心の友 (アルバム)
『心の友』 | ||||
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ジョー・コッカー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1968年 ロンドン オリンピック・スタジオ、トライデント・スタジオ[1] 1968年9月 ロサンゼルス A&Mスタジオ(#1)[1] | |||
ジャンル | ロック、ブルー・アイド・ソウル | |||
時間 | ||||
レーベル |
リーガル・ゾノフォン・レコード A&Mレコード | |||
プロデュース | デニー・コーデル | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
後述を参照 | ||||
ゴールドディスク | ||||
ジョー・コッカー アルバム 年表 | ||||
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『心の友 [注釈 1]』(こころのとも、原題:With a Little Help from My Friends)は、イングランドの歌手ジョー・コッカーが1969年に発表した初のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]コッカーは1964年にデッカ・レコードからデビュー・シングル「I'll Cry Instead」(ビートルズのカヴァー)を発表するが、すぐにデッカとの契約を失い、1965年よりクリス・ステイントンをパートナーに迎えてライヴ活動を行った[3]。そして、1968年にEMI傘下のリーガル・ゾノフォン・レコードから、ステイントンとの共作による再デビュー曲「マジョリーン」を発表して全英シングルチャートで48位を記録し、同年にはビートルズのカヴァー「心の友」が全英1位のヒットとなった[3]。後者はアメリカでも、1968年12月14日付のBillboard Hot 100で68位に達した[4]。
ステイントンは本作の大部分の曲でベースを弾き、一部の曲ではピアノやオルガンも兼任したが、唯一ロサンゼルス録音の「フィーリング・オールライト」(トラフィックのカヴァー)では、キャロル・ケイがベースを担当した[1]。本作のレコーディングには、既にスタジオ・ミュージシャンとして引く手あまただったジミー・ペイジが参加しているが、その後ペイジはレッド・ツェッペリンの活動に集中するため、スタジオ・ミュージシャンとしての依頼を断るようになったという[5]。
反響・評価
[編集]アメリカでは1969年7月26日付のBillboard 200で最高35位を記録し[6]、リリースから約1年半後の1970年11月には、RIAAによりゴールドディスクの認定を受けた[2]。一方、母国イギリスでは、オリジナル・リリース時は全英アルバムチャート入りを逃す結果となった[7]。
ロバート・クリストガウは1969年8月17日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙において「彼は"Bye Bye Blackbird"や"A Little Help From My Friends"といった軽快な小品を、人間の根源的な叫びへ転化させることに見事に成功しており、さらに、彼が取り上げた"Feelin' Alright"は、スリー・ドッグ・ナイトのヴァージョンはおろか、スティーヴ・ウィンウッドとトラフィックによるオリジナルよりも良い」「彼はロック界においてジャニス・ジョプリンの男性版と言えるほど、個性的な手法で、他人の曲に秀逸な解釈をしている」と評している[8]。また、Bruce Ederはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「アルバムを牽引しているのは、それ自体が一つの楽器と言える、コッカーのソウルフルでザラついた声である」「意表を突いたアレンジ、テンポ、音楽的アプローチもあって、規格外のアルバムに仕上がっている」と評している[9]。
リイシュー
[編集]1972年にフライ・レコードから発売された再発LPは、本作と次作『Joe Cocker!』を抱き合わせた2枚組となっており[10]、このエディションは全英アルバムチャートで最高29位を記録した[7]。後に日本のテイチクから発売された再発CDも、本作と『Joe Cocker!』を1枚のCDに抱き合わせた内容である[11]。
1999年にA&Mレコードから発売されたリマスターCDには、シングルB面曲の「The New Age of Lily」と「Something's Coming On」がボーナス・トラックとして収録され[9]、2012年発売の日本流通盤CD (CRCD-3479)も同様の内容となった[12]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はジョー・コッカーとクリス・ステイントンの共作。
- フィーリング・オールライト - Feeling Alright (Dave Mason) - 4:13
- バイ・バイ・ブラックバード - Bye Bye Blackbird (Ray Henderson, Mort Dixon) - 3:30
- チェンジ・イン・ルイーズ - Change in Louise - 3:25
- マジョリーン - Marjorine - 2:40
- ジャスト・ライク・ア・ウーマン - Just Like a Woman (Bob Dylan) - 5:19
- 影 - Do I Still Figure in Your Life? (Pete Dello) - 4:01
- サンドペイパー・キャディラック - Sandpaper Cadillac - 3:19
- 悲しき願い - Don't Let Me Be Misunderstood (Gloria Caldwell, Sol Marcus, Bennie Benjamin) - 4:44
