安原伸
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安原 伸(やすはら しん、1964年(昭和39年) - 2020年(令和2年)3月22日[1])は、カメラ設計技術者。安原製作所創業者[2]。自主映画監督としても知られる。兵庫県出身。神戸大学理学部卒業。
経歴
[編集]- 大学在学中に「特殊撮影研究同好会」を結成。8ミリ特撮映画を製作し、活躍した。
- 京セラで10年間カメラの設計に携わった。それと並行して自主制作映画の制作も続けた。
- 1998年 個人営業のカメラメーカー安原製作所を創業[3]。
- 2004年2月 安原製作所の業務を一度終了。安原伸によると「カメラのデジタル化が急速に進んだため安原製作所の製造しているフィルムカメラが売れなくなった」とのことであった[3]。しかし、実際の廃業の原因は、安原一式発売直後に、ライカと同様に実像式レンジファインダーを備えたコシナのフォクトレンダーベッサシリーズ、コニカのRFが発売され、品質、機能面で勝負にならなかったためだった[要出典]。しかも業務終了の際、突然、製品の保証、修理対応等を放棄したためユーザーから批判を受けた[4]。
- 2007年 安原製作所が部品メーカーとして業務再開[3]。
- 2012年 安原製作所は株式会社となり、自社ブランドのデジタルカメラ用レンズの開発・販売を開始[3]。
- 2020年3月22日 死去。享年56[1]。
西王国の西和彦
[編集]西和彦が自分の考えたカメラを安原伸に実現させるために安原製作所に無断侵入し、業務妨害をしたとされる[5]。
安原伸は、その報復として「西王国の西和彦」という西和彦を批判する記事を連載した[6][7]。
安原伸が須磨学園(学園長:西和彦)のある教師に対する不当な退職強要に関する裁判[8]を傍聴した後に西和彦の妹に出会う動画[9]が残っており、その対立の激しさが想像される。
西和彦は、その記事が名誉棄損として安原伸を訴えた。2020年2月に安原伸の敗訴が決定した[10]。
「西王国の西和彦」はすでに削除されているが、わずかに魚拓がとられている[11][5]。
自主映画監督作品
[編集]安原作品においては、他の映画のセットに進入して勝手に撮影することもあった。衣装は全て出演者の自前であり、兵隊が出演する映画では軍装マニアが出演するなど自主映画らしいたくましさがある。また、そのような背景から作品を重ねる度に参加者が増え、各作品に厚みを持たせることが可能となっている。
作風は、ライトな特撮ギャクを主体としている。特に、右翼パロディの傾向が強い。 安原製作所を創業して以来、映像製作を休止中だが、2006年には「ガンダーラ映画祭」に異色のドキュメンタリー『二胡在新宿』を出品している。
- 「明治天皇宇宙の旅」(1988年)
- 「ライダー神風」(1988年)
- ライダー神風については、既に存在する記述を参照のこと。
- 「大阪アートポリス構想オープニングフィルム」(1990年)
- 1989年、「大阪アートポリス構想」発表イベントのオープニングフィルムとして発表された作品。
- 映画監督を志す青年が、天使と名乗る丁稚の風貌の人物に連れられ、映画都市となった50年後の大阪市を見物して回る内容。
- 翌年、CINEMAだいすき!フィルムフェスティバル‘90にてオリジナルの7分30秒を5分に再編集して放送され、13位にエントリーした。
- この作品のみ、後述のDVDに収められていない。
- 『国防挺身隊』シリーズ(1991-1993年)
- 安原の代表作であり、元々は、TBSの「三宅裕司のえびぞり巨匠天国」向けに製作された作品。
- 旧日本陸軍の兵士の格好をした「国防挺身隊」と称する三人組が、様々な「国賊」と戦うストーリーである。出演者たちは安原の知り合いの旧軍マニアである。
- 「わたしのあしながおじさん」(1992年)
- 南方の戦線から女学生に学資金を送りつづける日本軍兵士の物語。戦場から敗戦で荒廃した街の中で主人公が捨て子と出会うところから、物語が始まる。
- 作品中に焼け跡となった街のシーンが出てくるが、当時撮影が終了したばかりの黒澤明監督による「まあだだよ」(1993年公開)の撤去される直前のセットに勝手に忍び込んで撮影されている。
- ビジネスジャンプ・CINEMAだいすき映像大賞グランプリ、第4回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭において、オフシアター部門の審査員特別賞を受賞している。
- 「ぼくのスカイライン」(1993年)
- 日産自動車が当時の新型スカイライン発売にあたって企画した「スカイライン映像大賞」に応募すべく製作した作品。
- 第5回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭において、オフシアター部門の審査員特別賞を受賞している。
- BGMにはクラウス・ノミのTotal Eclipseが使われている。
- 「伝えられたら」(1993年)
- 安原作品の中では異端に分類される作品で、兵隊もギャクも無いあるサラリーマンのモニター越しの人間関係を描いた作品。
- ビジネスジャンプ・CINEMAだいすき映像大賞準グランプリ、ビクター東京ビデオフェスティバル奨励賞を受賞している。
- 「はにわマン」(1994年)
- 第6回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭において、オフシアター部門のグランプリを獲得した作品。
- 変身すると10の力が0になるという「はにわマン」の物語。
DVD
[編集]- 「国防挺身隊」「明治天皇宇宙の旅」「ライダー神風」「わたしのあしながおじさん」「ぼくのスカイライン」「伝えられたら」「はにわマン」を収録。リージョンオール。安原自身による解説文も収録。
著書
[編集]- 安原伸『安原製作所回顧録』枻出版社。ISBN 4777909263。
出典
[編集]- ^ a b 安原製作所 お知らせ Archived 2021年9月8日, at the Wayback Machine.
- ^ “第5回:事例に学ぶ(特別編)たった一人でカメラ・メーカーを創業”. 日経BP社 (2012年9月24日). 2024年8月4日閲覧。
- ^ a b c d 安原製作所 企業概要 Archived 2021年9月6日, at the Wayback Machine.
- ^ 加藤明典「安原製作所業務終了の理由と安原カメラ今後の修理可能性を探る」『カメラGET! VOL.28』、学習研究社、2004年7月、56頁、定期刊行物コード 4910029980749。
- ^ a b 西王国の西和彦(31) 「西和彦よ。君が安原製作所に闖入してから」という記述が確認できる。
- ^ #167 Lマウントをライカとパナソニックとシグマが商品化
- ^ レトロを滅ぼすのは誰か?(仮)
- ^ 須磨学園と後藤先生の裁判 判決の要旨
- ^ 神戸の思い出(2015/11/07) - YouTube
- ^ #359 名誉毀損裁判判決確定
- ^ 西王国の西和彦(16)
- ^ http://tacoche.com/?p=187
- ^ http://taco.shop-pro.jp/?pid=2575572