小杉湯
小杉湯(こすぎゆ)は、東京都杉並区高円寺にある1933年(昭和8年)創業の銭湯。2020年8月には、国の登録有形文化財に登録された[1][2]。
概要
[編集]創業は1933年。2016年からは3代目の平松佑介が引き継いだ。浴槽として名物ミルク風呂、週替り・日替り風呂、水風呂があり、温冷交互浴にも対応している。営業開始前にはヨガ、ピラティス教室も行っている[3]。
浴槽が観客席になる「踊る銭湯」や「銭湯フェス」などのイベントを定期的に開催。入浴以外の目的でも楽しんでもらうことで、客層を広げた[4]。全国各地の生産者や小売店とコラボレーションして、さまざまな物販もおこなっている[5]。番頭には「銭湯図解」を生み出したイラストレーターの塩谷歩波などがいる[6]。
2020年3月には隣接するアパートを改築し、会員制のシェアスペース「小杉湯となり」をオープン。
2024年4月17日、渋谷区の商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」地下1階に、銭湯「小杉湯原宿」がオープン[7][8]。
小杉湯となり
[編集]『小杉湯となり』は3階建てで、1階はキッチン設備のある飲食スペース、2階は電源やプリンターが用意されて作業が可能な書斎スペース。3階はベランダが付いた六畳一間で、個室として利用できる[9]。2021年3月には、築88年の古民家をリノベーションし「小杉湯となり-はなれ」をオープンした[10]。
主なイベント
[編集]- 銭湯ぐらし(2017年3月〜2018年2月) 「小杉湯」の隣にあった解体を控えた風呂なしアパートを舞台に、多様なクリエイターが共にくらし、実験的な取り組みを通して銭湯を活用した事業や、銭湯が日常にあるくらしについて取り組んだプロジェクト。
- いどばたアート in 小杉湯[11](2018年8月2日)
「触れるアート、話せる空間」をテーマに、発泡ビーズが入った銭湯の浴槽に着衣のまま入浴するアートコンテンツを用意。参加者同士がコミュニケーションできる空間を演出。特殊加工され静電気の発生を防ぐパウダービーズを使用した「ビーズ風呂」をはじめ、1人でも気軽に楽しめる「ぼっち湯」や、外観と浴槽内のライティングが変わり特別ドリンクが提供される「風呂BAR」、食べながらくつろげる「ビーズクッションブース」、かき氷の専門店「かき氷Lounge」の出店などが用意された。
- 小杉湯フェス[12](2018年11月23日)
- 出張OFF呂会 ~ 高円寺編〜(2019年9月7日)
- URBAN SENTO [13](2020年3月)ファッションブランド「アーバンリサーチ」とコラボした座談会やコラボ商品開発などを行った。
脚注
[編集]- ^ 高円寺・小杉湯 国の登録有形文化財に 東京型銭湯 関東大震災の復興の産物(東京新聞 2021年2月3日)
- ^ “東京・高円寺の「小杉湯」 国の登録有形文化財に”. 日本経済新聞. (2021年1月14日) 2021年2月11日閲覧。
- ^ “第24回 平松茂(銭湯「小杉湯」二代目) 裸と笑顔とぬくもりで心を豊かに。銭湯暮らしは、地域も幸せにする|大人未来 オトナが語る大人未来のメディアサイト”. 大人未来 オトナが語る大人未来のメディアサイト. 2021年2月14日閲覧。
- ^ “なぜ高円寺の銭湯「小杉湯」はずっと人気店でいられるのか (1/3ページ)”. ダイヤモンド・オンライン. 2021年2月11日閲覧。
- ^ “なぜ高円寺の銭湯「小杉湯」はずっと人気店でいられるのか (3/3ページ)”. ダイヤモンド・オンライン. 2021年2月11日閲覧。
- ^ “「今日は寒いね」から人生変わった 「銭湯図解」を生み出した塩谷歩波さん”. 朝日新聞デジタル&w(アンド・ダブリュー). 2021年2月11日閲覧。
- ^ “原宿の商業施設に“街の銭湯”をつくる小杉湯が原宿の街と歩み出す、新たな100年のはじまり|GREEN MAGAZINE|会社情報|東急不動産”. 東急不動産|環境とともに、街とともに。. 2024年3月20日閲覧。
- ^ “原宿「ハラカド」に銭湯施設 4月オープン、交流促す:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2024年3月20日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2020年11月26日). “「銭湯のある暮らし」を伝える会員制スペース、小杉湯の隣にある「家のような拠点」 ~ 高円寺「小杉湯となり」【甲斐祐樹の Work From ____ :第4回】”. INTERNET Watch. 2021年2月12日閲覧。
- ^ “小杉湯となり1周年!「小杉湯となり-はなれ」をオープンし、新規会員さんを募集します。|銭湯ぐらし|note”. note(ノート). 2021年4月10日閲覧。
- ^ FASHIONSNAP.COM (2018年6月12日). “着衣のまま入れる"混浴アートイベント"が高円寺の小杉湯で開催、風呂BARやビーズ風呂も”. FASHIONSNAP.COM [ファッションスナップ・ドットコム]. 2021年2月13日閲覧。
- ^ “いざ2018年。だけど、「小杉湯フェス」の興奮が醒めなくて。”. 読みもの. 2021年2月12日閲覧。
- ^ “湯ったり「余白のあるくらし」 URBAN SENTO<前編>”. URBAN RESEARCH MEDIA. 2021年2月14日閲覧。
関連項目
[編集]登録有形文化財に登録されているその他の銭湯(風呂屋)
- 源ヶ橋温泉(大阪市生野区林寺、1998年登録/※2020年廃業)
- 船岡温泉(京都市北区紫野南舟岡町、2003年登録)
- 燕湯(東京都台東区上野、2008年登録)
- 大社湯(鳥取県倉吉市新町、2010年登録/※2022年廃業)
- 一乃湯(三重県伊賀市上野西日南町、2013年登録)
- 今治ラヂウム温泉(愛媛県今治市共栄町、2016年登録/※現在休業中)
- 若の湯(京都府舞鶴市本、2018年登録)
- 稲荷湯(東京都北区滝野川、2019年登録)
- 日の出湯(京都府舞鶴市西吉原、2021年登録)
外部リンク
[編集]座標: 北緯35度42分29.1秒 東経139度38分55.8秒 / 北緯35.708083度 東経139.648833度