実空間法
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これに対し、通常のバンド計算では、周期的境界条件の下に、逆格子空間での計算を必要とする[1]。
利点
[編集]実空間法には次のような利点が存在する。
- 実空間のみで計算が行われるので、FFT(高速フーリエ変換)による計算を必要としない。FFTの計算部分は並列化が難しく、これを使用しないことは計算を並列化する上で有利となる。
- 境界条件を自由に設定でき、周期的境界条件に縛られない。したがって電場のような外場を課した系に対しての電子状態計算も、外場に細工することなし[2]に可能となる。
脚注
[編集]- ^ バンド計算において、電子間のクーロン相互作用によるクーロン項(ハートリー項)の計算は、逆格子空間で計算する場合、畳み込みの形にでき、この場合、FFTを利用して高速な計算ができる。実空間では、ポアソン方程式を解いて求めるが、逆格子空間における場合よりも多くの計算量を要する。
- ^ 周期的境界条件を前提とした、通常のバンド計算で電場のような外場を扱う場合は、電場(外場)の形をのこぎり状に変形し(無限の電場の傾きを周期的境界条件下では実現できないため)、無理に周期系でも矛盾が生じないようにさせて計算を行う。このため計算の信頼性が、外場のないバンド計算の場合より落ちてしまう。