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室傍核

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
脳: 室傍核
間脳視床下部の位置関係、"Hypothalamus"が視床下部。室傍核はこの視床下部の内側部に位置する
ヒトの脳の視床下部周辺の冠状断。画像右端の3Vと書かれた所が第三脳室。そのすぐ脇にあるPVNと書かれた灰色の部分が室傍核。SONと書かれた視索上核にも見える黒い細かい点はバゾプレシンニューロン。
名称
日本語 室傍核
英語 Paraventricular hypothalamic nucleus
ラテン語 nuclei paraventricularis hypothalami
略号 PVN, Pa
関連構造
上位構造 視床下部
関連情報
NeuroNames 関連情報一覧
NIF 総合検索
MeSH Paraventricular+Hypothalamic+Nucleus
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室傍核(しつぼうかく、Paraventricular hypothalamic nucleus, PVN)とは、間脳視床下部を構成する神経核の1つである。視床を構成する視床亜核群の一つである視床室傍核(Paraventricular nucleus, PV)と混同しやすいが、別物である。

概要

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室傍核には神経分泌ニューロンが含まれている。この核の外側の大細胞性領域には、神経ホルモンであるバゾプレシンあるいはオキシトシンを含む神経分泌ニューロンの細胞体がある。そこからニューロンは軸索を伸ばし、軸索末端脳下垂体後葉に投射して、毛細血管にそれぞれのホルモンを分泌している。一方、室傍核内側の小細胞性領域には副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンCRHと呼ばれる副腎皮質刺激ホルモンの分泌促進因子)という神経ホルモンを分泌する神経分泌ニューロンの細胞体があり、この軸索末端は正中隆起に投射し毛細血管に神経分泌されている。血管に分泌されたCRHは下垂体門脈を通って脳下垂体前葉に作用して副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌させる。

シナプス入力

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ラットの室傍核の小細胞性神経分泌ニューロンは、副腎皮質刺激ホルモンを分泌させる肉体的ストレスにより興奮する。たとえば痛み(皮膚を抓ったりキャプサイシンを皮下投与)や脱血によって、一過性に発火頻度が上昇する[1]。 またやはり心理的ストレスによっても興奮する。たとえばコレシストキニン(CCK8)は不安を引き起こし副腎皮質刺激ホルモンを分泌させる事が知られているが、CCK8の腹腔投与で小細胞性神経分泌ニューロンの発火頻度を上昇させる[2]。従って視床下部室傍核の小細胞性神経分泌ニューロンがハンス=セリエのいうストレス反応をになっている。 つぎに室傍核を制御する高次の脳として、最近小脳が知られている。小脳室頂核挿入核から投射している。

大細胞性神経分泌ニューロンについては、バゾプレシンとオキシトシン分泌ニューロンは視索上核のそれぞれと同じ発火パタンを示す。

画像

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参考文献

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  1. ^ HAMAMURA M, ONAKA T and YAGI K. (1986) Parvocellular Neurosecretory Neurons: Converging Inputs after Saphenous Nerve and Hypovolemic Stimulations in the Rat The Jap J Physiol 36(5);921-933*[1]
  2. ^ Leng G et al. (1993) Inputs from the nucleus tractus solitarii to the magnocellular neurosecretory system. Reg Peptides 45(1-2);103-107*[2]