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安東茂樹 (教育学者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

安東 茂樹(あんどう しげき、1950年 - )は、日本の教育者、教育学者。博士(教育学)[1]

文部科学省検定教科書執筆者の一人。

経歴

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人物・業績

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人物

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1950年兵庫県明石市生まれ[4]。大阪教育大学卒業後、中学校教員として勤務。テニス部を指導した。学校教員生活が長く、本格的な研究活動に入ったのは40才代から[5][6]であることから実務経験による研究内容や成果が多く、本人も「日々の仕事に邁進する先に研究がある。」と言っている[7]

文部科学省学習指導要領中学校技術作成協力者(主査)、大学設置・学校法人審議会専門委員、日本産業技術教育学会会長などを歴任。技術科教育における日本の指針を示し[4]2017年現在、広島国際学院大学教授[3]、明石市教育委員会社会教育委員、明石市教育委員会市立学校通学区域審議会委員などを務めている[8]

業績

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技術科教育法[9]と教材開発が専門である。学位(博士)は教材開発に係る研究で芦屋大学から授与されている[10]

研究では常に学校現場との連携を大切にし「生き生きとした子どもの姿」を浮き彫りにする実践的・実証的研究に取り組んでいる[11]

日本の中学校での成績評価方式が相対評価方式から観点別絶対評価方式に移行するにあたり、中学校技術科における評価基準と判定基準をまとめた[12]

自らの阪神淡路大震災の被災経験から東日本大震災後、水谷好成を代表とする研究に研究分担者として参加、ものづくり経験は達成感を与え自己肯定感を育成できる復興を支える人材育成教育として有用であると結論付けた[13][14]

また安東が教材として研究、教科書に掲載した代表的な教材にはブリキ製(授業実践では入手容易なトタンで作られる)の「ポンポン船」がある[15]

2017年に、2021年完全実施の新中学校学習指導要領の内容、中学校から高等学校への系統的な学びの要求を受け、日本のどの高等学校にも教科として存在しないことから、従来、高等学校教育との連携が図られていなかった中学校の技術科を高等学校の各教科と関係させる、おそらくは日本で初となる試み[16]に、独自の手法で成功した[17]

受賞

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  • 1991年 日本産業技術教育学会 奨励賞。
  • 2012年 日本産業技術教育学会 功績賞[1]

著作等

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  • 『技術科教育はなぜ必要か-人を育て文化を築く「ものづくり」-』 単著 竹谷出版 2014年9月。
  • 『技術・家庭技術分野』文部科学省検定教科書 共著 開隆堂 2016年2月他。
  • 『新中学校技術科題材集&授業 : 生徒の感動や成就感をはぐくむ』 編著 明治図書 2010年8月。など。

脚注・引用

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  1. ^ a b c J-GLOBAL 研究者情報 安東茂樹。
  2. ^ 京都教育大学名誉教授 平成29年。京都教育大学ホームページ。2017年11月1日閲覧。
  3. ^ a b 広島国際学院大学ホームページ教員紹介 2017年11月1日閲覧。
  4. ^ a b 『ものづくりからのメッセージ 技術科教育の基本』筆者紹介。 竹谷教材出版事業部 2016年4月。
  5. ^ 株式会社 FeelWorks 前川孝雄 ブログ 2016年3月22日「はたらく論」。
  6. ^ 内山裕之ブログ 自然探検発見ほっとけん 2016年3月21日記事 2017年11月1日閲覧。
  7. ^ 公益財団法人 未来教育研究所 第1回リサーチメソッド講座。
  8. ^ 明石市教育委員会ホームページ。2017年11月1日閲覧。
  9. ^ 『中学校「セルフ・エスティーム」をはぐくむ授業づくり : 「自己肯定から自尊感情への挑戦」』 安東茂樹, 静岡大学教育学部附属浜松中学校 著 明治図書出版 2007年などがある。
  10. ^ 「技術科教授過程における技術的能力を高める教材の再構成に関する研究」 国立国会図書館 平成14年3月19日 芦屋大学 乙第26号。
  11. ^ 『ものづくりからのメッセージ 技術科教育の基本』筆者紹介。 竹谷教材出版事業部 2016年4月
  12. ^ 観点別学習状況の評価規準と判定基準 中学校技術・家庭 北尾倫彦監修、安東茂樹編集。
  13. ^ 「ものづくり教育による震災復興支援」 日本学術振興会: 科学研究費助成事業 研究期間: 2012年4月-2013年3月。
  14. ^ 『技術科教育はなぜ必要か-人を育て文化を築く「ものづくり」』- 竹谷出版 2014年9月。
  15. ^ 平成19年度 伊丹市立総合教育センター研修・講座。
  16. ^ 広島国際学院大学研究報告第50巻「技術科実習題材の製作と頒布による中学校と高等学校教育の系統的学びと理解度の高まりを求める実践」 pp16 ISSN 1345-3858。
  17. ^ 広島国際学院大学研究報告第50巻「技術科実習題材の製作と頒布による中学校と高等学校教育の系統的学びと理解度の高まりを求める実践」 pp9-pp17 ISSN 1345-3858。