巽信二
巽 信二[1] | |
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生誕 |
1954年[1] 日本 大阪府[1] |
研究分野 | 法医学[1] |
研究機関 | 近畿大学医学部[1] |
出身校 | 近畿大学医学部[1] |
主な受賞歴 | 警察協力章[2](後に取り消し) [3] |
プロジェクト:人物伝 |
巽 信二(たつみ しんじ、1954年 - )は、日本の法医学者。元近畿大学医学部法医学教室主任教授。詐欺容疑により懲戒解雇された。
経歴
[編集]大阪府生まれ[1]。大阪府立花園高等学校、1980年近畿大学医学部卒業、同講師、助教授を経て、2007年より近畿大学医学部法医学教室主任教授[1]。
大阪府監察医事務所監察医[1]。大阪府・大阪市被虐待児鑑定医[1]として多数の司法解剖を行い、2020年にはテレビ番組『奇跡体験!アンビリバボー』などにも解説者と出演した[4]。2021年2月、警察庁長官から警察部外功労者表彰、警察協力章受章[2]。
2021年3月末で定年退職を予定していたが、後任への引き継ぎの中で業者との不明瞭な取引が判明し、定年前日の2021年3月30日付けで懲戒解雇[5]。同年6月9日、医療機器販売会社の元社員と共謀し、架空の領収書を偽造[6]、医療用品の購入を装い近畿大から約1700万円をだまし取った容疑で大阪府警察捜査2課により逮捕される[7]。同年6月30日、総額約2100万円相当の私物を経費で購入した容疑で元社員と共に再逮捕された[8]。7月16日には司法解剖の検査費を水増し請求して約5100万円をだまし取った容疑でも再逮捕された[9]。
同年、7月8日、上記の逮捕・起訴を受け、「章にふさわしくない非行があった」と判断され、警察協力章が取り消された[10]。
同年10月の初公判では、大学からの詐取は認めた一方、府警から司法解剖の検査料をだまし取ったとする起訴内容については無罪を主張した。
2022年2月10日、大阪府警より遺体解剖の検査料約200万円をだまし取ったとして、追送検される。府警は一連の捜査を終え、立件総額は大学の経費詐欺事件と合わせて計約1億円に上った。
2023年3月13日、大阪地方裁判所で公判が開かれ、検察は懲役7年を求刑した。経費をだまし取った罪については「大学が使い道を深掘りしないことをいいことに悪用した」と認める一方、司法解剖を水増し請求したとする罪については「私は全国に150人しかいない法医学者の内の1人で、これまで4000体の司法解剖をしてきた。不正などありえません」と無実を主張した。判決は同年6月14日に言い渡される予定となっている。
2023年3月15日、近畿大学による最終報告書が公表された。被害総額は1億4945万5175円に上り、そのうち7100万7487円が大阪府警察への過大請求となる。被害総額のうち4961万8017円は当人の代理人を通して弁済されている。
2023年6月14日、大阪地方裁判所により「信頼のある立場を悪用した巧妙で継続的な犯行だ」などとして、懲役5年の実刑判決が言い渡された[11]。
2023年12月21日、大阪高等裁判所において、控訴審判決があった。裁判長は懲役5年(求刑懲役7年)とした一審大阪地裁判決を支持し、被告側控訴を棄却した[12]。
著作
[編集]- 『奇妙な死体のとんでもない事情 2万人を検死した法医学者の事件ファイル』河出書房新社、2019年。
テレビ出演
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j “奇妙な死体のとんでもない事情 2万人を検死した法医学者の事件ファイル 著者”. 河出書房新社. 2021年4月2日閲覧。
- ^ a b “NEWS RELEASE 2021年2月”. 近畿大学. 2021年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月2日閲覧。
- ^ “<独自>警察協力章 異例の取り消し 詐取事件の近大元教授”. 産経新聞 (2021年7月8日). 2021年7月17日閲覧。
- ^ “9/17(木)放送 フジテレビ「奇跡体験!アンビリバボー」近畿大学医学部 医学科 教授 巽信二が解説”. 近畿大学 (2020年9月17日). 2021年6月9日閲覧。
- ^ “法医学教授を懲戒解雇 架空領収書で経費詐取―近畿大”. 時事通信 (2021年3月31日). 2021年6月9日閲覧。
- ^ “近大医学部を家宅捜索 元教授の経費不正受給疑い―大阪府警”. 時事通信 (2021年5月11日). 2021年6月9日閲覧。
- ^ “近大医学部元教授を逮捕 1700万円詐取疑い、大阪府警”. 日本経済新聞 (2021年6月9日). 2021年6月9日閲覧。
- ^ “ゴルフ用品など購入か 詐欺容疑で近大元教授ら再逮捕”. 朝日新聞 (2021年6月30日). 2021年7月17日閲覧。
- ^ “司法解剖の検査費詐取疑い 元近大教授、3回目の逮捕”. 日本経済新聞 (2021年7月16日). 2021年7月17日閲覧。
- ^ “<独自>警察協力章 異例の取り消し 詐取事件の近大元教授”. 産経新聞 (2021年7月8日). 2021年7月17日閲覧。
- ^ “司法解剖費用架空請求など詐欺の罪 近大元教授に懲役5年判決”. NHK (2023年6月14日). 2023年6月16日閲覧。
- ^ Corporation, Asahi Television Broadcasting. “司法解剖で水増し請求などした元近大教授に懲役5年 大阪高裁が1審判決支持 大阪府警から3700万円、大学側から4900万円詐取”. www.asahi.co.jp. 2024年5月13日閲覧。
- ^ a b c “教員紹介 巽 信二”. 近畿大学. 2021年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月2日閲覧。