古典の日
古典の日(こてんのひ)は、古典を顕彰する日本の記念日である。日付は11月1日[1]。2012年に法制化された。
古典の日における古典の範囲には、例えば、漢詩、囲碁、クラシック音楽、海外文学の翻訳等のように諸外国で創造され日本で受け継がれたものや、武道などの身体文化、茶道、華道、書道その他の生活文化を含み、時代区分では明治期の作品を含む[2]。同日から教育・文化週間が始まり、前後の時期に関連行事が行われる[3]。
由来
[編集]紫式部日記の寛弘5年11月1日(1008年12月1日)の記述に、源氏物語の作者紫式部に対して、藤原公任が「あなかしこ、このわたりに若紫やさぶらふ」(そういえば、このあたりに若紫の姫君がいらっしゃるのでは)と語りかけたとある。「若紫」とは源氏物語の登場人物であることから、この記述は日本を代表する古典文学である源氏物語が歴史上はじめて記録されたものであること[4]を根拠としている。
このため、作家の瀬戸内寂聴、茶道裏千家前家元・千玄室(呼びかけ人代表)などが呼びかけ人となり、記述の日から千年目に当たる2008年(平成20年)の前年、2007年(平成19年)1月に京都府などを中心に立ち上げられた源氏物語千年紀委員会が、11月1日を古典の日とすることを提案した。2008年11月1日に記念式典を開催し、古典の日が宣言された。
法制化
[編集]2012年(平成24年)、福田康夫元首相を会長とする超党派の「古典の日」推進議員連盟が3月に発足し、本格的に法制化へ動き出した[5]。古典の日を祝日ではなく、国の制定する記念日とする法案が8月に議員立法で提出され、9月に施行された[6]。
古典の日に関する法律
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古典の日に関する法律 | |
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日本の法令 | |
法令番号 | 平成24年法律第81号 |
種類 | 教育法 |
効力 | 現行法 |
成立 | 2008年 |
所管 | 文部科学省 |
主な内容 | 古典の日 |
条文リンク | e-Gov法令検索 |
ウィキソース原文 |
古典の日に関する法律は、古典の日の目的(第1条)と内容(第3条)、古典の日における古典の定義(第2条)を定める[8]。
イベント
[編集]2008年11月1日、源氏物語千年紀を記念して古典の日が宣言され、式典が上皇明仁・上皇后美智子臨席のもと国立京都国際会館で行われた[9]。翌年3月、古典の日推進委員会が源氏物語千年紀委員会から改組されて発足した。
同委員会による古典の朗読コンテストが2009年から行われているほか、各地で古典にちなんだイベントや公演、図書館での催し物などが行われている[3]。
脚注
[編集]- ^ “第13回 紫式部日記”. 京都新聞 (2018年10月25日). 2021年1月10日閲覧。
- ^ “古典の日に関する法律の施行について(通知)”. 文化庁長官官房 (2012年9月5日). 2018年7月1日閲覧。
- ^ a b “教育・文化週間”. 文部科学省. 2018年7月7日閲覧。
- ^ 森正人「源氏物語 千年の時」『東光原:熊本大学図書館報』第50号、熊本大学附属図書館、2008年3月、2-4頁、ISSN 0917-7604。
- ^ “11月1日は「古典の日」…祝日とはせず”. 読売新聞. (2012年8月29日). オリジナルの2012年9月3日時点におけるアーカイブ。 2012年8月29日閲覧。
- ^ “古典の日に関する法律 平成24年9月5日法律第81号”. 日本法令索引. 国立国会図書館. 2018年7月1日閲覧。
- ^ “参議院 議案審議情報”. 参議院. 2012年8月29日閲覧。
- ^ “古典の日に関する法律”. 衆議院. 2018年7月7日閲覧。
- ^ “源氏物語千年紀で式典/「古典の日」を宣言”. 四国新聞. (2008年11月1日)
外部リンク
[編集]- 古典の日について - 文化庁月報 平成25年10月号
- 11月1日は古典の日 - 古典の日推進委員会・古典の日文化基金賞顕彰委員会