少年刑務所
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
少年刑務所(しょうねんけいむしょ)は、刑務所、拘置所とともに刑事施設の一つである。
法令に違反し、裁判の判決で、刑罰に服することとなった者を収容する。
概要
[編集]男性の少年受刑者を収容し、処遇を行う。女性の少年受刑者は、女性の成人受刑者と同じ施設(女子刑務所)に収容されるため、女子少年刑務所は無い。
少年受刑者を成人受刑者から分離して拘禁し、悪風感染を防止するとともに、特別な教育的処遇を行うことを目的としている。刑事施設であるため、刑務所・拘置所と同様に刑務官、および法務教官が勤務する(少年院は法務教官のみ)。若年者は更生の可能性が比較的高いと考えられているので、成人受刑者に比べて更生させるための処遇を強化している。
少年の刑罰
[編集]- 少年に刑罰を科す場合、長期3年以上の有期の懲役または禁錮を以って処断すべきときは、相対的不定期刑を科すものとされる(少年法第52条1項)。
- また、犯罪を行ったときに18歳未満の者は、死刑が相当とされるときは無期刑に緩和される(同法第51条1項)。
実態
[編集]- 名称本来の意味は、処遇指標がJに該当する20歳未満の少年受刑者を収容するものであるが、処遇指標がYに該当する26歳未満の成人受刑者も受け入れており、実際の被収容者は成人受刑者が大部分を占める。施設によっては26歳以上の受刑者も多く収容されている。2018年には、佐賀少年刑務所内で80歳の受刑者が倒れて死亡した例があった[1]。
- 少年刑務所内では少年受刑者とそれ以外の受刑者は分離収容され、少年受刑者には特別な教育的処遇が行われているほか、成人受刑者にも一般改善指導、特別改善指導などの改善指導が行われている。
施設
[編集]一覧
[編集]全国に6施設ある。
- 函館少年刑務所(北海道函館市金堀町)
- 盛岡少年刑務所(岩手県盛岡市上田字松屋敷)
- 川越少年刑務所(埼玉県川越市南大塚)
- 松本少年刑務所(長野県松本市桐) :施設内に公立中学校がある[2]。
- 姫路少年刑務所(兵庫県姫路市岩端町)
- 佐賀少年刑務所(佐賀県佐賀市新生町)
かつて存在した施設
[編集]- 水戸少年刑務所(茨城県ひたちなか市) : 分類級を変更し「水戸刑務所」に改称。
- 奈良少年刑務所(奈良県奈良市般若寺町): 2017年(平成29年)3月 廃庁。同年4月より京都拘置所の下部機関として奈良拘置支所を同地に設置、未決拘禁者を移管。
- 帯広少年刑務所(北海道帯広市) : 分類級を変更し「帯広刑務所」に改称。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “少年刑務所で「80代受刑者」死亡に驚きの声…知られざる実態”. 弁護士ドットコムNEWS (2018年3月13日). 2018年3月18日閲覧。
- ^ 桐分校-松本市公式ホームページ
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 刑事施設(刑務所・少年刑務所・拘置所) - 法務省