として指定されている[1]。
ドイツの学制における必修領域
[編集]ギムナジウム上級段階の授業には必修領域と選択領域がある[2]。
バーデン・ヴュルテンベルク州の場合、必修領域には、課題領域I(言語/文学/芸術課題領域)の必修教科としてドイツ語・外国語(英語・フランス語・ラテン語・ギリシャ語・ロシア語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語)・音楽・美術・課題領域II(社会科学課題領域)の必修教科として歴史・地理・社会科・経済・宗教/倫理・課題領域III(数学/自然科学/技術課題領域)の必修教科として数学・生物・化学・物理、いずれの課題領域にも属さない必修教科として体育がある[2]。
脚注
[編集]- ^ a b 津野志摩子『イギリス暮らしの英語表現』2006年、ベレ出版、197頁
- ^ a b 木戸裕. “ドイツの大学入学法制 - ギムナジウム上級段階の履修形態とアビトゥーア試験”. 2021年11月5日閲覧。