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御堀直嗣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

御堀 直嗣(みほり なおつぐ、1955年 - )は、日本自動車評論家、モータージャーナリスト電気自動車 (EV) を始めとする環境技術エネルギー技術に通じ、一般社団法人日本EVクラブ副代表[1][2]日本カー・オブ・ザ・イヤー (COTY) 選考委員[1][3]有限会社ノーティ・ボーイ・アンド・カンパニー(法人番号2013202004880代表取締役社長[3] を務める。

来歴

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東京都に生まれる。玉川大学工学部卒業後、自動車競技に挑戦[1]FL500FJ1600に参戦し優勝を経験するも、26歳のとき自身の年齢と資金不足からプロのレーシングドライバーへの道を諦め[4]フリーランスのモータージャーナリストに転身した[1][注 1]。日本EVクラブ代表で自動車評論家の舘内端とは、1990年代初頭に電気自動車競技参戦のため一緒に渡米した仲[5]自動車雑誌のほか、経済誌、新聞といった各種媒体[注 2]に自動車関連の記事を寄稿しており、著書約30冊[3]。趣味は読書乗馬[1]

論調

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東京から那須までの往復約400キロメートルを無充電で走破する電気自動車のテスラ・モデルSを「エンジン車に乗る意味を失わせる」(引用)と賞賛する[5] 一方、ガソリンエンジン車に対する評価は辛く、2020 - 2021日本カー・オブ・ザ・イヤーとなったスバル・レヴォーグを「時代のスタートラインに並べない」(引用)として評点を1点も投じず、「日本は環境問題に対し鈍感」(引用)と断じた[6]。ただし、アウディ・RS5と言った高級欧州車などはガソリン車であっても絶賛する例はある[7]

ディーゼル自動車に対しては大気汚染対策技術の進歩を認めながらも、販売台数の増加によってトレードオフされてしまうことから、EV化による解決を提唱している[8]。また、燃料電池自動車 (FCV) に対しては多額の費用を投じて水素ステーションの整備を行うことは現実的ではなく[9]、そもそも水素を生成する電気があるなら、その電気でEVを走らせれば良いなどとして否定的である[10]バイオ燃料に対しても精製・運搬時に化石燃料を使用しているようでは二酸化炭素の排出量増加は避けられず、大気汚染防止や国家安全保障といった観点からバイオ燃料の普及は限定的なものに留まると予想し、EV化が最適であるとする[11]e-fuelも同様の理由で有望視していない[12]

旧車に関しては初度登録後13年で重課となる日本の自動車税制を批判。13年程度で環境性能に大きな差は出ないとし、ヨーロッパと同様に旧車に対する税の軽減措置を講じるよう求めている[13]自動車税#グリーン化税制旧車#旧車と税金も参照)。

エネルギー問題については、溶融塩原子炉のような新型の原子力発電を主力とし、再生可能エネルギーを補助とすることで、火力発電からの脱却を図り早期にCO2ゼロの社会を実現すべきとの考えを持つ[12]

脚注

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注釈

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  1. ^ フリーへの転身の時期(1984年[3] あるいは1994年[4])については資料によって異なる。
  2. ^ 読売新聞オンライン日経クロステックマイナビニュース東洋経済オンラインAuto Messe WebWEB CARTOPベストカーWEB、EMB AUTO TECH、読売新聞夕刊、ノスタルジックヒーローザ・マイカー[3]

出典

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  1. ^ a b c d e 御堀 直嗣”. 東洋経済新報社. 2021年4月29日閲覧。
  2. ^ 組織構成”. 日本EVクラブ. 2021年1月1日閲覧。
  3. ^ a b c d e 御堀 直嗣”. EVsmartブログ. Ayudante. 2021年4月29日閲覧。
  4. ^ a b 御堀直嗣 (2014年12月26日). “GAZOO わたしの自動車史(前編)”. トヨタ自動車. 2021年4月29日閲覧。
  5. ^ a b 御堀直嗣 (2014年12月26日). “GAZOO わたしの自動車史(後編)”. トヨタ自動車. 2021年4月29日閲覧。
  6. ^ 御堀直嗣 (2020年12月31日). “最高のハンドリング! 極めて高い安全性! それでも新型レヴォーグが抱える「問題点」とは”. WEB CARTOP (交通タイムス社). https://www.webcartop.jp/2020/12/636671/ 2021年1月23日閲覧。 
  7. ^ 御堀直嗣 (2021年5月4日). “ガソリンエンジン車の究極の姿か アウディ「RS5クーペ」”. 読売新聞オンライン (読売新聞東京本社). https://www.yomiuri.co.jp/hobby/atcars/impression/20210427-OYT8T50053/ 2021年5月9日閲覧。 
  8. ^ 御堀直嗣 (2021年4月4日). “クリーンで脚光も再転落?? ディーゼルエンジンの悲劇と運命”. ベストカーWEB (講談社ビーシー). https://bestcarweb.jp/feature/column/267263 2021年4月29日閲覧。 
  9. ^ 御堀直嗣 (2021年4月27日). “水素ステーションの充実は不可能! 開業が現実的にならない「条件」の厳しさとは”. WEB CARTOP (交通タイムス社). https://www.webcartop.jp/2021/04/693828/ 2021年4月28日閲覧。 
  10. ^ 御堀直嗣 (2018年7月12日). “日産、究極のエコカーFCVをやめるって…なぜ?”. 読売新聞オンライン (読売新聞東京本社). https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20180706-OYT8T50008/ 2021年4月28日閲覧。 
  11. ^ 御堀直嗣 (2021年1月6日). “環境問題の「救世主」じゃなかったの? 最近「バイオ燃料」が話題にならないワケ”. WEB CARTOP (交通タイムス社). https://www.webcartop.jp/2021/01/638630/ 2021年5月9日閲覧。 
  12. ^ a b 御堀直嗣 (2020年11月4日). “自動車メーカーが開発を進める「e燃料」はエコとは程遠い! その「中身」と本当の環境対策とは”. WEB CARTOP (交通タイムス社). https://www.webcartop.jp/2020/11/609056/ 2021年5月10日閲覧。 
  13. ^ 御堀直嗣 (2021年2月20日). “モノを大切にする「旧車乗り」と支える「メーカー」がなぜ悪い! 13年での「重課税」という日本の愚策”. AUTO MESSE WEB (交通タイムス社). https://www.automesseweb.jp/2021/02/20/594982 2021年3月13日閲覧。 

外部リンク

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