常動曲 (ヨハン・シュトラウス2世)
『常動曲』(じょうどうきょく、ラテン語:Perpetuum mobile)作品257は、ヨハン・シュトラウス2世が作曲した管弦楽曲。『無窮動』(むきゅうどう)とも称される。ニューイヤーコンサートで多く演奏される作品である。
解説
[編集]「音楽の冗談」という副題を持っている。1861年4月4日にウィーンで初演されたが、当時の評判はあまり芳しくなかったという。しかし現在はコンサートにおける「小粋なアンコール」として親しまれ、有名になっている。
常動曲という名の通り、何回でも最初から繰り返し演奏できるように作られた楽曲であり、当時普及し始めていた機械に着想を得たと言われている。スコアの最後には「あとはご自由に」と書かれており、フェイドアウトする演奏や最初から繰り返す演奏、指揮者が「あとはこの繰り返しです」と聴衆に語りかけて終わるという演奏などがあるが、現在では聴衆に語りかけて終わる演奏のほうが一般的である。例えばウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2015では、ズービン・メータが、この曲を自ら"et cetera. et cetera..."と語って終わらせた。また、かつてのニューイヤーコンサートで、ロリン・マゼールは演奏終了直後にドイツ語で”und so weiter,und so weiter(この後も引き続きます)”と述べた過去があった。その他にもクレメンス・クラウスは、自身のこの作品の録音で”and so on"と言って曲を終わらせた。
……私はまた、時として彼の「無窮動」を指揮するほうが、多くの四楽章の交響曲よりも楽しかったことがあるのを認められないではいられない[1]。…… — リヒャルト・シュトラウス「回想と考察」(1925年)、ヨハン・シュトラウス2世の生誕100周年を記念して
音楽番組「オーケストラがやってきた」のテーマ曲として広く知られていた。
構成
[編集]8小節の旋律を変奏曲形式でつなぎ楽器が次々と変わっていき、機械の無機質な回転を思わせるリズムに乗って、ウィーンっ子の軽口を聞くような流麗軽快な音楽である。
出典
[編集]- ^ 小林利之『大作曲家は語る』(東京創元社、1977年12月10日)152ページ。
外部リンク
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「常動曲」 - オペラパーク楽友アンサンブルによる演奏。楽団公式YouTubeチャンネルより |