弱位相 (極位相)

函数解析学および関連する数学の分野において、弱位相（じゃくいそう、英: weak topology）とは、粗極位相、すなわち、ある双対組上の最小の開集合を伴う位相のことを言う。最も細かい（finest）極位相は、強位相と呼ばれる。

弱位相の下で、有界集合は相対コンパクト集合と一致する。この事実より重要なブルバキ＝アラオグルの定理が導かれる。

定義

双対組 $(X,Y,\langle ,\rangle )$ が与えられたとき、弱位相 $\sigma (X,Y)$ は $X$ 上の最も弱い極位相である。したがって

$(X,\sigma (X,Y))'\simeq Y$

が成り立つ。すなわち、$(X,\sigma (X,Y))$ の連続双対は、同型を除いて $Y$ と等しい。

弱位相は次のように構成される：

$Y$ 内のすべての $y$ に対し、$X$ 上の半ノルム

$p_{y}:X\to \mathbb {R}$

を、次のように定める：

$p_{y}(x):=\vert \langle x,y\rangle \vert \qquad x\in X.$

この半ノルムの族は、$X$ 上の局所凸位相を定義する。

例

• ノルム線型空間 $X$ とその連続双対 $X'$ が与えられたとき、$\sigma (X,X')$ は $X$ 上の弱位相と呼ばれ、$\sigma (X',X)$ は $X'$ 上の弱スター位相と呼ばれる。