宮崎祥司
宮崎 祥司(みやざき しょうじ、1963年12月16日 - )は、三重県津市出身[1]の元オートバイ・ロードレース選手。1988年・1991年の全日本ロードレース選手権TT F1クラスチャンピオン[2]。国際A級通算9勝。
経歴
[編集]キャリア初期
[編集]鈴鹿サーキットから近い津市出身。少年時代からサーキットへ観戦に行っており、中学時代は星野一義ファンだった。高校卒業後、鈴木自動車にテストライダーとして入社。1983年にプライベーターとして全日本ロードレース選手権のノービス125ccクラスに参戦を開始、チャンピオンとなった鈴鹿レーシングの吉田健一に2ポイント及ばずランキング2位となるが、同クラスシーズン最多勝となる3度の優勝を挙げる。同クラスには清水雅広(ランキング4位)も参戦しており、ノービスデビュー同期である[3]。
スズキ
[編集]1985年、スズキの社内チーム「浜松チーム・タイタン」よりA/B級混走のTT F3クラスを走り、B級ランキング7位となる[4]。
1986年、国際A級昇格と同時にヨシムラ入りし、スズキのレーサーグループに籍を置く。TT F3クラスをメインに、シーズン前半はTT F1クラスにも参戦。TT F1開幕戦で3位表彰台に立ち、F3第6戦筑波でポールポジション獲得など早々にトップ集団の一員となり、TT F3クラスランキング5位となった。シーズン終了後の10月5日にスポーツランドSUGOで開催された「TBCビッグロードレース」のTT F1クラスでは、WGP500参戦中の元250cc世界王者クリスチャン・サロン(ヤマハ)を抑えてポールポジションを獲得。決勝レースではサロン、ケビン・マギーに続く3位に入り、日本人トップの成績でシーズンを締めた[5]。
ブルーフォックス
[編集]1987年、チーム・タイタンの先輩・岩崎勝が監督するチーム・ブルーフォックスに移籍、マシンをこれまでのスズキ・GSXからホンダ・RVFにスイッチしTT F1クラスに参戦。移籍初年度からホンダ・RVFにフィットすると、コンスタントに表彰台フィニッシュを続けランキング2位を獲得。8月30日にSUGOで日本ラウンドが開催された「ポカリスエット'87TTフォーミュラ世界選手権第6戦」では、ケビン・マギー(ヤマハ・YZF)、マイケル・ドゥーハン(ヤマハ・FZR)といった強豪を抑えポールポジションを獲得した[6]。
翌1988年には7月17日全日本第10戦SUGO大会で待望のA級昇格後初優勝を挙げ、シーズンを通して常にトップ争いに加わる。同年の全日本TT F1クラスのシリーズチャンピオンを獲得し、創設3年目のブルーフォックスに初の全日本タイトルをもたらした。鈴鹿8時間耐久ロードレースでは、1989年・1990年大会と2年連続で大島正とのコンビで2位表彰台を獲得。1991年にはTT F1クラス2度目のシリーズチャンピオンを獲得と好成績を維持し続け、日本のトップライダーとして輝かしいキャリアを築いた[7]。
カワサキ
[編集]1992年よりカワサキ・Team Greenに移籍、カワサキ・ZXR750 (ZXR-7)の開発陣に加わる[8]。1994年まで全日本スーパーバイククラスに参戦した。
引退後
[編集]ホンダレーシングスクール鈴鹿 (SRS)の2輪部門講師を務める[9][10]。
ロードレース現役時代からラジコンカー熱が高いことで知られていたが、ワークスレーサー引退後は本格的にラジコンレースに参戦し好成績を挙げている[11]。2014年までは鈴鹿市内で本格的なレース用設備も準備された自らのショップ「ラジコンカーの店ミヤザキ」を経営[12]。定期的に開催されるレースイベント運営もしていた[13]。
レース戦歴
[編集]全日本ロードレース選手権
[編集]年 | チーム | マシン | 区分 | クラス | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1983年 | ワンダーラビット・レーシングチーム | ホンダ・RS125R | ノービス | 125cc | TSU |
SUZ 1 |
TSU |
SUG |
SUZ |
TSU 1 |
SUG 1 |
SUZ 1 |
2位 | 60 | |||||
1985年 | 浜松チームタイタン | スズキ・GSX-R400 | 国際B級 | TT F3 | TSU |
SUZ |
TSU |
SUG |
SUZ |
TSU 9 |
SUG 5 |
TSU C |
SUG 2 |
SUZ 2 |
7位 | 55 | |||
1986年 | ヨシムラMOTUL | スズキ・GSX-R400 | 国際A級 | - | SUG Ret |
SUZ 2 |
TSU 6 |
SUG 4 |
- | TSU 3 |
TSU Ret |
SUG Ret |
SUZ 3 |
5位 | 73 | ||||
スズキ・GSX-R750 | TT F1 | SUZ 3 |
SUG - |
SUZ - |
- | SUG 2 |
SUZ Ret |
TSU - |
TSU - |
SUG - |
SUZ - |
11位 | 32 | ||||||
1987年 | KENWOODブルーフォックス | ホンダ・RVF750 | SUZ 6 |
SUZ 2 |
SUG 2 |
SUZ 3 |
TSU Ret |
SUG 4 |
SUG 2 |
SUZ 7 |
TSU 2 |
2位 | 118 | ||||||
1988年 | an teamブルーフォックス | ホンダ・RVF750 | SUZ 2 |
SUZ 2 |
SUG 1 |
SUZ 3 |
SUG 3 |
TSU 6 |
1位 | 97 | |||||||||
1989年 | ホンダ・RVF750 | SUZ 1 |
