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『庁中漫録』(ちょうちゅうまんろく)は、奈良奉行所の与力玉井定時やその子孫が大和国や奈良(南都)について編述した地誌。
定時は、郡山藩に仕えていた寛文元年(1661年)ごろから天和2年(1682年)までの20年にわたって地域の史料の収集をおこない、すでに小冊を編んでいた。奈良奉行所与力として出仕するようになり、奈良奉行大関増公が定時に寺社の由緒書の集成を指示し、元禄13年(1700年)に「大和志」というタイトルで30巻として成立した。当時見ることができた寺社史料を多く収録し、奈良奉行所の記録として完成させたものである。