小川裕充
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小川 裕允(おがわ ひろみつ、1948年10月 - 2019年12月28日)は、日本の美術史家。東京大学名誉教授。
人物
[編集]- 中国絵画史研究者として、山水画における構成の伝承、古代中世の東アジア絵画史などを研究する傍ら、中国絵画の写真資料収集などを手掛け、ヨーロッパ、カナダ、アメリカ、日本に所在の中国絵画について現地調査を行う。
- 1982年に着任した東北大学の東洋・日本美術史研究室時代から、数十年かけ『中国絵画総合図録』・『同 続編』・『同 第三篇』(東京大学出版会)の編集に当たった。
- 東京大学東洋文化研究所・東アジア研究部門で、東洋学研究情報センター長ほかを務め、学部・大学院にて「中国絵画史研究」および「東洋美術史演習」の講座をもった。
履歴
[編集]- 1967年 大阪市出身で大阪府立高津高等学校卒業
- 1973年 東京大学教養学部卒業
- 1977年 東京大学文学部大学院修士課程修了
- 1979年 東京大学文学部、同・東洋文化研究所 研究助手
- 1982年 東北大学文学部 東洋・日本美術史研究室 助教授
- 1987年 東京大学東洋文化研究所 助教授
- 1992年 東京大学東アジア美術史講座の4代目教授(前任は戸田禎佑)に就任。
- 2000-2002年 美術史学会の代表委員。
その間、ハイデルベルク大学客員教授、北京日本学研究センター客員教授を歴任している。 - 2012年 東京大学を定年退任した(後任は板倉聖哲[1])。
所属学会
[編集]著作
[編集]- 『臥遊 中国山水画-その世界』(中央公論美術出版、2008年10月)、集大成の大著
- 編著・共編
- 中国の花鳥画と日本 (戸田禎佑共編、花鳥画の世界10:学習研究社、1983年)
- 故宮博物院 (全15巻、監修:板倉聖哲、宮崎法子共著、日本放送出版協会、1997年)
- 1.南北朝~北宋の絵画、2.南宋の絵画、3.元の絵画、4.明の絵画、5.清の絵画を担当
- 五代・北宋・遼・西夏(弓場紀知共編・解説、世界美術大全集東洋編5 小学館、1998年)
- 東京大学東洋文化研究所編 『アジア学の将来像』(東京大学出版会、2003年)の一篇
- 書画のアジア 彫刻のアジア 建築のアジア 美術のアジア―アジア美術とアイデンティティー 序説
- 中国絵画総合図録 続編(全4巻:戸田禎佑共編、東京大学出版会、1998-2001年)
- ※正編(全5巻:鈴木敬編、1982-1983年)にも参与。正式な表記は各「中國繪畫總合圖録」
- 1.アメリカ・カナダ篇、2.アジア・ヨーロッパ篇、3.日本篇、4.総索引・目録
- 中国絵画総合図録 三編(全6巻:板倉聖哲共編、東京大学出版会、2013-2020年)- ※各・大著
- 1.アメリカ・カナダ篇Ⅰ、2.アメリカ・カナダ篇Ⅱ、3.ヨーロッパ篇、4.アジア・オセアニア、5.日本篇、6.総索引・目録
脚注
[編集]- ^ 板倉聖哲『小川裕充先生追悼』 -『東方學 145号』に収録(東方学会、2023年1月)