SUZ 4 |
TSU 4 |
SUZ 5 |
SUG 1 |
SUZ 1 |
SUG 7 |
TSU 3 |
2位 | 124 | ||||||||
1990年 | ホンダ・RVF750 | SUZ 3 |
SUZ 1 |
SUZ 3 |
TSU Ret |
SUG 1 |
SUZ 1 |
SUG 1 |
TSU DNS |
2位 | 110 | ||||||||
1991年 | ホンダ・RVF750 | SUZ 2 |
SUZ 2 |
SUG 1 |
SUZ 4 |
TSU 4 |
SUG 3 |
MIN 5 |
SUZ 3 |
SUG 2 |
TSU 11 |
1位 | 146 | ||||||
1992年 | Team K.R.T (Team Green) |
カワサキ・ZXR750R | MIN C |
TSU |
SUG |
SUZ |
TSU |
SUZ |
SUG |
FSW |
SUZ |
SEN |
SUG 9 |
TSU Ret |
22位 | 7 | |||
1993年 | T.K.R.D | カワサキ・ZXR750R | SUZ |
MIN |
SUG |
TSU |
SEN C |
SUZ |
SUG |
FSW |
SUZ 12 |
TSU |
SUG |
TSU |
30位 | 4 | |||
1994年 | カワサキ・ZXR750R | SB | SUZ 5 |
MIN |
SUG |
TSU |
FSW |
SUZ |
SUG |
SUZ1 |
SUZ2 13 |
TIA |
SUG1 12 |
SUG2 15 |
TSU |
21位 | 15 |
鈴鹿8時間耐久ロードレース
[編集]年 | チーム | ペアライダー | 車番 | マシン | 予選順位 | 決勝順位 | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1986 | ヨシムラMOTUL | 大島行弥 | 30 | スズキ・GSX-R750 | 8位 | 10位 | 186 |
1987 | KENWOOD ブルーフォックス | 阿部直人 | 46 | ホンダ・CBR750 | 23位 | 36位 | 115 |
1988 | ファミリーマートホンダ with an ブルーフォックス | 黒川武彦 | 39 | ホンダ・RVF750 | 4位 | Ret | 51 |
1989 | an teamブルーフォックス | 大島正 | 46 | ホンダ・RVF750 | 8位 | 2位 | 201 |
1990 | 大島正 | 16 | ホンダ・RVF750 | 7位 | 2位 | 203 | |
1991 | 岩橋健一郎 | 16 | ホンダ・RVF750 | 3位 | 10位 | 183 | |
1996 | Team IWAKI K's Garage | 鶴田竜二 | 106 | カワサキ・ZX-7RR | 18位 | Ret | 112 |
2014 | Winner Z-TECH & NCXXグループ | 國松俊樹 吉田忠幸 |
20 | スズキ・GSX-R1000 | 55位 | 21位 | 162 |
脚注
[編集]- ^ ライダー紹介2014 WINNER Z-TECH & NCXXX Group (2014年7月)
- ^ 歴代チャンピオン国際A級TT F1 MFJ日本モーターサイクルスポーツ協会
- ^ 1983年全日本ロードレース選手権・全記録 『ライディング No.163』MFJ日本モーターサイクルスポーツ協会 1984年1月1日 20-21頁。
- ^ 「Data File 国際A級F3 宮崎祥司」『サイクルワールド11月号増刊 GRAND PRIX SCENE 1986』CBS・ソニー出版 1986年11月20日 195頁。
- ^ 「1986TBC BIGロードレース F-1 Class」『サイクルワールド11月号増刊 GRAND PRIX SCENE 1986』CBS・ソニー出版 1986年11月20日 178-179頁。
- ^ 4万8千の大観衆日本初のTTF1世界選手権を堪能! 『ライディング No.212』日本モーターサイクルスポーツ協会 1987年10月1日、38-41頁。
- ^ MFJグランプリの歴史を彩った伝説のライダーが鈴鹿に集結!各年代を代表する名ライダーが往年の懐かしい走りを披露 MFJ SUPERBIKE (2018年10月13日)
- ^ 鈴鹿8耐カワサキ編-01『ヤングマシン編集部』内外出版社 (2019年7月23日)
- ^ 講師紹介 鈴鹿サーキット
- ^ 2023年度HRS鈴鹿修了記念走行および修了式・交流会 ホンダレーシングスクール鈴鹿事務局 (2023年12月)
- ^ ヒストリー1990いよいよチャンピオンに ヤマモトレーシング 年月日
- ^ 「月刊鈴鹿なう!」鈴鹿でラジコンカーを楽しもう!「ラジコンカーの店ミヤザキ」 三重県鈴鹿の地元から、楽しいイベント、おいしいお店情報・鈴鹿なう! (2012年7月25日)
- ^ ケーブルネット鈴鹿に宮崎祥司さん登場 レーシングアナウンサー辻野ヒロシOfficialBlog (2011年10月15日)
外部リンク
[編集]- 宮崎祥司 (@teammiyazakis) - X(旧Twitter)
- 宮崎祥司 (shoji.miyazaki.3) - Facebook
タイトル | ||
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先代 大島行弥 |
全日本選手権TT-F1 チャンピオン 1988 |
次代 ダグ・ポーレン |
先代 岩橋健一郎 |
全日本選手権TT-F1 チャンピオン 1991 |
次代 塚本昭一 |