- 心の友 - With a Little Help from My Friends (John Lennon, Paul McCartney) - 5:14
- アイ・シャル・ビー・リリースト - I Shall Be Released (B. Dylan) - 4:41
1999年リマスターCDボーナス・トラック
[編集]- The New Age of Lily - 2:19
- Something's Coming On - 2:15
参加ミュージシャン
[編集]- ジョー・コッカー - ボーカル
- デヴィッド・ベネット・コーエン - ギター(on #1)
- ジミー・ペイジ - ギター(on #2, #4, #5, #7, #9)
- トニー・ヴィスコンティ - ギター(on #2)
- ヘンリー・マッカロク - ギター(on #3, #6, #8, #10)
- アルバート・リー - ギター(on #4)
- クリス・ステイントン - ピアノ(on #2, #3, #4, #7)、オルガン(on #2, #7)、ベース(#1を除く全曲)
- アーティ・バトラー - ピアノ(on #1)
- トミー・アイアー - ピアノ(on #5, #8)、オルガン(on #9)
- マシュー・フィッシャー - オルガン(on #5)
- スティーヴ・ウィンウッド - オルガン(on #6, #10)
- キャロル・ケイ - ベース(on #1)
- ポール・ハンフリー - ドラムス(on #1)
- クレム・カッティーニ - ドラムス(on #2, #4, #7)
- マイク・ケリー - ドラムス(on #3, #6, #10)
- B・J・ウィルソン - ドラムス(on #5, #9)
- ケニー・スレイド - ドラムス(on #8)
- Laudir - パーカッション(on #1)
- メリー・クレイトン、ブレンダ・ホロウェイ、パトリス・ホロウェイ - バッキング・ボーカル(on #1)
- サニー・ウィートマン - バッキング・ボーカル(on #2, #3, #6, #9, #10)
- マデリン・ベル - バッキング・ボーカル(on #2, #6, #9)
- ロゼッタ・ハイタワー - バッキング・ボーカル(on #2, #9)
- スー・ウィートマン - バッキング・ボーカル(on #3, #6, #10)
- ニック・ハリスン - ストリングス・アレンジ(on #10)
チャート成績
[編集]チャート (1969年 - 2022年) | 最高位 |
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ドイツ (Offizielle Top 100)[13] | 82 |
UK アルバムズ (OCC)[14] | 29 |
US Billboard 200[6] | 35
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脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 日本初回盤LP (MP-1466)、1989年再発CD (25CP-34)、1994年再発CD (TECX-18794)、2012年日本流通盤CD (CRCD-3479)の帯に準拠。1971年再発LP (AML 84)、1977年再発LP (GXG-1024)、1980年再発LP (AMP-4020)の邦題は『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ』だった。
出典
[編集]- ^ a b c 1999年リマスターCD (069 490 419-2)英文ブックレット内クレジット
- ^ a b “Gold & Platinum”. RIAA. 2022年3月4日閲覧。
- ^ a b Sweeting, Adam (2014年12月22日). “Joe Cocker obituary”. The Guardian. Guardian News and Media. 2022年3月4日閲覧。
- ^ “Joe Cocker Chart History - The Hot 100”. Billboard. 2022年3月4日閲覧。
- ^ Fortnam, Ian (2020年12月3日). “Jimmy Page: The Classic Rock interview”. loudersound.com. Future plc. 2022年3月4日閲覧。
- ^ a b “Joe Cocker Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2022年3月4日閲覧。
- ^ a b JOE COCKER | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ Christgau, Robert. “A Man as Good as Janis”. 2022年3月4日閲覧。
- ^ a b Eder, Bruce. “With a Little Help from My Friends - Joe Cocker”. AllMusic. 2022年3月4日閲覧。
- ^ Joe Cocker - Joe Cocker! / With A Little Help From My Friends (1972, Vinyl) - Discogs
- ^ “ジョー・コッカー/心の友 (再発) (廃盤)”. CDJournal. 音楽出版社. 2022年3月4日閲覧。
- ^ “ジョー・コッカー/心の友 (廃盤)”. CDJournal. 音楽出版社. 2022年3月4日閲覧。
- ^ "Offiziellecharts.de – Joe Cocker – With A Little Help From My Friends" (in German). GfK Entertainment Charts. 2022年3月4日閲覧。
- ^ "Official Albums Chart Top 100". Official Charts Company. 2022年3月4日閲覧。