審判 (1963年のラジオドラマ)
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『審判』(しんぱん)は、安部公房脚本のラジオドラマ。西村晃主演で1963年(昭和38年)11月24日(日曜日)に文化放送「現代劇場」で放送された。放送時間は18:00 - 18:30。乗船して取材した船員たちの声や航海の音に台詞を加えて、ドキュメンタリータッチで構成された作品である。昭和38年度芸術祭ラジオ部門参加作品。脚本テキストは、1970年(昭和45年)6月5日に大光社より刊行された[1]。
あらすじ
[編集]汽船・ホーアン丸と汽船・トーコー丸の衝突事件、ならびに汽船・第三ワカバ丸の安全阻害事件の裁判の審判が、審判官・神山伸一から言い渡された。受審人・木村修一船長は、事件の回想をする。
その日、昭和38年9月6日、台風が近づいてきていたが、会社は出航をおくらせると損失がかかるので、再三出航の見込みを船長に問い合わせていた。台風の進路がまだ定かではなかったので、出航の見きわめは難しかった。来年停年となる船長は今まで二度、出航用意を取り消したことがあったが、台風が進路を変えて取り越し苦労だったことがあった。
今回船長は、間抜けな臆病者と思われたくない気持もあって出航を指令した。二等航海士のミスで接続ピンの確認に手間どり、やや遅れてホーアン丸は横浜港を出航した。航路は混んでいた。小さな汽船・第三ワカバ丸の横切りにより進路を狂わされたホーアン丸は、狭い通路を進んでいたが、停泊船の影からやって来た大型船と衝突してしまう。衝突までの間、船長の脳裡には自分の責任の所在のことなどが様々に錯綜する…。
スタッフ
[編集]キャスト
[編集]ほか
初版刊行本
[編集]『現代文学の実験室1 安部公房集』(大光社、1970年6月5日)
脚注
[編集]- ^ 「作品ノート17」(『安部公房全集 17 1962.11-1964.01』)(新潮社、1999年)
参考文献
[編集]- 『安部公房全集 17 1962.11-1964.01』(新潮社、1999年)