岳南鉄道7000形電車
岳南鉄道7000・8000形電車 | |
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吉原駅に入線する7000形電車。(2006年1月撮影) | |
基本情報 | |
運用者 | 岳南電車 |
種車 | 京王電鉄3000系 |
改造所 | 京王重機整備 |
改造数 | 5両 |
運用開始 | 1996年 |
主要諸元 | |
編成 |
7000形:1両編成 (1M) 8000形:2両編成 (1M1T) |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流 1,500 V |
最高運転速度 | 45 km/h |
全長 | 18,500 mm |
全幅 | 2,872 mm |
全高 | 4,300 mm |
車体 | ステンレス鋼 |
主電動機 | 複巻電動機TDK843A |
主電動機出力 | 120 kW |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 85:14(6.07) |
編成出力 | 480 kW |
制御方式 | 界磁チョッパ制御 |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(HSC-R) |
保安装置 | ATS |
岳南鉄道7000形電車(がくなんてつどう7000がたでんしゃ)は、岳南鉄道および同社から鉄道事業を引き継いだ岳南電車に在籍する通勤形電車である。京王電鉄3000系を1996年(平成8年)から1997年(平成9年)にかけて譲り受けたものである。
本項では、2002年(平成14年)に同じく京王3000系を譲り受けた、2両編成タイプの8000形についても記述する。
車両概要
[編集]7000形
[編集]ワンマン化・5000系の置き換えのため、京王3000系の中間車デハ3100形を京王重機整備で両運転台化した車両で3両が在籍する。
京王3000系の中間車はMM'ユニット方式のデハ3000形・デハ3050形と1M式のデハ3100形があるが、7000形に改造する際はデハ3100形が使われている。デハ3100形は1971年から京王井の頭線の5両編成化のために製造された中間電動車で、車体は3000系第3編成以降と同様のオールステンレス鋼製全長18.5m広幅車体とし、扉も片側3扉両開きを採用した。
岳南鉄道への譲渡に際しては両端の窓を撤去し、京王2000系電車に類似した橙色のFRPのカバーを取り付けた鉄製の運転室を新設、運転台設備や尾灯は京王初代5000系のものを使用し、冷房用SIVを設置した。なお、7002・7003の2両のみ、ジャンパ線により総括連結運転ができるようになっている。また、3両全車の側面行先表示機は撤去されている。
1996年12月5日に7001が竣工し翌1997年(平成9年)3月8日より営業を開始した[1]。同年9月22日には7002・7003も竣工して3両が出揃い、5000系は定期運用から離脱した。その後5000系は5002Fが予備車として残っていたが、後継の8000形によって置き換えられている。
2016年3月20日、7001の塗装が京王井の頭線時代を彷彿させるブルーグリーンに変更された。正面下部の行先表示器はステッカーでの再現となっている [2]。
2018年7月14日をもって、7002が運用を離脱している。岳南電車関係者の話では、「7000型の中でも走行距離が一番長く、9000系の導入に伴って部品取り車にした」事である。2023年4月時点では岳南富士岡駅構内の「がくてつ機関車ひろば」に展示されている。
7002の引退以降、季節ラッピングは7003が担当している。
7001については、2021年に同社が「吉原駅での運転体験」を目的として実施したクラウドファンディングにより、お色直しの資金を捻出することが可能となったことから、翌2022年初頭にかけて再塗装を実施。2022年4月より実際に運転体験に使用されている[3][4]。
8000形
[編集]定期運用から離脱したものの予備車として残っていた5000系を置き換えるため、2002年(平成14年)に登場した。2両編成1本のみの在籍。同年11月16日に運転を開始した。
7000形と同様、京王3000系を京王重機整備で改造のうえ導入しているが、部品供給の関係で運転台機器は京王6000系(1次車・6001F - 6006F・抵抗制御)の廃車発生品を使用し、岳南鉄道では唯一のワンハンドルマスコンとなっている。運転台化改造の工法も若干変更され、運転席後ろの窓が連結面の小型窓の発生品に変更となっている。また、種車の製造時期の違いから空調機器などで車両によって違いがある。同社で初めて車椅子スペースが設置され、バリアフリーに対応した車両となっている。7000形同様に側面行先表示機は撤去されている。
7000形との識別のために塗装は緑となり、公募により「がくちゃんかぐや富士」と愛称が付けられた。愛称の由来は、同社の愛称である「がくちゃん」と、沿線が竹取物語発祥の地であることから同作登場人物の「かぐや」、富士市の「富士」にちなむ。
昼間など運用されない時は岳南江尾駅構内に留置されている。
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車内
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運転台後ろの車椅子スペース
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8101の運転台
2022年11月に従来の緑から5000系電車の復刻カラーであるインターナショナルオレンジに塗装が変更された[5]
車体装飾・塗装変更
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車歴
[編集]- 7000形
車番 | 竣工年月 | 京王時代の旧番 |
モハ7001 | 1996年(平成8年)12月 | デハ3103 |
モハ7002 | 1997年(平成9年)9月 | デハ3101 |
モハ7003 | デハ3102 |
- 8000形
車番 | 竣工年月 | 京王時代の旧番 |
モハ8001-クハ8101 | 2002年(平成14年)11月 | デハ3110, デハ3060 |
脚注
[編集]- ^ 交友社『鉄道ファン』1997年8月号 通巻436号 p.129
- ^ “岳南電車7000系7001号車が京王井の頭線ふうカラーに”. 交友社「鉄道ファン」 (2016年3月21日). 2023年4月5日閲覧。
- ^ “本物の電車で運転体験!鉄道ファンじゃなくても心惹かれる「岳南電車」の魅力”. 静岡新聞 @S LIFE (2022年5月13日). 2023年4月5日閲覧。
- ^ “あなたも憧れの運転士になれる!岳鉄運転体験2023年4月も開催決定しました!”. 岳南電車 (2023年4月1日). 2023年4月6日閲覧。
- ^ “8000形電車導入20周年記念新塗装&新塗装完成記念出発式開催!”. 岳南電車 (2022年10月31日). 2023年4月6日閲覧。