広告界 (雑誌)
広告界(廣告界。こうこくかい)とは、1926年から1941年にかけて、誠文堂(現・誠文堂新光社)が刊行していた、広告関係の雑誌。日本における広告関連雑誌の草分け的存在である。
「広告と陳列」という表題であった雑誌を改題して創刊。創刊時期については、1920年(大正9年)4月、1926年(大正15年)3月、1925年(大正14年)、1928年(昭和3年)1月などとする文献がある。改題の時期と、出版社の変更(もともとタブセ商会で創刊し、その後、商店界社→誠文堂商店界社→誠文堂広告界社→誠文堂→誠文堂新光社と転々としている[1]。なお「商店界社」以降は単なる社名変更の可能性も高い)の時期とがあいまって、以上のような複数の創刊時期が示されている。(それぞれの時期については、下記外部サイトを参照)最初の一年間は商業美術家協会と協力関係にあったが、その後関係を解消している。
終刊は1941年12月(18巻12号)とされているが、「雑誌年鑑(昭和17年版)」によると、1941年10月で廃刊されたことになっているそうで、ここにも混乱が見られる。内容は、広告界の話題・動向の紹介、広告技術や広告実例の紹介、研究者・企業広告担当者による評論などである。
創刊から1935年4月まで室田庫造(むろた・くらぞう。室田久良三)が編集長、その後は終刊まで宮山峻が第2代編集長であった。
戦後、1953年に宮山が新たに『アイデア』を創刊した。
- 室田庫造について
初代編集長であった室田庫造は、編集者であるとともに、広告デザイナー(グラフィックデザイナー)としての活動も行った。次の文献に掲載されている第二次世界大戦前の写真では、室田庫造によるものと推測される作品(大阪そごう百貨店中二階の喫茶パーラーの壁に掲示された作品)が、中山岩太の作品の隣に掲げられている。
同じ図版を次の論文(書籍)でも見ることができる。
さらに、次の雑誌でも同じ写真図版を見ることができる。
- フォトタイムス1936年7月号53ページ(「オリエンタル写真会社制作」として紹介)
以下のページは参考ページである。
書籍
[編集]- 近代広告の誕生 ポスターがニューメディアだった頃(竹内幸絵、青土社、2011年)