岡本章 (演出家)
岡本 章(おかもと あきら、1949年8月22日 - )は、日本の演出家、俳優。錬肉工房主宰・芸術監督。
来歴
[編集]奈良県田原本町出身。奈良県立奈良高等学校卒業[1]。1968年に早稲田大学第一文学部に入学。大学在学中に学生劇団「自由舞台」、能楽サークル「観世会」に所属。また舞踏家笠井叡の「天使館」の開館に参加。1971年、自由舞台のメンバーを中心に「錬肉工房」を結成、主宰する。1972年、早稲田大学第一文学部演劇科卒業。
初期より、言葉と身体の関係を問い直し、声や身体性の可能性を探る。また、伝統演劇の能を現代に活かす活動を持続的に行い、さらに現代演劇の枠を超え、能、舞踏、現代詩、現代音楽、現代美術など、多様な芸術ジャンルとの横断的な共同作業を展開する。
創立より、錬肉工房の全作品を演出する。主な演出作品には、『須磨の女ともだちへ』(1974年)、『水の鏡』(1982年)、『水の声』(1990年)、現代能『無』(1998年)、『ハムレットマシーン』(1998年)、『月光の遠近法』(2005年)、『女中たち』(2005年)、『バッカイ』(2010年)、『オイディプス』(2013年)、現代能『始皇帝』(2014年)、『西埠頭/鵺』(2017年)、『盲人達』(2021年)がある。1989年より、伝統と現代を切り結ぶ「現代能楽集」のシリーズを開始し、2021年までに15作品を上演。海外公演は、1998年イタリアサンタルカンジェロ演劇祭、2000年韓国華城国際演劇祭、2012年ルーマニアシビウ国際演劇祭、モルドバBITEI国際演劇祭に招聘され演出を行う。2016年度第38回観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。2006年より2018年まで、明治学院大学文学部芸術学科教授を務める。
主要演出作品
[編集]- 『聖・女郎花』(1971年:早稲田JAZZ SPOT「TAKE-1」)
- 『物忌姦』(1972年:六本木自由劇場)
- 『たゆたふたん』(1973年:池袋シアターグリーン)
- 『須磨の女ともだちへ』(1974年:池袋シアターグリーン)
- 『須磨の女ともだちへ・抄』(1974年:新宿アート・ビレッジ)
- 『アメリイの雨』(1974年:池袋シアターグリーン)
- 『うつせみ』(1979年:品川中村座)
- 『うつせみⅡ』(1980年:池袋シアターグリーン)
- 『水の鏡』(1982年:錬肉工房アトリエ)
- 『まぼろしのまりあんぬのこゑが…』(1984年:錬肉工房アトリエ)
- 『木蓮沼』(1987年:渋谷ジァン・ジァン)
- 『AYAKO SEKIGUCHIのための「姨捨」』(1989年:銕仙会能楽研修所)
- 現代能『水の声』(1990年:銕仙会能楽研修所、1991年:青山円形劇場、梅若能楽学院会館)
- 『井筒・AM BRUNNENRAND』(1992年: 錬肉工房アトリエ)
- 『〈春と修羅〉への序章』(1993年: 錬肉工房アトリエ)
- 現代能『紫上』(1997年:新津市美術館、1998年:国立能楽堂)
- 現代能『無』(1998年: シアターコクーン、イタリア・サンタルカンジェロ演劇祭)
- 『ハムレットマシーン』(1998年: 世田谷パブリックシアター)
- 『K-カフカと恋人たち』(2000年: 韓国・華城国際演劇祭)
- 『カフカ』(2001年: シアタートラム)
- 現代能『ベルナルダ・アルバの家』(2002年: テアトルフォンテ、横浜能楽堂)
- 『ゴドーを待ちながら』(2002年: プロト・シアター)
- 『月光の遠近法』(2005年: 麻布die pratze)
- 『風の対位法』(2006年: 麻布die pratze)
- 『バッカイ』(2010年: 赤坂RED/THEATER)
- 現代能『春と修羅』(2012年: 赤坂RED/THEATER、2018年:d-倉庫)
- 『女中たち』(2012年: シビウ国際演劇祭、モルドバBITEI国際演劇祭、2013年: 座・高円寺2)
- 『オイディプス』(2013年: ストアハウス、2015年: 座・高円寺2)
- 現代能『始皇帝』(2014年: 国立能楽堂)
- 『西埠頭/鵺』(2017年: ストアハウス)
- 『盲人達』(2021年:KAAT神奈川芸術劇場)
著作
[編集]- 編著『錬肉工房・ハムレットマシーン全記録』(2003年: 論創社)
- 『大野一雄・舞踏と生命』(2012年: 思潮社)
- 『「現代能楽集」の挑戦 錬肉工房1971-2017』(2018年: 論創社)
- 共編著(四方田犬彦)『武智鉄二 伝統と前衛』(2012年: 作品社)
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “『新たな経験からの出発(仮) : 1967-1969奈良高校生徒会活動の記録』著者紹介より”. 2024年9月11日閲覧。