已灌頂
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已灌頂(いかんじょう)は、密教の僧侶に与えられる地位。本来は伝法灌頂の伝授を終えた者に与えられていたが、後には天皇の勅命によって開かれる結縁灌頂において印明(秘印・真言)などの伝授を行う小灌頂阿闍梨を務めた阿闍梨の称号となった。南都六宗における已講に相当する。
院政期には延暦寺(惣持院)・尊勝寺・東寺・仁和寺(観音院)において勅命による法会、すなわち勅会による結縁灌頂が行われるようになったが、その際に三密のうちの2つである院明を行った者に対して与えられた。この地位を2年務めれば、権律師に任ぜられることになっていた。
参考文献
[編集]- 田村圓澄「已灌頂」(『国史大辞典 1』(吉川弘文館、1979年) ISBN 978-4-642-00501-2)
- 中野栄夫「已灌頂」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-04-031700-7)
- 上川通夫「已灌頂」(『日本歴史大事典 1』(小学館、2000年) ISBN 978-4-095-23001-6)