山田昌俊
山田 昌俊(やまだ まさとし、1949年 - )は、日本の教育者、学校経営者。初代の才教学園小学校・中学校校長、および学校法人才教学園理事長であった[1]。
来歴
[編集]長野県生まれ[1]。東京都や千葉県で、高校教員として勤務した後、イギリスで日本人学校の開設に関わる[1]。
1989年、松本市に学習塾である開智学園を設立[1][2]。さらに、2000年に設立したNPO法人・児童生徒教育支援協会[1][2]を母体とし、構造改革特区の制度も利用して[3]、2005年に才教学園小学校・中学校を開校した[1][2]。
山田は「子どもにはみな、高い志を育む生命力が備わっている」として「志」を育む「志教育」を提唱し[2]、才教学園においても「世のため人のために生きよう」「自分を犠牲にしてでもやることがある」と教えることを重視した[4]。
2013年8月に、才教学園小学校・中学校における複数の教育職員免許法違反が明らかになった際、山田は記者会見で「優秀な人物である教頭に全て任せていたがチェックが甘かった」と述べ[5]、その後も「小中一貫校だから、いいんじゃないか、と甘い認識だった」、「(8月)21日に県警の家宅捜索を受けて初めて、悪質なことだとわかった」と事態への認識が甘かったことを認めた[6]。山田はこの一件による過労で体調を崩して入院したが、9月2日の始業式には出席し[7]、挨拶の中で「このような事態に陥った責任は、私にあります」と謝罪したという[8]。
同年9月3日の才教学園理事会では、一連の教育職員免許法違反を踏まえ、山田の理事長権限を停止し、理事長代行を置く決定を行なった[9][10]。その後の警察による任意の事情聴取において、山田が違法性の認識があったことを認めたと報じられた[11]。才教学園は、10月11日の理事会で、山田を含む理事全員が退任し、新たに7人の理事会を構成したが、これにより山田は理事長、校長をいずれも退任することとなった[12]。
著書
[編集]- 「志教育」の秘密 : 学力も人間力もぐんぐん伸びる、総合法令出版、2011年
出典・脚注
[編集]- ^ a b c d e f “人物 who's who 学校法人 才教学園 理事長/才教学園小学校・中学校 校長 山田昌俊 (やまだ・まさとし)”. 船井メディア. 2013年9月26日閲覧。
- ^ a b c d 大原圭二 (2013年9月15日). “クローズアップ 才教学園の無資格授業 進学に力点 無理な教員配置”. 読売新聞・東京朝刊・長野: p. 33 - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “県内初の私立小3校、4月開校 英語教育、体験学習など打ち出す”. 読売新聞・東京朝刊・長野: p. 35. (2005年1月5日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 山田昌俊、佐藤剛司「対談 教育こそ日本の未来をひらく~国家百年の道標~」『致知』9月、致知出版社、2013年、2013年9月26日閲覧。
- ^ 池畑聡史、高木潔「「法の知識ない」釈明 違反、のべ64人 才教学園・無免許授業」『朝日新聞・朝刊・長野東北信』2013年8月21日、31面。 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ 佐藤孝之 (2013年8月29日). “「過失」の説明から一転 才教学園前教頭、違法性認識認める 教員免許法違反”. 朝日新聞・朝刊・長野東北信: p. 27 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “県警が才教学園校長聴取 教員免許法違反容疑で”. 読売新聞・東京朝刊・長野: p. 31. (2013年9月20日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 池畑聡史 (2013年9月3日). “音楽講師も免許失効で授業 才教学園、始業式で校長謝罪”. 朝日新聞・朝刊・長野東北信: p. 25 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “才教学園 高校新設申請取り下げへ 校長の理事長権限も一時停止”. 読売新聞・東京朝刊・長野: p. 31. (2013年9月5日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 池畑聡史 (2013年9月5日). “才教学園、高校新設を断念 理事長権限を一時停止”. 朝日新聞・朝刊・長野東北信: p. 25 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “現職教員「裏切られた」 無資格教員配置 才教学園校長違法性認識”. 読売新聞・東京朝刊・長野: p. 33. (2013年9月20日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 佐藤孝之 (2013年10月13日). “才教学園・山田理事長ら退任 信学会から新理事長”. 朝日新聞・朝刊・長野東北信: p. 27 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