小野ホールディングス
小野ホールディングス株式会社(おのホールディングス)は東京都港区に本社を置いていた日本の企業[1]。純粋持株会社で、小野グループの中核企業であった。
概要
[編集]12社の企業で構成されていた小野グループの中核企業で、本店は東京都に存在するが、実際のグループ本部は福井県福井市にある。
大部分はM&Aによる企業買収を行い企業再生を要請された企業が多いため、業績の良い企業と悪い企業を抱えていた。設立は日本BBSが設立された1963年。当時としては初の外資メーカー扱いとされている。代表は小野光太郎、副代表は長男の小野稔。グループスローガンは「信用とオリジナリティを追求する企業集団」。
1994年2月に長崎屋よりサンクスアンドアソシエイツ(ファミリーマートになった上で解散)を買い取り、持株の50%を保有していたが、1998年10月にユニーに売却している。短期間に売却したのは、当時の橘高隆哉社長のコンビニエンスストアの大手の寡占化による危機感とも、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)の意向があったともいわれている(2002年の財政金融委員会での発言)[2]。
2012年10月26日、大口債権者の福井銀行によりワシ興産、ワシマイヤー、アサヒオプティカルの中核3社について東京地方裁判所に会社更生手続開始の申立てが行なわれた[3][4][5]。2013年1月25日には小野ホールディングス本体も会社更生手続開始決定を受けた。
ワシ興産とワシマイヤーについては前田工繊が、アサヒオプティカルについてはきずなキャピタルパートナーズ(三菱商事の完全子会社)系のファンドMC Creat Investment Limitedと中国のレンズメーカー・上海康耐特光学股份有限公司が、それぞれスポンサーとして選定され[6][7]、2013年9月30日に3社の更生計画が認可[8][9]。同年11月、小野ホールディングスの保有株式は100%減資され、3社は第三者割当増資により、それぞれ前田工繊またはAsahi Lite Holdings Limitedの完全子会社となった[10][11]。
小野ホールディングスについても2013年9月30日に更生計画が認可。今後は清算されることとなる[12]。
2012年時点のグループ企業
[編集]- ワシ興産(アルミ鍛造・軽合金熱処理・不動産業・メッキ)
- ワシマイヤー(糸巻ビーム製造・アルミホイールBBSの日本における製造会社)
- 日本BBS(アルミホイールBBSの販売会社、ワシマイヤーの子会社)
- 浜口通販(衣料品・雑貨品などの通信販売業)
- アサヒオプティカル(プラスティック製品製造)
- カールツァイス小野
- 壽工業(建築用資材・厨房器具資材(不燃ボード)製造販売)
- ドイツBBS(2011年12月31日付で買収[13]。アルミホイールBBSの世界本社)
など
過去のグループ企業
[編集]- サンクスアンドアソシエイツ - 1994〜1998年の間の子会社。
- ニツセキハウス工業 - 住宅メーカー。2002年10月に倒産し、セレコーポレーションに譲渡。
- サンレジャー - レンタルビデオ店の経営。元長崎屋グループ。2005年にTSUTAYAのフランチャイジーに転ずる。現・Vidaway。
- ローヤル電機 - 2012年10月にグループを離脱[14]。
脚注
[編集]- ^ 親会社等状況報告書(内国会社) - 小野ホールディングス・2012年3月30日
- ^ 「福井が誇る小野グループ3社が会社更生手続き入り! ~10年の歳月を経て明るみに出た旧第一勧銀の宿痾」 伊藤博敏「ニュースの深層」 『現代ビジネス』2012年11月1日
- ^ 大型倒産速報 軽合金鍛造業、不動産業 小野グループの中核会社 ワシ興産株式会社など3社 債権者より会社更生手続きを申し立てられる 帝国データバンク 2012年10月26日
- ^ 債権の取立不能のおそれ及び平成25年3月期第2四半期累計期間の業績予想の修正に関するお知らせ 株式会社福井銀行 平成24年10月26日
- ^ 「47NEWS 福井銀行「不正経理」十年見抜けず 小野グループ3社」『福井新聞』 2012年10月27日
- ^ スポンサーの選定について
- ^ スポンサーの選定について
- ^ 更生計画の認可について
- ^ 更生計画の認可について
- ^ 更生会社ワシ興産株式会社及び更生会社ワシマイヤー株式会社の更生計画認可決定の確定、株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ - 前田工繊株式会社
- ^ 更生計画に基づく減増資の完了に関するお知らせ
- ^ インフォメーション
- ^ ドイツBBS社のMotorsport部門の買収及びBBSブランドのレーシングホイール・鍛造ホイール商標権の買収ついて
- ^ ただし資本的には、2013年9月に株式を売却するまで小野ホールディングスが70%弱の株式を保有する筆頭株主だった。