小泉明郎
小泉 明郎(こいずみ めいろう、1976年 - )は、横浜市在住のアーティスト。
概要
[編集]群馬県生まれ、横浜市在住。
国際基督教大学卒業後、ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで映像を学んだ。
集団と個人、歴史と記憶、トラウマと身体、無意識と意識などの関係を探究した映像インスタレーションを多数発表している。その他、近年ではテクノロジーによってもたらされる未来の人間を描いたVR作品のほか、ドローイングやコラージュ作品など幅広くアート作品を生み出している。
2005年よりオランダ・アムステルダムのライクスアカデミーに滞在し、2年間制作活動を行う。
13年には日産アートアワード2013ファイナリストにノミネートされた。[1]
アーツ前橋にて、初の公立美術館個展「小泉明郎 捕われた声は静寂の夢を見る」(2015)開催。
16年には天皇の肖像を扱った連作『空気』を制作したが、「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」展(東京都現代美術館)で出品不可となったことが話題を集めた。同作品は、美術館近隣のアートギャラリー、無人島プロダクションにて展示された。[2]
17年には国家主義を作家本人の個人史に引き寄せた映像作品《夢の儀礼─帝国は今日も歌う─》を発表。
19年、あいちトリエンナーレ「情の時代」での「表現の不自由展・その後」展示中止に対して再開を呼びかける「ReFreedom_Aichi」を、他の参加作家らとともに立ち上げる。
21年にALS患者である武藤将胤との共作VR作品「縛られたプロメテウス」が文化庁メディア芸術祭アート部門で大賞を獲得。[3]
23年にVR三部作である「プロメテウス三部作」を完成させ、ドイツのフランクフルト・オッフェンバッハ開催された「世界演劇祭」にて発表する。[4]
受賞
[編集]20年にタカシマヤ文化基金美術賞を受賞。
21年に国際的な芸術賞であるArtes Mundi賞(英・カーディフ)を日本人としては初めて受賞する(他の五人のショートリスト作家と共同受賞)。同受賞展における展示は、英国ガーディアン紙にて「小泉作品はArtes Mundiにおいて他の作品を圧倒した。目を逸らしたくても、目を逸らすことができない。私はこの衝撃的な作品の前に長時間立ち尽くし、そしてまだそこから抜け出すことができていない」と評される。[5]
展示
[編集]- 「MAMプロジェクト 009:小泉明郎」(森美術館、東京、2009)
- 「Project Series 99: Meiro Koizumi」(ニューヨーク近代美術館、2013)
- モントリオール・ビエンナーレ(2016年)
- 「帝国は今日も歌う」(VACANT、東京、2017)
- 「前橋の美術2017 - 多様な美との対話 -」(アーツ前橋、群馬、2017)
- 上海ビエンナーレ(2018年)
- 「バトルランズ」(Perez Art Museum、マイアミ、2018年)
- あいちトリエンナーレ(2013年、2019年)
- シャルジャ・ビエンナーレ(2019年)
- 「前橋の美術2020 - トナリのビジュツ - 」(アーツ前橋、群馬、2020)
- 光州ビエンナーレ(2023年)
作品収蔵先
[編集]- ニューヨーク近代美術館(ニューヨーク)
- テイト・モダン(ロンドン)
- 国立近代美術館(東京)
- 東京都現代美術館(東京)
- 国立国際美術館(大阪)
- アーツ前橋(群馬)
- ステディック美術館(アムステルダム)
- M+(香港)
経歴
[編集]2005-2006 ライクスアカデミー、アムステルダム
1999-2002 ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン卒業(美術学士号)
1995-1999 国際基督教大学教養学部卒業(教養学士取得)[6]
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]脚注
[編集]- ^ “小泉明郎 - 美術手帖”. 2022年2月11日閲覧。
- ^ “[https://bijutsutecho.com/magazine/review/315 椹木野衣が見た、 小泉明郎の個展「空気」]”. 2023年9月28日閲覧。
- ^ “第24回 アート部門 大賞 縛られたプロメテウス”. 2023年9月28日閲覧。
- ^ “Theater Del Welt 2023” (英語). 2023年9月28日閲覧。
- ^ “Artes Mundi 9 review – wide-ranging show dominated by one devastating work” (英語). 2023年9月28日閲覧。
- ^ “MUJIN-TO Production » 小泉明郎”. 2022年2月11日閲覧。