小坂井敏晶
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小坂井 敏晶(こざかい としあき、1956年 - )は、日本の社会心理学者、パリ第8大学心理学部准教授。
フランスの大学に学び博士号を取得、在仏し社会心理学を研究。新たな視点での日本人論、共同体論を構築する。著書に『民族という虚構』(2002年)、『人が人を裁くということ』(2011年)などがある。
来歴
[編集]愛知県生まれ。名古屋の高校から2浪して1977年に早稲田大学文学部に入る。高校時代から陸上ホッケーに熱中し、ホッケーをやるため大学に入ったが日本代表選手になれず、次の目標を見つける目的で1978年から1979年にかけてユーラシア大陸を放浪。1979年から1980年にかけて、日仏技術通訳としてアルジェリアに滞在。1981年、大学を除籍となり渡仏。カーン大学歴史学部で学んだ後、1994年、社会科学高等研究院修了、社会心理学博士。高等研究院ではセルジュ・モスコヴィッシに師事。1994年、フランス国立リール第三大学准教授、2002年パリ第8大学に異動。2022年退官。パリ西郊外サンジェルマン・アン・レー在住。
著書
[編集]- Les Japonais sont-ils des Occidentaux? Sociologie d'une acculturation volontaire, L'Harmattan, 1991
- 『異文化受容のパラドックス』朝日新聞社・朝日選書 1996
- L'étranger, l'identité. Essai sur l'intégration culturelle, Payot, 2000(イタリア語訳:Lo straniero, l’identità. Saggio sull’integrazione culturale, Borla, 2002)
- 『民族という虚構』東京大学出版会 2002(韓国語訳2003、台湾語部分訳)。増補版 ちくま学芸文庫 2011
- 『異邦人のまなざし 在パリ社会心理学者の遊学記』現代書館 2003
- 『責任という虚構』東京大学出版会 2008。増補版 ちくま学芸文庫 2020
- 『人が人を裁くということ』岩波新書 2011
- 『社会心理学講義 <閉ざされた社会>と<開かれた社会>』筑摩書房・筑摩選書 2013
- 『答えのない世界を生きる』祥伝社 2017 (韓国語訳2018)
- 『神の亡霊 近代という物語』東京大学出版会 2018
- 『格差という虚構』ちくま新書 2021
- 『矛盾と創造――自らの問いを解くための方法論』祥伝社 2023
執筆分担
[編集]- "Histoire d’un monde lointain", in J. Pérez Siller (Ed), La "Découverte" de l’Amérique? Les regards sur l’autre à travers les manuels scolaires du monde, L’Harmattan/Georg-Eckert-Institut, 1992.
- "Les regards sur l’Autre : esquisse d’atlas des discours scolaires" (avec J. Pérez Siller), in J. Pérez Siller (Ed), La "Découverte" de l’Amérique?, op. cit.
- "Où est la mémoire collective ? Réflexion sur le statut ontologique du phénomène collectif" in S. Laurens & N. Roussiau (Eds). La mémoire sociale. Identités et représentations sociales, Presses Universitaires de Rennes, 2002.
- 「開かれた国家理念が秘める閉鎖機構 フランス同化主義をめぐって」、石井洋二郎/工藤庸子編『フランスとその<外部>』東京大学出版会、2004年。
- "Conformisme" in S. Mesure & P. Savidan (Eds), Le dictionnaire des sciences humaines, PUF, 2006.
- "Moral responsibility and social fiction" in T. Sugiman, K.J. Gergen, W. Wagner, Y. Yamada (Eds), Meaning in Action. Constructions, Narratives, and Representations, Springer, 2008.
- 「近代という物語 人の絆は合理的に構築できるか」、宇野重規編『つながる 社会的紐帯と政治学』風行社、2010年。
- "Crime et châtiment: péché originel de la société humaine" in S. Delouvée, P. Rateau, M.-L. Rouquette (Eds), Les peurs collectives. Perspectives psychosociales, Erès, 2013.
- 「窓際族の矜持」、『私の「貧乏物語」 これからの希望をみつけるために』岩波書店、2016年。
参考
[編集]- 『異邦人のまなざし』(半自伝)
- 日本人としての「常識」からどれだけ距離を置けるのか? OVNI
- 講演「教育という虚構」https://www.youtube.com/watch?v=7jlqCjHi8Yo